Web音遊人(みゅーじん)

ブラスト!

究極のエンタメ「ブラスト!」の原点ともいえるオリジナルバージョンが10年ぶりに帰ってくる!

「ブラスト!」は、アメリカの南北戦争に起源をもつ伝統的なドラム・コー(太鼓隊)とマーチングバンドを現代にショーアップした究極のエンターテインメント。12種類以上の金管楽器からなる「ブラス」、51種類以上の打楽器による「パーカッション」、そしてフラッグや(ライフルやサーベルなどを模した)手具を駆使したダンスで魅せる「ヴィジュアル・アンサンブル(ダンサー/カラー・ガード)」の3つのパートで構成され、それぞれが驚異的なパフォーマンスを披露する。本国でトニー賞やエミー賞に輝き、日本でも2003年の初来日以来、12回のツアー(※全880公演/130万人以上を動員)を成功させてきた圧巻のショーが、2024年7月から13回目の来日ツアー(21都市48公演)を開催。

「ブラスト!」といえば欠かせない存在、石川と米所

総勢34名のパフォーマーが出演するなかで日本人キャストは4人。とりわけパーカッショニストの石川いしかわなおきは、2000年に日本人初の「ブラスト!」入団を果たし、ブロードウェイの舞台にも立った“レジェンド”。国内でのブラストシリーズは2003年の初来日ツアーから全てに参加し、ショーの一部アレンジにも関わるとともに、グループのまとめ役でもある。またトランペット奏者の米所よねそ裕夢ひろむも2011年に最年少で入団し、2016年、2017年、2019年の「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」では、フリューゲルホルンのソリストとして日本の各会場を沸かせたのも記憶に新しい。
「ステージの上では凄腕ドラマーとしてクールなイメージの石川さんですが、実はシュールなジョークを飛ばしてみんなの緊張を解いたり、現場を和ませたりしてくれるムードメーカー。楽器のことだけでなく、プライベートでもいろんな相談にのってくれる面倒見のいい兄貴です」(米所)
「最初に出会った時、米所くんはまだティーンエイジャーだった。一緒にやり始めて12年目になりますが、今では何でも任せられる頼れる男になりましたね」(石川)

左から石川直(パーカッション)、米所裕夢(トランペット)

左から石川直(パーカッション)、米所裕夢(トランペット)

今回が初舞台となる若きふたり、渋田と丹澤

そんなお馴染みの顔ぶれに加えて、オーディションを経て新しく加入した2名の若きキャスト。吹奏楽部強豪校の出身でドラム・コーの世界大会DCI(Drum Corps International)にてリード・トランペットを務めた渋田しぶた華暖かのんと、19歳で渡米してDCIへは3シーズン出場しWGI(Winter Guard International)にも参加したヴィジュアル・アンサンブルの丹澤たんざわ里穂菜りほなが、この夏、日本で「ブラスト!」デビューを果たす。
「小学5年生の時に初めて公演を生で観て以来、入団を人生の目標にしていました。沢山の奏者がいて、それぞれが自分の楽器に対する強い想いで溢れているけれど、私も自分の色を出せるように全力で取り組みたいです」(渋田)
「石川さんも米所さんも演奏していない時から常にプロフェッショナル。私もステージに立つ前から気を引き締めていきたいです」(丹澤)
「“ブラスト愛”がすべて(笑)。テクニックを磨いたり音楽性を追求したりすることも大切だけど、結局は人と人との化学反応だからファミリー感が大事だと思っています。お互いの絆が強くなればなるほど演奏も深まり、濃くなっていきます」(石川)

左から渋田華(トランペット)、丹澤里穂(ヴィジュアル・アンサンブル)

左から渋田華暖(トランペット)、丹澤里穂菜(ヴィジュアル・アンサンブル)

取材時、特別に4人で短いパフォーマンスを披露してもらったが、少人数ながら圧巻。石川のドラムは正確なテンポを刻みつつ、そのサウンドは大地を揺るがしかねない程の迫力だ。米所と渋田による華やかなフリューゲルホルンとトランペットがパワフルに響きわたるなか、丹澤のフラッグが軽やかに舞う。
「とにかくマーチングのスネアドラムはひたすら叩き続ける楽器なので、ちょっとやそっとじゃ壊れない頑丈なつくりが重要です。本番では総勢8人で叩くのでド迫力なのは間違いありません」(石川)
「本番では僕ら2人の他に4人のトランペットが加わり、トロンボーンにチューバ、フレンチホルンも複数が勢揃いするので壮観です。あと僕はフリューゲルホルンを吹くことも多く、ずっと自分が求める音を探していたのですが、ヤマハの楽器と出会って理想の音色をみつけました」(米所)
「音楽にさまざまなジャンルがあるように、ヴィジュアル・アンサンブルもひとつの表現方法。いろんな道具を駆使してカラフルなパフォーマンスを披露しますので、どうかお楽しみに」(丹澤)

聴きどころ、必見ポイントは……

2024年の日本ツアーは10年ぶりに上演される「ブラスト!」シリーズの原点ともいえるオリジナルバージョンをベースに現代のフレーバーでアップデートしたもの。テーマは「EMOTIONAL JOURNEY(色と感情の旅)」。“静”から“動”へ完璧で美しいフォーメーションを誇るラヴェル作曲の『ボレロ』を皮切りに、絶えず動き回るパフォーマーと劇的な色使いが聴衆の感情を揺さぶる。
「象徴的なのは、たとえば第1幕後半の“ブラック”をテーマにしたセクションで行われるドラムのバトル。ドラマー同士がスティックを手に、まるで殴り合うかのような激しい殺陣を演じます。そんなダークなアクションシーンもあれば、“ブルー”をテーマにブルースやジャズを演奏し、“レッド”では情熱的な楽曲が登場する。また“イエロー”はヴィジュアル・アンサンブルの見せ場で、一糸乱れぬ振付を披露できると思います」(石川)
「もの凄い音圧で吹くことも、静かに歌い上げることもできる僕らブラスパートのハイライトは〈マラゲーニャ〉と呼ばれる第2幕のラストです。最初の静かな暗闇から徐々にボルテージが上がってきて、ある瞬間から一気に爆発して全員がフォルティッシモで盛り上がる。ヴィジュアル的にも非常にド派手なので、きっとお客さんの記憶に残る場面になるはずです」(米所)

「ブラスト!」日本人キャストの4人

「ブラスト!」ファンにとっては定番の、休憩時間パフォーマンスや終演後のキャストとのミート&グリートも、もちろん健在。さらには日本ツアーだけの特別な選曲もあるというから、今から開幕が楽しみだ。
「演奏する僕らもプレイヤー冥利に尽きるワクワクの内容。特に吹奏楽部などで楽器をやっている方にはおオススメです。ぜひ足を運んでいただけますように」(米所)
「楽器演奏ともども、ヴィジュアル・アンサンブルも必見です」(丹澤)
「ずっと憧れていた夢の舞台に立てることが嬉しい。目標に向かって努力を続けている人に希望を与えられるように頑張ります」(渋田)
「音楽的に興味があれば、より深く楽しめることをお約束できます。でも予備知識など一切必要ありません。ふらっと夏祭りやパーティーに来る感覚で、遊園地に遊びに行くようなつもりで立ち寄っていただくのも大歓迎です。きっと驚きと感動の体験が待っているので……お待ちしています!」(石川)
圧倒的なサウンドと視覚効果で観客を魅了するアメリカ生まれの夢のステージを、この夏、その目と耳で体感して欲しい。


blast ブラスト! 2024年全国ツアー公式PV

■ブラスト!

日時:2024年7月28日(日)~9月16日(月・祝) 21都市48公演 全国ツアー開催
詳細はこちら

YouTube公式チャンネルオフィシャルX(旧Twitter)

photo/ 阿部雄介

本ウェブサイト上に掲載されている文章・画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

facebook

twitter

特集

櫻井哲夫

今月の音遊人

今月の音遊人:櫻井哲夫さん「聴いてくれる人が楽しんでくれると、自分たちの楽しさも倍増しますね」

4574views

クランベリーズ/ドロレス・オリオーダン追悼。あらゆる枠を超えて愛された音楽

音楽ライターの眼

クランベリーズ/ドロレス・オリオーダン追悼。あらゆる枠を超えて愛された音楽

5931views

ギター文化館

楽器探訪 Anothertake

歴史的ギターの音を生で聴けるコンサートも開催!

7423views

金管楽器のパーツごとのお手入れ方法 - Web音遊人

楽器のあれこれQ&A

金管楽器のパーツごとのお手入れ方法

15958views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若手サクソフォン奏者 住谷美帆がバイオリンに挑戦!

9400views

オトノ仕事人

芸術をとおして社会にイノベーションを起こす/インクルーシブアーツ研究の仕事

6911views

弦楽四重奏を聴くことが人生の糧となるように/第一生命ホール

ホール自慢を聞きましょう

弦楽四重奏を聴くことが人生の糧となるように/第一生命ホール

9265views

こどもと楽しむMusicナビ

親子で参加!“アートで話そう”をテーマにしたオーケストラコンサート&ワークショップ/第16回 子どもたちと芸術家の出あう街

5615views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

世界中の珍しい楽器が一堂に集まった「浜松市楽器博物館」

31419views

われら音遊人:バンド経験ゼロの主婦が集合 家庭を守り、ステージではじける!

われら音遊人

われら音遊人:バンド経験ゼロの主婦が集合 家庭を守り、ステージではじける!

8927views

山口正介 Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

マウスピースの抵抗?音切れ?まだまだ知りたいことが出てくる、そこが面白い

5977views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

30897views

【動画公開中】沖縄民謡アーティスト上間綾乃がバイオリンに挑戦!

おとなの楽器練習記

【動画公開中】沖縄民謡アーティスト上間綾乃がバイオリンに挑戦!

9400views

武蔵野音楽大学楽器博物館

楽器博物館探訪

世界に一台しかない貴重なピアノを所蔵「武蔵野音楽大学楽器博物館」

22910views

音楽ライターの眼

ピンク・フロイド関連映像作品3タイトルがリリース。ステイ・ホームなんて怖くない

2843views

オトノ仕事人

最適な音響システムを提案し、理想的な音空間を創る/音響施工プロジェクト・リーダーの仕事

2162views

Red Pumps BIGBAND

われら音遊人

われら音遊人:出自がさまざまなメンバーと、誰もが楽しめる音楽をビッグバンドで

912views

v

楽器探訪 Anothertake

弾く人にとっての理想の音を徹底的に追究したサイレントバイオリン™

6797views

サントリーホール(Web音遊人)

ホール自慢を聞きましょう

クラシック音楽の殿堂として憧れのホールであり続ける/サントリーホール 大ホール

22901views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

楽器は、いつ買うのが正解なのだろうか?

8533views

エレキギター

楽器のあれこれQ&A

エレキギターのサウンドメイクについて教えて!

1061views

東京文化会館

こどもと楽しむMusicナビ

はじめの一歩。大人気の体験型プログラムで子どもと音楽を楽しもう/東京文化会館『ミュージック・ワークショップ』

7706views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

30897views