今月の音遊人
今月の音遊人:上原ひろみさん「初めてスイングを聴いたときは、音と一緒に心も躍るような感覚でした」
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【優待チケット】いまの充実と響きの美学が味わえる、日本初演を含む珠玉のプログラム/児玉桃インタビュー
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2024.12.3
フランスを拠点に欧米各地、日本などで活発な演奏活動を展開している児玉桃が、2025年2月7日(金)にヤマハホールでリサイタルを開く。プログラムはドビュッシー『前奏曲集第1巻』より3曲、ショパンの『ピアノ・ソナタ第3番』、E.モンタルベッティの『6つの間奏曲』(日本初演)、ムソルグスキーの『展覧会の絵』という構成。その選曲の意図、内容などについて話を伺った。
「リサイタルのプログラムを考えるときは、各曲の関連性を考慮したり、長い間演奏していなかった作品をもう一度見直したりしたいと思って選曲することもあります。今回のドビュッシーとムソルグスキーの作品には各曲のなかに類似点、共通項が見られると思って選びました。ドビュッシーとムソルグスキーは、お互いに尊敬しあっていたといわれていますし、ぜひ一緒に弾きたいと思っているのです」
『展覧会の絵』では、曲の前に置かれた「プロムナード」の違いに注目したいという。これまで、多くのピアニストに『展覧会の絵』に関してインタビューをしてきたが、ほとんどの人が各曲についての解説や印象、聴きどころなどについて語っている。だが、「プロムナード」の違いについて注目すべきだと語ったのは、児玉桃が初めてである。
「私が考えるのは、それぞれの曲の前に置かれたプロムナードの相違点です。ムソルグスキーがハルトマンのひとつの絵を観て、次の絵に進む。それがプロムナードで表現されているわけですが、それぞれの絵をどのようにムソルグスキーが感じ取り、それをいかなる音で表現しているのか。そのプロムナードの違いを音で表現したいと思っています」
ショパンのピアノ・ソナタに関しては……。
「私は20代のころ『ピアノ・ソナタ第3番』は何度も演奏しています。3歳のころにディヌ・リパッティの録音でショパンのワルツを耳にしてから、ずっとショパンとのつながりを意識し、生涯弾いていきたい作曲家だと感じてきました。久しぶりにまた演奏したいと思い、今回は新たな思いで作品と対峙します。第1楽章はオーケストラ的で、恩師のヴェラ・ゴルノスタエヴァ先生がおっしゃった言葉ですが、《海から湧き出てくるビーナス誕生のようだ》と。まさにミラクル。このソナタは生きることを称えているような感覚を抱きます」と語る。
もうひとつ、今回は日本初演のエリック・モンタルベッティの作品が披露されるが、これは児玉桃に捧げられた作品である。
「パリにテレーズさんというマダムがいらして、彼女の家に友人たちが集い、お食事やおしゃべり、音楽を楽しむ会があります。まるでシューベルティアーデか、ショパンのサロンの集まりを思わせるような集いです。そこでモンタルベッティさんがテレーズさんをイメージした1曲を書き、私が演奏したのです。最初は3曲書かれ、やがて6曲に増えました。先日、パリのセールオートゥイユ音楽祭でこの6曲を世界初演しましたので、ぜひ日本でも紹介したいと思っています。最初に手書きの譜面を見たときは心が高揚する思いで、響きの美しさに感銘を受けました。ヤマハホールは木の香りのする温かで親密的な響きのホールですからCFXが美しく響くと思います」
児玉桃は国際コンクールの審査員も務め、浜松国際ピアノコンクール(2024年)、ショパン国際ピアノコンクール(2025年)の審査員を務める。今後はJ.S.バッハ『平均律クラヴィーア曲集第1、2巻』『ゴルトベルク変奏曲』、ショパンの『24の前奏曲』、シューマンの『クライスレリアーナ』、そしてシャブリエなどの作品が視野に入っているという。
「歌曲のピアノ伴奏にも興味を抱いています。歌は音楽の原点ですから。ドイツで白井光子さんの歌を聴き、感動しました。以前、アンドラーシュ・シフが伴奏している演奏を聴き、ピアノだけで音楽になる、別の面が感じられると、新たな刺激と感動を受けました」
初演作を含めたリサイタル、児玉桃の「いまの充実」が音となり、響きの美学が味わえる。
日時:2025年2月7日(金)19:00開演(18:30開場)
会場:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14)
料金:5,000円(税込・全席指定)
出演:児玉 桃(ピアノ)
演目:C.ドビュッシー/前奏曲集 第1巻より 第1曲 デルフォイの舞姫、第11曲パックの踊り、第10曲 沈める寺
F.ショパン/ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
E.モンタルベッティ/6つの間奏曲 ※日本初演
M.ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」
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本公演の優待チケット(一般:定価5,000円/優待価格4,500円)を計20枚ご用意いたしました。
ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。
※ご応募の際は、ヤマハミュージックメンバーズの会員登録(登録無料)が必要です。
応募期間:2024年12月22日(日)23:59
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文/ 伊熊よし子
photo/ Lyodoh Kaneko
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