今月の音遊人
今月の音遊人:武田真治さん「人生を変えた、忌野清志郎さんとの出会い」
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ピアノ演奏をより美しく楽しくするための話題の教則本『ペダルの練習帳2』堀江 真理子「ピアノのペダルは上手に踏めば音楽に輝きを与えますが、無頓着なペダリングは音楽を台無しにしてしまいます。ペダルも指と同じように系統だった練習が必要です」(「はじめに」より)。そんな言葉掛けで始まる『ペダルの練習帳2』は、『ブルクミュラー25の練習曲』を終えた頃から使えるペダルの練習に特化したメソード。その希少性から反響を呼んでいる。
著者は日本とフランスで音楽とピアノを学び、フランス音楽の演奏に定評のあるピアニスト堀江真理子。
「演奏講座で指導者からの質問が最も多かったのがペダルについてでした。そのため、奏法や指導法に悩む方に向けた実践的な教則本が必要ではないかと考えました」
ピアニストは演奏中、実に繊細にペダルを踏んでいる。しかし、一般的にはペダルの踏み方をきちんと考えたり学んだりする機会はほとんどない。そこで本書では、ペダルの構造的な仕組みの解説から始め、バルトークやドビュッシー、ショパン、三善晃といった多彩な作曲家の美しい小品を教材に、段階的にペダルの技術が高められるよう構成されている。充実した学びの要素が凝縮されるなかに、曲集としての弾きごたえや演奏の楽しさもあふれているのが魅力だ。
「選曲にこだわり、ペダルがより生きるフランス音楽や近現代の作品から、さまざまな踏み方の特徴が出る曲を選びました。ペダルを踏むことに慣れて、頭で考えずに足が動くようになってからが本当の演奏です。この本に示したようにまず踏んでみて、ペダルによってピアノの音が美しく変わるのを感じていただければと思います」
打鍵の前に踏むペダル、打鍵の少しあとに踏むペダル、ペダルを離すタイミングなど、その示し方にもこだわり尽くした楽譜は、視覚的に捉えやすく、練習意欲が引き出される。ここで最も大事になるのは「足」ではなく「耳」だという。
「自分の音が美しく響いているかを判断できる耳が養われると、もっときれいな音を出したいという気持ちが高まり、技術も向上します。これはぜひ子どもの頃から養ってほしい力です。ただ、ペダルの練習は大人になってからでも始められます。ペダルの機能に興味を持って、ペダルとともにピアノの音を作っていくきっかけになれば、という願いを込めてまとめました」
ペダルの練習で表現力が磨かれると、ピアノがもっと好きになり、弾くことが楽しくなる。ピアノ指導者やピアノ学習者はもちろん、子どもから大人まで、ピアノを弾くすべての人に、今すぐ手にしてほしい一冊だ。
著者:堀江真理子
発売元:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
料金:2,200円(税込)
詳細はこちら
文/ 芹澤一美
photo/ 菊池健
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