今月の音遊人
今月の音遊人:仲道郁代さん「多様性こそが音楽の素晴らしさ、私自身もまだまだ変化していきます」
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オレンジとヘヴンを目指せ! ロックだけじゃないFUJI ROCK FESTIVAL
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2014.7.24
tagged: ロック, ジャズ, フェス, フジロック, FIELD OF HEAVEN, ORANGE COURT, フェスめし
音楽ファンにとって夏の恒例行事として定着したFUJI ROCK FESTIVAL(フジロックフェスティバル)は、今年ではや18回目を迎える。
このフジロック、名前こそ“ロック”だが、出演ミュージシャンのジャンルは実に多種多彩。主立ったステージは5つで、それぞれに傾向がある。特にメインゲートから20〜30分ほど歩いて到着する山奥のORANGE COURT(オレンジ・コート)とFIELD OF HEAVEN(フィールド・オブ・ヘヴン)の両ステージは、大人のコアな音楽ファンを集めるラインナップが人気で、フジロック最大のGREEN STAGE(グリーン・ステージ)には見向きもせず、「ヘヴンとオレンジ」があればいい、という人も少なくないのだ。思えば私も、7年前のフジロックで、雨に打たれながら上原ひろみの演奏に震えた。岡林信康を初めて観たのもフジロックだった。ヨンダー・マウンテン・ストリング・バンドはブルーグラス音楽の懐の深さを教えてくれた。
今年も山奥を目指す人々は、色めき立っている。7月25日(金)初日のオレンジでトリを飾る大友良英スペシャルビッグバンド・フェスティバル FUKUSHIMA!オールスターズ大盆踊り大会。昨年大ヒットしたドラマ『あまちゃん』で音楽を手がけた大友が、東日本大震災以降、復興支援活動を共に続けている仲間たちと作り上げる盆踊り大会に参加しない手はあるまい。このステージが終わると、オレンジはクラブに変身。ケン・イシイやゴールディ、ジ・オーブなど各国クラブ・ミュージックの第一人者が踊らせてくれる。
2日目のオレンジには、ニューオリンズの老舗ジャズ・クラブの専属バンドとして結成され、レトロとモダンを自在に行き来する演奏で人気を博すプリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドが初登場(初来日)する。ハワイ出身ウクレレ奏者ジェイク・シマブクロが緩急自在の演奏を聴かせた後は、世界最強のジプシー・ブラス・バンドのファンファーレ・チォカリーアが夜を締めくくる。となりのヘヴンで、こんな時代だからこそ染み渡りそうな加藤登紀子の歌声に酔ってもいい。
そして最終日のオレンジには、吉田美奈子、河合代介DUO (ジャズ・オルガン)、村上“PONTA”秀一によるユニットTRAINや憂歌団が続き、ラストにはスライ・ジョンソン、ボビー・ラッシュ、ラヴェル・ホワイトによるソウル・レジェンドの豪華でディープなセッションが待っている。同じ頃、ヘヴンでは、スカ・フレイムス、スカタライツ、東京スカパラダイスオーケストラと、三連発でスカまみれのパーティ中。
フジロックがこれほどまでに定着し、愛され続けている理由のひとつは、ジャンルレスでありながら、フェスのムードにマッチしたライブ達者な出演アクトを選出している点だろう。私はロックが大好きで、今年もアーケイド・ファイアの出演決定に小躍りし、ウォーターボーイズの出演にほくそ笑み、スリー・オクロックの出演には涙したクチだが、合間には山を歩いてオレンジやヘヴンを目指す。これまでもそうだったように、そこには、いつもと違う音楽に触れる機会があり、知らなかった感動を覚えるチャンスがあるから。それに…屋台のフェス飯もおいしいから。
文/ 赤尾美香
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