Web音遊人(みゅーじん)

オレンジとヘヴンを目指せ! ロックだけじゃないFUJI ROCK FESTIVAL

オレンジとヘヴンを目指せ! ロックだけじゃないFUJI ROCK FESTIVAL

音楽ファンにとって夏の恒例行事として定着したFUJI ROCK FESTIVAL(フジロックフェスティバル)は、今年ではや18回目を迎える。

このフジロック、名前こそ“ロック”だが、出演ミュージシャンのジャンルは実に多種多彩。主立ったステージは5つで、それぞれに傾向がある。特にメインゲートから20〜30分ほど歩いて到着する山奥のORANGE COURT(オレンジ・コート)とFIELD OF HEAVEN(フィールド・オブ・ヘヴン)の両ステージは、大人のコアな音楽ファンを集めるラインナップが人気で、フジロック最大のGREEN STAGE(グリーン・ステージ)には見向きもせず、「ヘヴンとオレンジ」があればいい、という人も少なくないのだ。思えば私も、7年前のフジロックで、雨に打たれながら上原ひろみの演奏に震えた。岡林信康を初めて観たのもフジロックだった。ヨンダー・マウンテン・ストリング・バンドはブルーグラス音楽の懐の深さを教えてくれた。

今年も山奥を目指す人々は、色めき立っている。7月25日(金)初日のオレンジでトリを飾る大友良英スペシャルビッグバンド・フェスティバル FUKUSHIMA!オールスターズ大盆踊り大会。昨年大ヒットしたドラマ『あまちゃん』で音楽を手がけた大友が、東日本大震災以降、復興支援活動を共に続けている仲間たちと作り上げる盆踊り大会に参加しない手はあるまい。このステージが終わると、オレンジはクラブに変身。ケン・イシイやゴールディ、ジ・オーブなど各国クラブ・ミュージックの第一人者が踊らせてくれる。

2日目のオレンジには、ニューオリンズの老舗ジャズ・クラブの専属バンドとして結成され、レトロとモダンを自在に行き来する演奏で人気を博すプリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドが初登場(初来日)する。ハワイ出身ウクレレ奏者ジェイク・シマブクロが緩急自在の演奏を聴かせた後は、世界最強のジプシー・ブラス・バンドのファンファーレ・チォカリーアが夜を締めくくる。となりのヘヴンで、こんな時代だからこそ染み渡りそうな加藤登紀子の歌声に酔ってもいい。

プリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンド

プリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンド

そして最終日のオレンジには、吉田美奈子、河合代介DUO (ジャズ・オルガン)、村上“PONTA”秀一によるユニットTRAINや憂歌団が続き、ラストにはスライ・ジョンソン、ボビー・ラッシュ、ラヴェル・ホワイトによるソウル・レジェンドの豪華でディープなセッションが待っている。同じ頃、ヘヴンでは、スカ・フレイムス、スカタライツ、東京スカパラダイスオーケストラと、三連発でスカまみれのパーティ中。

フジロックがこれほどまでに定着し、愛され続けている理由のひとつは、ジャンルレスでありながら、フェスのムードにマッチしたライブ達者な出演アクトを選出している点だろう。私はロックが大好きで、今年もアーケイド・ファイアの出演決定に小躍りし、ウォーターボーイズの出演にほくそ笑み、スリー・オクロックの出演には涙したクチだが、合間には山を歩いてオレンジやヘヴンを目指す。これまでもそうだったように、そこには、いつもと違う音楽に触れる機会があり、知らなかった感動を覚えるチャンスがあるから。それに…屋台のフェス飯もおいしいから。

アーケイド・ファイア

アーケイド・ファイア

■FUJI ROCK FESTIVAL ‘14

  • 会期:2014年7月25日(金)〜27日(日)
  • 場所:新潟県湯沢町苗場スキー場
  • FUJI ROCK FESTIVAL ‘14オフィシャルサイトはこちら

特集

今月の音遊人:仲道郁代さん「多様性こそが音楽の素晴らしさ、私自身もまだまだ変化していきます」

今月の音遊人

今月の音遊人:仲道郁代さん「多様性こそが音楽の素晴らしさ、私自身もまだまだ変化していきます」

11355views

音楽ライターの眼

連載19[ジャズ事始め]ジャズのフィーリングを体得した穐吉敏子が「フィリピン人のようだ」と褒められたワケ

3050views

楽器探訪 Anothertake

奏者の思いどおりに音色が変化する、豊かな表現力を持ったグランドピアノ「C3X espressivo(エスプレッシーヴォ)」

9383views

大人のピアニカ

楽器のあれこれQ&A

「大人のピアニカ」の“大人”な特徴を教えて!

3619views

コハーン・イシュトヴァーンさん Web音遊人

おとなの楽器練習記

【動画公開中】ハンガリー出身のクラリネット奏者コハーン・イシュトヴァーンがバイオリンを体験レッスン!

10491views

梶望さん

オトノ仕事人

アーティストの宣伝や販売促進など戦略を企画して指揮する/プロモーターの仕事

11687views

音の粒までクリアに聴こえる音響空間で、新時代へ発信する刺激的なコンテンツを/東京芸術劇場 コンサートホール

ホール自慢を聞きましょう

音の粒までクリアに聴こえる音響空間で、刺激的なコンテンツを発信/東京芸術劇場 コンサートホール

12693views

こどもと楽しむMusicナビ

1DAYフェスであなたもオルガン博士に/サントリーホールでオルガンZANMAI!

3300views

民音音楽博物館

楽器博物館探訪

16~19世紀を代表する名器の音色が生演奏で聴ける!

12102views

if~

われら音遊人

われら音遊人:まだまだ現在進行形!多くの人に曲を届けたい

1358views

パイドパイパー・ダイアリー Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

あれから40年、おかげさまで「音」をはずさなくなりました

4755views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

10373views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:若き天才ドラマー川口千里がエレキギターに挑戦!

11658views

民音音楽博物館

楽器博物館探訪

歴史的価値の高い鍵盤楽器が並ぶ「民音音楽博物館」

24638views

ライヒ「4台のオルガン」、加藤訓子一人全役が示すミニマル・ミュージックの成立過程

音楽ライターの眼

【クラシック名曲 ポップにシン・発見】(Phase24)ライヒ「4台のオルガン」、加藤訓子一人全役が示すミニマル・ミュージックの成立過程

1831views

オトノ仕事人

芸術をとおして社会にイノベーションを起こす/インクルーシブアーツ研究の仕事

6911views

われら音遊人

われら音遊人:大学時代の仲間と再結成大人が楽しむカントリー・ポップ

4593views

82Z

楽器探訪 Anothertake

アンバー仕上げが生む新感覚のヴィンテージ/カスタムサクソフォン「82Z」

3940views

紀尾井ホール

ホール自慢を聞きましょう

専属の室内オーケストラをもつ日本屈指の音楽ホール/紀尾井ホール

14741views

パイドパイパー・ダイアリー Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

楽器は人前で演奏してこそ、上達していくものなのだろう

8828views

楽器のあれこれQ&A

目的別に選ぼう電子ピアノ「クラビノーバ」3シリーズ

3213views

Kitaraあ・ら・かると

こどもと楽しむMusicナビ

子どもも大人も楽しめるコンサート&イベントが盛りだくさん。ピクニック気分で出かけよう!/Kitaraあ・ら・かると

6262views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

30897views