今月の音遊人
今月の音遊人:寺井尚子さん「ジャズ人生の扉を開いてくれたのはモダン・ジャズの名盤、ビル・エバンスの『ワルツ・フォー・デビイ』」
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これからのマーチングドラム ~楽器の進化の可能性~
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2015.9.11
tagged: 楽器探訪, マーチングドラム, マーチングスネアドラム, マーチングマルチタム, マーチングバスドラム
スネアドラムよりも下の音域、マーチングドラムの中音域を担当するのがマルチタム。伝統的なマーチングでは、テナードラム(響き線の無いスネアドラム)が中音域を担当しますが、ショースタイルのマーチングでは、3~6つのタムで音程を表現できるマルチタムが主流となっています。
なお楽器を見ると、タムが大きさの順に並んでいないことがわかります。
「奏者が持ち運びやすいよう、左右の重量が均等になる並びになっているのです。この並びによってわざと腕を交差させるアクロバティックな奏法や、マーチング特有のフレーズが多く生まれました。楽器の機能性が新しい表現力を生んだおもしろい楽器といえますね」(岡本さん)
そして、マーチングドラムの低音域を鳴らし、楽曲のベースラインを担うのがバスドラム。ひとつのバスドラムでベース音をシンプルに刻むだけでなく、口径(音程)の異なる4~5台で音階を表現することもあります。
「バスドラムのリズムが狂うとバンド全体の足並みが崩れるため、非常に重要なポジションといえます。また、複数台で表現する音階は音楽性が高く見応えがありますから、バスドラムに注目するとまた違った角度からマーチングが楽しめると思いますよ」(奥村さん)
幾度もの改良を経て、進化してきたヤマハのマーチングドラム。国内のバンドはもちろん、マーチングの本場であるアメリカの主力バンドからも高い支持を得ています。
「マーチングドラムの開発は、音量・強度・軽量化という、矛盾した要素をいかに同時に成立させるかが大きなテーマです。今ある楽器はひとつの完成形ではありますが、細部はまだ改良の余地があると思いますので、新たな可能性を探っていきたいです」(岡本さん)
ヤマハのマーチングドラムは、今後どのように変化を遂げていくのでしょうか。その新たな可能性に期待が高まります。
Take1:見て、聴いて、楽しいマーチング
Take2:マーチングドラムの必須条件とは?
Take3:これからのマーチングドラム~楽器の進化の可能性~
文/ 武田京子
photo/ 村上一光
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