今月の音遊人
今月の音遊人:八代亜紀さん「人間だって動物だって、音楽がないと生きていけないと思います」
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1987年に創立した“ご長寿”ビッグバンド「ムーンライト・オーケストラ」。この日練習していたバンドテーマ曲『レッツプレイ』は、トロンボーン奏者で自らのビッグバンドも率いる角田健一氏が書き下ろしてくれたものだという。
30年というキャリアを重ねてきただけにその演奏レベルは高く、老舗にも似た安定感がある。そして、メンバー同士のゆるやかでありながら強いつながりがうかがえる理由は、どうやら楽団の生い立ちにあるようだ。
「創立当初のメンバーは、全員が小学校の教員。出産で辞める先生がいらっしゃって、そのお別れ会のために7人ぐらいでバンドを作ろうということになったんです。それで終わってしまうのももったいないので、続けようということになって」。そう話す代表の安達禎崇(きよたか)さんも小学校教員だ。「当時は鎌倉市の小学校の音楽室を借りて夜に練習していたのでムーンライト・オーケストラ。安易なネーミングでしたが、そのうちちゃんとした名前がつくだろうと思いつつ、はや30年です(笑)」
活動初期は、観客のほとんどが小学生だった。「音楽って楽しい。先生たちもこんなふうに楽しんでいるんだよ」。子どもたちに向けて発信してきたそんなメッセージをしっかり受け取った教え子たちが、年を経てメンバーに加わった。さらに、その友だちや元観客も入団。顔ぶれは少しずつ入れ替わりながら現在は16人、ゲストとエキストラを含めて計22人で活動している。年齢は20代から60代までと幅広く、職業も教員、会社員、鉄道会社職員、自動車学校の教官、白バイ警官など多彩だ。
練習は月3回程度。活動の核となるのは、毎年8月に行われるサマーコンサート(定期演奏会)だ。昨年は8月6日に30周年記念サマーコンサートを開催。また、昨年5月にはメンバーの還暦を祝い、ほかの楽団とともに横浜みなとみらいホールの大ホールで5楽団合同演奏会も行った。
さらに、ライブや地域のイベント、結婚式、幼稚園や老人ホームといった施設での演奏と、活動内容は幅広い。そのため、「創立当初からのレパートリーであるスタンダードジャズは根底で大事にしながらも、『服部良一ヒット曲メドレー』や『ドリフずっこけメドレー』、歌謡曲、アニメソングなど幅広く演奏しています」と安達さん。レパートリーは実に280曲に及ぶというから驚く。「今後の目標は、長く続けていくということでしょうか」と安達さんが言うと、「50周年とか?」「50周年って俺は何歳だ?もういないね」「追悼コンサートとかね」とメンバーの間で冗談が飛び交った。
「ムーンライト・オーケストラ」は、新陳代謝を繰り返しながら、これからも永く活動し続けるのだろう。変化しつつ、受け継いでいく…… 。そのあり様は、やはり老舗を思わせる。
●バンド名:ムーンライト・オーケストラ
●結成日:1987年11月
●モットー:音楽を楽しむ。人間関係を大事にする。
●練習頻度:月3回程度。
●平均年齢:44歳
●メンバー:小川恵美、福田豊(アルトサクソフォン)、貝山知之、原宏美、川口由美子(テナーサクソフォン)、瀧本哲郎(バリトンサクソフォン)、原修一、井上知久沙、中込里子、西島泰介(トロンボーン)、井上聡(バストロンボーン)、安達禎崇、福島康浩、市川昇一郎、澁澤英(トランペット)、佐藤夕子、三嶽義明(ピアノ)、深川哲(ギター)、山田裕明(ベース)、山本寛、生田目勇司(ドラム)、村上響子(パーカッション)、
●活動内容:毎年8月に行うサマーコンサート(定期演奏会)のほか、ライブハウスや地域のイベントなどにも参加。
ムーンライト・オーケストラ31thサマーコンサート
日時:2017年8月26日(土)14:30
会場 :戸塚区民文化センターさくらプラザ ホール(神奈川県横浜市)
入場料:無料
文/ 福田素子
photo/ 福地彰子
tagged: アマチュアミュージシャン, われら音遊人, ビッグバンド
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