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子ども向けだからといって音楽に妥協は一切しません!/東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」
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2018.11.27
tagged: サントリーホール, 東京交響楽団, 子ども, こども, こどもと楽しむMusicナビ
オーケストラの生演奏をコンサートホールで聴く。そんな本格的な音楽体験を、お子さんにもさせてあげたいと思いませんか?クラシック音楽の殿堂として名高いサントリーホールと東京交響楽団が共同で主催する「こども定期演奏会」は、日本初の、子ども のためのオーケストラ定期演奏会。年に4回開催されるコンサートでは、小・中学生を中心とした親子連れでサントリーホールがいっぱいになります。企画制作を担当する河野彰子さんに、その魅力と楽しみ方をうかがいました。
「こども定期演奏会」が正式にスタートしたのは2002年。当初から1回きりのコンサートではなく、年4回の定期的な開催をコンセプトとして立ち上げたのには、ある理由があったといいます。
「2002年から、多くの公立小・中学校と高校で毎週土曜日が休みになり、週休2日になりました。そこで私たちは、お休みになった土曜日に、子どもたちが楽しくクラシック音楽をオーケストラの演奏で聴けるようなコンサートを作ろうと、この企画を立ち上げたのです。子どもたちに定期的にコンサートホールに行く習慣を身につけてほしいという思いがあったので、定期演奏会という形にはこだわりましたね」
以来、16年にわたり4月・7月・9月・11月もしくは12月の土曜日に開催されてきた「こども定期演奏会」。しかし時代とともに教育現場の状況 も変わり、近年では月に何度かは土曜日にも登校する学校が増えてきました。そこで、2019年からは日曜日の開催に引っ越しするとのこと。
「現在でも、4公演分がセットになった年間会員券を毎年リピートしてご購入くださるお客さまが大多数ですが、2019年から日曜日の開催になることにより、さらに多くのお客さまにお越しいただけるのではと期待しています」
コンサートに入場できるのは「小学1年生から」となっていますが、「何歳まで」という上限はあるのでしょうか?
「上限はありません。立ち上げ当初からのコンセプトとして、小学5年生くらいの子どもが楽しめる内容というのを念頭に企画していますが、実際には小学1年生から大人まで、幅広い年齢層の方々にお越しいただいています。なかには、子育てが終わったお母さん同士でいらっしゃることも。子どもだけでなく、大人にも充分楽しんでいただけるプログラムですので」
たしかにプログラムを見ると、モーツァルトやベートーヴェンから伊福部昭、フィリップ・グラスまで、大人のコンサートと同じくらい本格的、どころか、それ以上に多彩な曲目が並んでいます。これを超一流の指揮者とソリスト、オーケストラの演奏で聴けるとは……なんとも贅沢な限り。
「子ども向けのコンサートだからといって、ただ親しみやすい曲を並べることは考えていません。クラシックでも、交響曲などでは1楽章だけ抜粋するような形にはなりますが、それによってプログラムにバラエティーは出るかなと。司会の坪井直樹さん *も、あえて子どもが相手だということを意識せず話していらっしゃいますね。音楽のクオリティは絶対に下げないというのが 、私たちのポリシーです」
*テレビ朝日アナウンサー
そう聞くと「うちの子にはちょっと難しいんじゃないかしら?」と心配になってしまいますよね。でも、大丈夫。子どもたちが興味を持てるよう、さまざまな仕掛けが用意されているのも「こども定期演奏会」の特長。たとえば、プログラムにおいては1年ごとにテーマが決められており、2018年のテーマは〈音楽と感情〉。それに従って4月は「笑って(^o^)」、7月は「怒って(`´)」、9月は「泣いて(T_T)」、12月は「楽しんでヽ(^o^)丿」という4回のコンサートが組まれています。
「『笑って(^o^)』の回にご登場いただいたジョナサン・ノットさんは本番当日、子どもたちを前にした途端にものすごく張り切って 、自分の子ども時代のお話 を熱心にしてくださり、演奏も震えるぐらい素晴らしいものでした。『怒って(`´)』と『泣いて(T_T)』の回は、テーマに反して坪井さんと出演者のトークに会場から笑いがどっかんどっかん!盛り上がりましたね」
観客として聴くだけでなく、参加型の企画にチャレンジしてみるのもおすすめ。オーディションで「こども奏者」に選ばれれば、なんと東京交響楽団のメンバーと一緒に「こども定期演奏会」のステージで演奏することができるんです! ほかにも、子どもの描いた絵が公演チラシのメインヴィジュアルとして 採用される「チラシの絵の募集」、子どもの作曲したメロディがテーマ曲としてオーケストラで演奏される「テーマ曲の募集」なども行われています。
「子どもの演奏家をソリストとして迎えることもあるのですが、やはり同年代の子がステージで演奏している姿を見ると、楽器を習っている子にとっては刺激になるようですね。あとは、“こどもレセプショニスト”を募集して、ホールでお客さまのお出迎えやアナウンスをしてもらったりもしています。開演前のプレトークでは、公演の広報やチケット販売の仕事についてスタッフがお話したり 、スポンサー企業の社長さんに協賛についてお話いただいたり。コンサートができるまでの流れについて知ってもらう機会になればと」
スタッフの皆さんのアイデアと熱意がめいっぱい詰まっている「こども定期演奏会」。最後に河野さんの印象的な言葉をご紹介したいと思います。
「私は立ち上げ当初から関わっていますが、じつは最初、この企画がどう受け入れられるか、少し不安もありました。大人と同じ定期演奏会というスタイルを子どもに当てはめるのは無理があるのではないかと。でも、16年やってみて分かったのは、子どもだからといって甘くみてはいけないということ。 “こども奏者”にしても、“こどもレセプショニスト”にしても、なにか役割 を与えられたときに子どもが発揮する力はすごい!その姿を見て毎回感動しています」
日時:12月1日(土)11 時開演
会場:サントリーホール(大ホール)
指揮:飯森範親 ソプラノ:鷲尾麻衣
料金:3,500円(税込)
※クリックでPDFが開きます
日時:4月14日(日)、7月7日(日)、9月8日(日)、12月15日(日)/11 時開演
会場:サントリーホール(大ホール)
料金:年間会員券12,000円(税込)/1回券3,500円(税込)
※チケットの発売情報は、オフィシャルサイトでご確認ください。
所在地:東京都港区赤坂1-13-1
TEL:0570-55-0017
文/ 原典子
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