Web音遊人(みゅーじん)

大人のピアニカ

37鍵ピアニカに30年ぶりの新モデルが登場!メロウな音色×おしゃれなデザインの「大人のピアニカ」

ボディの素材を変えることからスタート、鍵となったのは植物由来の樹脂

多くの人が、子どものころ学校の音楽の授業で親しんだ鍵盤ハーモニカ。息を吹き込みながら鍵盤を押し、リードを震わせることで音が鳴るリード楽器で、近年ライブに取り入れるプロのアーティストや、趣味で演奏する一般の愛好家が増えています。

ヤマハは1967年から鍵盤ハーモニカ「ピアニカ」を販売しており、子ども向けの25鍵・32鍵のモデルと、指導者や器楽合奏クラブ向けの37鍵(フル3オクターブ)のモデルがあります。このうち37鍵のモデル「P-37D」は、1988年の発売以来ロングセラーを誇っていますが、2018年6月、30年ぶりに新しいモデル「P-37E」が加わることになりました。

「P-37E」のコンセプトは「大人のピアニカ」。日本ではピアニカというと子どもの教育楽器というイメージがありますが、もっと幅広い人に魅力を知ってほしいという思いが込められています。
「ピアニカはリード楽器ならではの、あたたかみのある音色が魅力で、鍵盤を弾きながら、息によって音色をコントロールする面白さがあります。大人が思わず夢中になる高い表現力を持った楽器であることをアピールしたいと思い、『大人のピアニカ』というコンセプトを打ち出しました」と、商品企画を担当する東(ひがし)奈穂さん。

「P-37E」の開発は、30年のロングセラー「P-37D」のボディの素材を変えることから始まりました。鍵となった素材は、植物由来の樹脂と他素材を組み合わせたバイオマス由来樹脂で、以前リコーダーの素材に使ったところ音色と響きが向上した経験から、「同じ素材でピアニカのボディをつくったら、同じように音色が向上するのでは?」と開発陣は考えました。

素材を変えてみたところ、予想以上の手応えを得た開発陣。ロングセラーモデル「P-37D」のレスポンスの良さ、音色のコントロールのしやすさはそのままに、大人の奏者向けに、柔らかく深みのある音色を目指すという方向性が決まりました。

(写真左)開発を担当する野口佳孝さん。(写真右)商品企画を担当する東(ひがし)奈穂さん。

(写真左)開発を担当する野口佳孝さん。(写真右)商品企画を担当する東(ひがし)奈穂さん。

音色を決める「倍音」のバランス調整で理想の音づくりを実現

音色を柔らかくするとき、ポイントとなったのが倍音。倍音とは、鳴らしている音(基音)の2倍以上の周波数を持った高い音のことで、倍音の量や、どのような高さの倍音が鳴るかによって音色の印象が決まります。
「音色を柔らかくするためには、音を硬くする要因となる高い倍音を抑えることがポイントですが、決まったノウハウがあるわけではありません。試行錯誤を重ねた結果、本体ケースの内部に吸音材を敷き、奏者が吹き込む息(空気)の漏れを防ぐバルブパッキンの穴のサイズを音域によって変えることが有効だとわかりました」と、開発担当の野口佳孝さん。

開発陣は、バルブパッキンの穴のサイズを中音域から高音域にかけて段階的に小さくし、通過する息の量を抑えることで、高い倍音を抑えることに成功。また、ピアニカは音数が多くなるほど息の量が必要になりますが、中音域から高音域の穴のサイズを小さくすることで、音数の多い和音も、より少ない息で楽に吹けるようになったそう。

大人のピアニカ

(写真左)本体ケースを取り外したピアニカの内部で、鍵盤のいくつかを取り外したもの。バルブパッキンの穴は、息の量が減ると迫力が落ちる低音域は大きく、音を硬くする高い倍音を抑えたい中音域→高音域は段階的に小さくなっている。※バルブパッキンの開口部最適化については特許出願中です。(写真右)通常、バルブパッキンの穴はバルブで閉じられているが、奏者が鍵盤を押すとバルブが開き、穴から奏者の息が通ることでリードを震わせ、音が出る。

音色だけでなく、演奏性と操作性も改良されました。
「大きな改良点としては、パイプの形状を変えました。唇にフィットしやすい形状にしたほか、先端部の突起を高くすることで、両手がふさがってパイプを手で支えられないときも、口だけで保持しやすいようにしました」(野口さん)

演奏していないときはクリップに留められる仕様に。操作のストレスが減ることで、より快適に楽器が使えて、演奏に集中することができます。

大人のピアニカ

(写真左)端面にR形状を持たせることで、多彩な奏法に対応しやすくもなっている。(写真右)演奏しないときは、パイプを差し込み口のクリップに留めて固定できる。※パイプは単品での購入も可能。

細部の機能性まで考えられた、大人にふさわしいシックなデザイン

「こだわりのある大人に『欲しい』『吹いてみたい』と思ってもらえるように、シンプルなブラックと、あたたかみのあるブラウンという飽きのこないボディカラーを採用し、パイプは黒で統一しました」(東さん)

ボディのデザインは、鍵盤楽器とリード楽器の2つの要素を持つピアニカの特徴を表現するために、上半分は鍵盤楽器のピアノ、下半分はリード楽器のハーモニカの形がモチーフになっています。
「外装についても、上半分は光沢感のある仕上げ、下半分はしっとりとしたつや消し仕上げと、質感の異なる仕上げになっています」(東さん)

楽器を収納するケースは持ち運びに便利なソフトケースで、肩掛け、たすき掛け、手提げの3通りの使い方ができ、持ち手のストラップは、置いたときに垂れて地面に着かないよう調整することができます。
「楽器本体だけでなく、持ち運びのケース、梱包箱などのパッケージに至るまで、トータルで『大人のピアニカ』の世界観を表現したのも『P-37E』の大きな特徴となっています」(東さん)

大人のピアニカ

(写真左)その日の気分やファッション、荷物に合わせて持ち方を変えられる。(写真右)梱包箱でも「大人のピアニカ」の世界観を表現。取っておきたくなるかわいさだ。

深くメロウな音色の「P-37E」は、ソロで存在感を放つのはもちろん、アンサンブルでほかの楽器と音が馴染みやすいのも魅力です。
「今回の開発で、最もこだわったのが音色です。既存の『P-37D』とは音色のタイプが異なりますので、音の聴き比べ、吹き比べをして、ピアニカの音色の多様さを体感いただきたいです」(野口さん)

「P-37E」を楽しむための、楽譜集『大人のピアニカレパートリー ~大人からはじめる趣味の鍵盤ハーモニカ~』(模範演奏CD付き)も出版されています。子どものときにピアニカに触れた人も、そうでない人も、まずは好きな曲、興味が湧く曲から、気軽に演奏にトライしてみてはいかがでしょうか。


大人のピアニカでセッション

■大人のピアニカ「P-37E」

大人がカッコいいと思える、また懐かしさを持ちつつ向き合ってもらえるようなイメージを目指したピアニカ。低音から高音までバランスの良いまろやかな響きが特長で、持ち運びに便利なソフトケース付き。本体色はブラックとブラウンの2色展開です。
詳細はこちら

 

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