今月の音遊人
今月の音遊人:挾間美帆さん「私は音で遊ぶ人のために作品を作っているのかもしれません」
9949views
ライブパフォーマンスをまるごと再現!ニューノーマルなライブビューイング「Distance Viewing」
この記事は2分で読めます
2733views
2020.12.9
tagged: オンライン, Distance Viewing, バーチャルライブ
コロナ禍の影響により、音楽ライブのオンライン配信が急増している。そんななか、ヤマハがまったく新しいライブ体験ができる「Distance Viewing(ディスタンス・ビューイング)」を開発。ライブ会場で収録した音声と大型スクリーンを用いた等身大映像、本番同様の照明演出で、アーティストのパフォーマンスをステージ上によみがえらせる。
厳しい状況に陥っている音楽業界、ライブハウスに携わる人々に対して、何かサポートできないだろうか。「Distance Viewing」の開発は、ヤマハのスタッフのそんな思いからスタートした。ライブハウスの閉店が続けばアーティストが育つ場所が奪われ、音楽業界にとって取り返しがつかないことになってしまう。そんな危機感もあった。
今回開発された「Distance Viewing」は、ライブ会場で収録した音響、映像、照明のデータを連携した形ですべて保存し、再現するシステム。観客はライブ会場に足を運び、ステージ上に完全再現されたパフォーマンスを楽しむことになる。臨場感やステージと観客の一体感など通常のオンライン配信では感じにくい、ライブ会場ならではの醍醐味が味わえるのが最大の特徴だ。
2020年10月には、東京・渋谷のライブハウス&カフェ・スペース「Veats Shibuya」で、音楽ユニット「ORESAMA」のライブを「Distance Viewing」によって開催。これは前日にこの会場で行われたライブを収録し、再現したもので、観客たちは本番同様にバーチャルライブを満喫した。
一度収録したライブを複数回バーチャル上演することで、入場者数を制限しているライブハウスで多くの人々が同じライブを楽しめるようになる。これによりチケットの価格を下げることができれば、学生などより幅広い人が気軽に音楽を楽しめるようになることも期待される。
また、収録したものを全国のライブハウスにオンライン配信することで、ファンが観たかったライブを本番さながらの環境で各地で楽しむことも可能に。コロナの影響だけでなく、遠方で足を運べない、チケットが取れないなどの理由で会場に行けなかった人々にも朗報だ。
ライブ全体を固定カメラでとらえたデータがあれば、過去のライブも再現可能とのこと。解散してしまったバンドのライブを、DVDやBlu-rayで観るのとはまったく違った迫力と臨場感をもって楽しむこともできそうだ。
さらに、離れた場所から会場のスピーカーに音を届けられる、リモート応援システム「Remote Cheerer powered by Sound UD」との連携により、オンラインで視聴しているファンの声援や拍手の音を現場に届けることもできる。
2020年5月から着手し、7月に完成、10月には発表と急ピッチで進められたこの開発は、“ライブを真空パックする”ヤマハのシステム「Real Sound Viewing」をベースにしている。これは、アーティストが演奏した生音をデジタル処理し、その電気信号を振動に変換することで設置されたアコースティック楽器から「生の音」を再現し、さらに等身大のアーティストの映像を組み合わせることで視覚的にも楽しめるというもの。ヤマハが培ってきた音のデジタル処理と楽器の自動演奏、映像投影技術がそれを実現している。
ニューノーマル時代の新しい音楽ライブの形「Distance Viewing」。楽しみ方の選択肢がまたひとつ増えた。
ニューノーマル時代の新しい音楽ライブの形を提案
ニュースリリースこちら