今月の音遊人
今月の音遊人:小林愛実さん「理想の音を追い求め、一音一音紡いでいます」
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修理だけじゃない!品質課題をあぶり出し、よりよい製品づくりにつなげるサービスセンターの仕事
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2021.4.26
tagged: 修理, カスタマーサポート通信, サービスセンター, 西日本サービスセンター, 東日本サービスセンター
多彩な楽器や音響製品を取り扱うヤマハ。修理の相談や受付は、専門性を高めるために製品ごとに窓口を設けて対応しています。
そのなかで電子楽器と音響製品の修理対応を行っているのが、カスタマーサポート部内にあるサービスセンター。「東日本サービスセンター」と「西日本サービスセンター」の2か所で、北海道から沖縄まで全国をカバーしています。さらに、このサービスセンターには修理にとどまらない大きな役割も! 東日本サービスセンターの皆さんにお話を伺いました。
楽器や音響製品が故障した。そんなときユーザーが感じるのは、不便、不満、不安でしょう。この3つの“不”を解消するのが、サービスセンターの重要なミッションです。さらに、“魅せるサービス”を目指していると、センター長の中橋哲也さん(2020年10月取材時)は力を込めます。
「単に製品を修理するのではなく、たとえば、ほかのところもきれいにしたり、取り扱いのワンポイントをお伝えしたりする。予想通りではなく、期待以上の魅力あるサービスで、ヤマハ製品を買ってよかったと思っていただけると嬉しいですね」
東西のサービスセンターで約20人の技術者が常駐し、お客様の大切な楽器や製品の修理にあたっています。さらに、ヤマハのパートナーとして修理委託契約を結んだ修理法人や技術者が全国に配置され、出張修理なども行っています。
その修理工程を入り口から出口までを管理する、いわば調整役が「預かりフロント」。
「見積もりから部品の取り寄せ、実際の作業までさまざまな工程がありますが、もし滞りが生じるようなことがあれば、その原因を探りフォローしています」
「預かりフロント」担当の佐藤正司さんは、そう話します。
東日本サービスセンターでは鍵盤楽器、エレキギター、ギター、オーディオ機器、プロオーディオ機器など製品ごとに担当者を配しています。製品担当の仕事のひとつは、修理技術者たちをサポートすること。ベテランがそろう技術者ですが、それでも難度が高いケースでは製品ごとの担当者が技術相談やアドバイス、顧客対応サポートを行っています。ときには出張修理に直接出向いたり、修理技術者と同行したりすることも。
「修理法人や技術者を対象とした研修会を開催し、トラブル修理や現場でのチェック方のレクチャーを行うこともあります」とプロオーディオ機器担当の家室雅季さん。現場で数々の修理を行ってきた経験豊富な技術者にとって、まさに最後のより所というべき存在なのです。
さらに、お客様からのメールなどによるお問い合わせ対応も業務のひとつ。
「修理相談への対応では、わかりやすい表現で、かつ故障原因や今後の対策などを含めた解決策をいかにお伝えするかも重要なスキルになります」
そう話すのは、エレキギターなどを担当している五十嵐壮さん。それぞれの担当製品以外の知識の底上げも常に図り、相互にサポートしあえる体制づくりを進めています。
サービスセンターが果たす役割は修理だけではありません。たとえば、コンサートなどでプロオーディオ製品が使われる際、万が一に備えて現場に立ち会うことも。「お客様が安心して使えるという信頼感もヤマハ製品の一部である」という考えのもと、きめ細やかなサービスを提供しています。
また、製品が実際に使用されるうちに起こる不具合などの「市場品質」を注視することも重要な役割です。修理事例とその傾向から製品の構造にかかわる課題をあぶり出し、その情報を開発・設計部門に フィードバックすることで、製品の改善につなげているのです。
「製品が故障してご迷惑をおかけしているところからのスタートであり、正常復帰させることで感謝の言葉をいただくのですが、そもそもそういった不具合が起きないようにすることこそ、我々が力を入れるべきところだと思っています」(家室さん)
「サービスセンターの仕事は、いわば“橋渡し”」と五十嵐さん。確実でスピーディに修理ができるようにするための技術者とお客様との「橋渡し」。市場品質情報をフィードバックし、よりよい製品づくりにつなげることによる、開発・設計者とお客様との「橋渡し」。見えない「橋渡し」を行うことで、アフターサービスの枠にとどまらないサービスの向上を目指しているのです。