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今月の音遊人: 上野耕平さん「アクセルを踏み続けることが“音で遊ぶ”へとつながる」
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トップオーケストラが集結する夏の祭典、フェスタサマーミューザKAWASAKI 2022を楽しもう!
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2022.5.13
tagged: サマーミューザ, ミューザ川崎シンフォニーホール, フェスタサマーミューザKAWASAKI2022
毎夏恒例となっているミューザ川崎シンフォニーホールの「フェスタサマーミューザKAWASAKI」(以下、サマーミューザ)は、日本を代表するオーケストラが一堂に会して競演を繰り広げるオーケストラの祭典。感染症対策に万全を期しつつ、配信とのハイブリッドでコロナ禍の中でも途切れることなく開催されてきた。
この音楽祭の特徴のひとつは、全体のテーマを設けず、それぞれのオーケストラが今いちばん演奏したい、自慢のプログラムを持って集結するところにある。2022年7月23日(土)から始まる「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2022」の聴きどころについて、ミューザ川崎シンフォニーホールの事業部長、山本浩さんにお話を伺った。
「今年はジャズが好きな方にも存分にお楽しみいただけるプログラムになっています。7月23日(土)の東京交響楽団によるオープニングコンサートは、ジョナサン・ノット音楽監督の希望で、シェーンフィールドの『4つのパラブル』とストラヴィンスキーの『エボニー協奏曲』というジャズの要素が取り入れられた作品が並びます」
ジャズといえば、2021年2月に世を去ったレジェンド、チック・コリアをトリビュートする2公演も注目だ。
「8月4日(木)は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団によるVol.1、8月6日(土)にはクラリネット奏者のリチャード・ストルツマンを中心としたアンサンブルによるVol.2の2公演が予定されています。どちらのプログラムにもチック・コリアの代表曲『スペイン』が入っていますので、聴き比べてみるのも面白いでしょう。チック・コリアの作品は、どのようなアレンジでも彼らしさがあって、演奏者の個性が現れる。そういうところがクラシックにも通じる普遍性だと思います」
2022年ならではの企画としては、8月3日(水)の新日本フィルハーモニー交響楽団の創立50年と山本直純の生誕90年を祝う公演も楽しいものになるに違いない。
「山本直純さんは、小澤征爾さんと並んで新日本フィルの創立に尽力した指揮者であり作曲家。日本のオーケストラ界が熱気に満ちていた時代に、テレビ番組のテーマ曲やCMソングをたくさん書いて活躍しました。正統派に近い作品も書きましたが、最後の方になると楽しくなってきてドンチャカドンチャカやっちゃう。そういうところに人柄がよく表れていますね。直純さんが作詞・作曲した『8時だョ!全員集合』のオープニングテーマを含めたメドレーもやりますよ」
サマーミューザには首都圏以外のオーケストラも参加する。2022年は関西の雄、大阪フィルハーモニー交響楽団が登場ということで、ひときわ期待も大きい。
「音楽監督の尾高忠明さんの十八番、エルガーの交響曲第1番を引っさげてサマーミューザに乗り込んできます。大フィルといえば、かつては朝比奈隆さんのワーグナーやブルックナー、今は英国音楽を得意とする尾高さんのエルガーで熱狂したファンも多いことでしょう。今は地方のオーケストラもメンバーの世代交代が進み、進化していますから、昔のイメージからはいろいろな意味で変わっているかもしれません」
そのほかにも、レナード・バーンスタインの薫陶を受けた大植英次が指揮する神奈川フィルハーモニー管弦楽団のバーンスタイン、2024年末をもって引退を発表した井上道義が指揮する読売日本交響楽団のブルックナーなど盛りだくさん。ひとつひとつの公演から、各オーケストラの気合いが伝わってくる。
「自分たちが演奏する前日や翌日にほかのオーケストラが名演を繰り広げていたら、やっぱり下手な演奏はできないという、良い意味でのプレッシャーがかかりますよね。そういう見えない効果が、サマーミューザにはあります」
サマーミューザはコロナ禍での開催となった2020年を機に、全公演をインターネット配信しているという点も特筆すべきだろう。1公演1,500円前後で、ライブ配信だけでなく、2022年8月末までアーカイブ配信を日本全国で何度でも視聴することができる。
「2020年は感染症対策のため客席を600席限定にし、同時に配信を行ったのですが、客席数の制限がなくなった2021年以降も配信を続けています。コンサートは生でお聴きいただくのがいちばんですが、コロナ禍にかかわらず、子育て中の方、お身内を介護されている方、遠方にお住まいの方など、実際にミューザまでお越しいただくことが難しい多くの方々に、配信でお楽しみいただけたらと。また、配信のカメラは固定ではなく、奏者や指揮者がアップになったりしますから、生でコンサートを聴いたお客さまが“おかわり”で配信チケットをお求めになることも。コンサートの新しい楽しみ方のひとつとして、PRしていけたらと思います」
この夏も、音楽を愛する人々の熱気でサマーミューザはおおいに盛り上がりそうだ。
日程:2022年7月23日(土)~8月11日(木・祝)
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ(ともに神奈川県川崎市)
出演:東京交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、読売日本交響楽団、NHK交響楽団、東京都交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団ほか
料金、曲目などの詳細はオフィシャルサイトでご確認ください。
フェスタサマーミューザKAWASAKI 2022 オフィシャルサイト
発売期間:2022年5月1日(日)10:00~5月31日(火)23:59
早割料金:9,900円[通常12,000円]
発売開始:2022年6月1日(水)10:00~
料金:12,000円/おまとめ券(全19公演)
詳細はこちら
文/ 原典子
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tagged: サマーミューザ, ミューザ川崎シンフォニーホール, フェスタサマーミューザKAWASAKI2022
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