今月の音遊人
今月の音遊人:Chageさん「頭ではなく、心から湧き出てくるものを、シンプルに水のように歌いたい」
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ソリストとしても活躍中の東京都交響楽団首席オーボエ奏者、広田智之。世界を舞台に多彩なジャンルのアーティストとのコラボで注目を集めるギタリスト、大萩康司。この2人が2015年7月、ヤマハホールでデュオ・コンサートを行う。「オーボエとギター」というユニークな組み合わせの発想はどこから生まれてきたのだろうか。
「オーボエとギターって、確かに組み合わせとしては珍しいかもしれません。でもやってみるとものすごく相性がいいんです。フルートとギターは以前からよく合うと言われていて曲も多いんですが、オーボエとギターのほうが合うんじゃないかな」(広田)
「フルートは木管といっても今はほとんど金属製ですよね。でもオーボエはグラナディラという黒檀の仲間の木ですし、もちろんギターも木でできていて指板は黒檀です。同じ種類の木を使っているから、よく響き合うのかもしれませんね。それとオーボエとギターは発音も似ていると思うんです。弦とリードの違いはありますが、振動した瞬間から音がするので発音のポイントが「点」なんです」(大萩)
「一緒に演奏する楽器によっては、オーボエの音がその楽器の音に包み込まれてしまうのですが、ギターの場合はオーボエの音の消え際の艶やかな輪郭まで表現できる。そこがこの組み合わせのいいところだと思います」(広田)
ところで、ともにクラシック音楽の第一人者である広田と大萩だが、ポップスもレパートリーとする点も共通している。なぜポップスを?
「ひとつはオーボエが『歌う楽器』であること。クラシックだろうとポピュラーだろうとジャンルに関係なく表現できると思っています。もうひとつは、個人的な理由ですがストレス解消(笑)。オーケストラでソロを吹くのってものすごいプレッシャーなんですね。でもジャンルを変えてポップスで吹くと適度な緊張感を味わいつつ、楽しく演奏できるんです」(広田)
「わかります!僕もジャズギタリストの小沼ようすけさんと2人でコンサートをやりますが、彼が発した音に対し、どう応えるかを考えながら演奏すると、気持ちがすごく開放されます。ジャンルを超えることで自分の新たな側面を見つけることができるし、クラシックに戻ったときにも、それまでと感覚がちょっと変わっている。ポップスを演奏することでクラシックにもいいフィードバックがあるような気がします」(大萩)
コンサート終了後は、アーティストとアフタヌーンパーティーを楽しめる「特別プラン」も用意されている。ステージ上とはまた異なる2人の魅力に触れられるのではないだろうか。
日時:2015年7月24日(金)13:00開演(12:30開場)
場所:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14 ヤマハ銀座ビル7F)
料金:【コンサートのみ】4,000円(税込)
【特別プラン】8,500円(税込)※アーティストと楽しむアフタヌーンパーティーとコンサートチケットのセットプラン(40名限定)
曲目:C.P.E.バッハ:オーボエ・ソナタ ト短調/J.S.バッハ:G線上のアリア、アリオーソ/ザ・ビートルズ(J.レノン&P.マッカートニー):デイ・トリッパー、イエスタデイ ほか