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木製楽器に起こりやすいトラブルは?保管やお手入れで気を付けること
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2016.3.16
tagged: ギター, バイオリン, オーボエ, クラリネット, お客様コミュニケーションセンター, Q&A, お手入れ
どんな楽器でも、普段からこまめなお手入れが必要ですが、なかでもデリケートな木製楽器は、保管環境や扱い方で、状態の良し悪しが大きく左右されます。今回は、木製楽器に起こりやすいトラブルや、適切なお手入れ方法をご紹介します。
A.オーボエ、クラリネットの場合:
タンポの素材には、フェルトや動物の皮が使われているため、長期間保管しておくと、乾燥して表面の皮が硬くなります。その結果キイを押さえた時にタンポと音孔に隙間が生じ、息漏れの原因となります。手の脂や汗を拭きとらないまま放置すると、変色する恐れがあるほか、メッキ剥がれによって錆が生じ、連絡キイの動作不良の原因となります。
バイオリンの場合:
手の脂や汗、松脂が付いた状態で放置すると、指板、顎当てなどにはカビが、また弓のネジ、顎当ての金属部分、アジャスター、弦などには錆が発生しやすくなります。特に、松脂がこびりつくと、乾拭きをしても落ちないことが多く、音の響きにも影響するので、注意しましょう。
ギターの場合:
直射日光の当たる場所や、湿度・温度の変化が激しい場所に放置しておくと、ネックの反りをはじめ、ボディの変形やひび割れが生じる原因になります。また、バインディング(ボディ、ネック、ヘッドストックなどの角に沿って取り付けられている淵飾り)が剥がれることもあります。
A.オーボエ、クラリネットの場合:
クリーニングスワブで、管体内の水分を拭き取りましょう(演奏の合間にもこまめに)。タンポが湿っている場合は、タンポとトーンホールの隙間にクリーニングペーパーを挟んで、水分を完全に取り除きましょう。タンポがべたついている場合はパウダーペーパーを使いますが、タンポ表面やトーンホールにパウダーが付着するので、使用は最小限にとどめたほうがよいでしょう。ケースにしまう際は、クロス類を楽器の上に置かないようにしましょう。キイに負担がかかると、トラブルの原因になります。
バイオリンの場合:
長期間保管する場合を除き、弦はゆるめずケースにしまいましょう。頻繁に弦をゆるめると、弦のテンションが下がった時に、駒や魂柱が倒れやすくなります。逆に、弓毛はゆるめてからしまいましょう。弓のスティックは真っすぐな木材を熱で曲げて反らせているので、弓毛を張ったままの状態だと、徐々に反りが戻って弾力がなくなり、演奏しにくくなってしまいます。楽器に付いた汗や松脂を、クリーナーと拭き取り用のクロスで丁寧にお掃除することもお忘れなく。
ギターの場合:
長期間保管する場合は、糸巻きのつまみを1~2回転ゆるめておきましょう。弦を張ったままにしておくと起こりやすい、「ネックの反り」や「表板の膨らみ」などの影響が軽減されます。
木製楽器は、湿度や温度の変化にとても敏感です。物がぶつかるなどの衝撃で割れてしまうこともあります。楽器を保護するためにも、必ずケースにしまって保管しましょう。
体調が悪いと私たちも十分な力を発揮できないように、楽器も不具合があると良い音を出せません。普段から演奏者が楽器をお手入れすることも大切ですが、定期的に専門の技術者にメンテナンスを依頼して、常によい状態に保つことが楽しい演奏活動につながるでしょう。
※ヤマハサポート・お問い合わせサイトもご参照ください。
文/ 音遊人編集部
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