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今月の音遊人:沖仁さん「憧れのスターに告白!その姿を少年時代の自分に見せてあげたい」
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佐野史郎と荒俣宏が繰り広げる「ハワイ音楽」と環太平洋雑学大全
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2015.8.25
tagged: ポータル, 佐野史郎, ヤマハ銀座, 音座銀座, On The Gin Za, トークショー, 荒俣宏, ハワイ
俳優の佐野史郎がホストとなって「大人の音楽の愉しみ方」を発見する人気のトークショー『音座銀座(On The Gin Za)』。第6回のタイトルは「憧れのハワイ航路」。会場であるヤマハ銀座ビルの1Fポータルには、今回も音楽ファンが多数詰めかけ、これまでとはちょっと違った面持ちでショーの開始を待ちわびていた。というのもこの日は「知の巨人」「博覧強記の人」として知られる、荒俣宏がゲストとして登場するからである。果たしてどんな音楽夜話が繰り広げられるのか?ますます期待は高まってくる。
佐野が1曲目に選んだのはおなじみプレスリーの『ブルーハワイ』。心地よい出だしである。お互いに古き良き時代に思いを馳せながら、2曲目には岡晴夫の『憧れのハワイ航路』が流れる。佐野による緩やかな暖機運転だったのだろう。しかしここで荒俣のエンジンに突然ターボがかかる。
「ハワイ=楽園というイメージを日本の人は持っていますけど、これは岡晴夫の歌のせいだと思うんですよね」と語り始めるや、「日本で初めてハワイを訪れたのはロシアに流れ着いた江戸時代の漂流民。彼らを帰国させるために乗せたのが世界一周の旅に出るロシアの軍艦で、途中ハワイに寄港したんです」「フランスが植民地にしようとタヒチを訪れたとき、島から一糸まとわぬ大勢の女性達が泳いできて船に上がってきた。だからフランス人はタヒチが大好き」と、「知の巨人」の異名を持つ荒俣の話は、ハワイにとどまらず、南国の島・タヒチにまでおよぶ。さらに、「ハワイ王国は日本よりも40~50年早く憲法を持っていたのを知っています?」「ハワイに住み着いた日本人考古学者、シノトウ博士は歌にもなっている大先生なんです」「博士の調査で、ハワイでは日本の縄文時代と同じ釣り針が見つかっているんですよ」「縄文文化とハワイの古い文化は繋がっているんじゃないか」と、話題は時を超え環太平洋を縦横無尽に飛び回る。
そのシノトウ博士の歌『ポリネシア』を聞きながら、かつて南太平洋にあったというムー大陸にまで思いを巡らすなど、佐野も勢いづいてくる。日野てる子、バッキー白片とアロハ・ハワイアンズ、灰田勝彦など日本の名ハワイアン・ミュージシャンの曲をおさえながら、ウクレレ漫談の牧伸二もフィーチャー。この当たりがいかにも佐野らしい。「牧伸二も日本のハワイアンを語る上で相当重要な人物だったんですね。考え直さなくては」と荒俣ものって来る。その後も歴史学、考古学、民俗学などの見地から荒俣ならではのディープな面白話が次々に展開されると、佐野が『音座銀座』でもこだわっていた日本人とフレンチ音楽、そしてブラジル音楽との関わりのヒントが環太平洋にあったことに気づく。「我田引水に過ぎるかもしれないけど、シャンソンとハワイアンは無関係ではなかったんだ」と佐野が言えば、「こういうことは言ったもの勝ちです!」と荒俣が援護し、会場はおおいに笑いに包まれた。
さて、次回の「音座銀座」は、音楽評論家の湯浅学さんをお迎えして、日本独自のポピュラー音楽とも言えるムード歌謡とラテン音楽を育んだ世界を、お二人のこだわりの選曲と熱いトークで振り返ります。
ムード歌謡の歴史から大人の夜遊びの文化史(?)までを学べる60分。お馴染みのヒット曲の、意外なウラ話が飛び出すかもしれません。お楽しみに!
トークショーの中で紹介された曲の一覧表です。こちらのPDFファイルをご覧ください。
日時:2015年9月18日(金)開場16:30/開演17:00
場所:ヤマハ銀座ビル1F“ポータル”(東京都中央区銀座7-9-14 )
観覧:無料※座席は事前予約制
席数:予約席35名(抽選)※立ち見フリースペースあり(当日先着順)
文/ 唐沢耕
photo/ 森島興一
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