今月の音遊人
今月の音遊人:石川さゆりさん「誰もが“音遊人”であってほしいですし、音楽を自由に遊べる日々や生活環境であればいいなと思います」
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われら音遊人:ずっと続けられることがいちばん!“アツく、楽しい”吹奏楽団
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2016.8.29
tagged: アマチュアミュージシャン, われら音遊人, シニア・パラダイス・ウィンド・アンサンブル
20代から70代までと、実に幅広い世代が集まっている吹奏楽団「シニア・パラダイス・ウィンド・アンサンブル」、略して「シニパラ」。
結成は2011年、夏。
1980年代に活躍したロックバンドSALLYでサクソフォンを吹いていた箱崎昇(はこざきのぼる)さんが「原点に帰って吹奏楽をやろう」と、仲間に声をかけて立ち上げた。楽団名は「シニアになってもずっと楽しめるように」と、団長の箱崎さんが命名。もちろん若手も大歓迎で、幅広い年代構成となっている。
「仕事や子育てで音楽から離れていたけれど、一段落してきたのでもう一度楽器を演奏したいと、みんな集まっているんです。僕も20数年、音楽を離れていました」と語るのは、指揮者の上村勉(うえむらつとむ)さん。大学の同級生の箱崎さんに誘われ、創立メンバーの一人に。
大学時代は、応援団の吹奏楽部でみっちり鍛えられたという箱崎さんと上村さん。シニパラは「技術の向上も大切ですが、それよりも演奏をみんなで楽しむことを第一にしています」と声を揃える。
とはいえ、ひとたび練習に入ると、その様子は真剣そのもの。この日の練習曲、『カルメン組曲』では、「テンポを合わせて!」「もっと音を伸ばして」「息は止めても音楽は止めないでください」。上村さんの指導はなかなかに厳しく、指揮の手を止めては各パートに指示を出していく。
続いて曲がT-SQUAREの『宝島』に変わると、演奏する団員の表情も一転、全員が笑顔でノリノリに。この緩急をつけた演奏スタイルに、シニパラの楽しさがあるようだ。
全体練習は月に3回ほど、東京都杉並区の施設を借りて行っている。彼らの活動の核となるのが、毎年秋に行う定期演奏会で、今年の10月で5回目を迎える。プログラムは2部構成で、1部はオペラやミュージカルなどから耳になじみのある楽曲をじっくりと聴かせ、2部では思わず踊りだしたくなるようなラテンやジャズアレンジのポップスで会場を盛り上げる。
「決して演奏は上手くないのですが、来てくれた人は皆さん『良かったよ、来年も来るよ』って、言ってくれるんです。自分たちが音楽を楽しんでいる雰囲気がお客さんに伝わればうれしいですね」と上村さん。
「演奏中に指揮者が感動して泣いちゃうんですよ。それで、団員ももらい泣きしちゃって」と、箱崎さんは笑う。一年をかけて積み上げてきた演奏への思いが、一気にあふれ出すのだろう。この〝アツさ〞がシニパラの真骨頂だ。
昨年の定期演奏会では、約400人を集客。今年は5周年記念ということで、より大きなホールでの演奏会を敢行することにした。800人の集客を目標に、練習に励んでいる。
「でも、野望や大きな目標を持たないのが、僕たちらしさ。これからもマイペースで活動を続けます」(上村さん)
●バンド名:シニア・パラダイス・ウィンド・アンサンブル
●結成時期:2011年6月
●モットー:「アツく」「楽しい」演奏
●練習頻度:月3回程度
●平均年齢:40代
●メンバー:指揮:1名、フルート:5名、オーボエ:1名、クラリネット:7名、サクソフォン:4名、ホルン:3名、トランペット:4名、トロンボーン:4名、ユーフォニアム:1名、ベース:2名、パーカッション:2名 計34名
●活動内容:毎年1回、定期演奏会を開催。年明けにその年の楽曲を決め、練習に入る。春に杉並区のイベントに参加するほか、青空コンサートなども実施。
シニア・パラダイス・ウィンド・アンサンブル第5回定期演奏会
日時: 2016年10月2日(日)14:00
会場: 杉並公会堂 大ホール(東京)
入場料: 無料(事前予約不要)
プログラム:『カルメン組曲』より、『威風堂々』第1番、『ルパン三世のテーマ』、『宝島』 ほか
文/ 佐藤雅子
photo/ 佐藤佳穂
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