Web音遊人(みゅーじん)

Chageさんインタビュー - Web音遊人

悩んでも迷っても強く生きていくメッセージをChageが歌う『たった一度の人生ならば』

独特の世界観で紡ぐ音楽を常に現在進行形でリスナーに伝え続けるChage。60歳を前にした2017年5月3日には、ニューシングル『たった一度の人生ならば』がリリースされる。これからのChageの世界を暗示する楽曲になる気もしている──自身がそう語る珠玉のバラードが心に響く。

実は、『たった一度の人生ならば』は、2016年のライブから歌われてきた、ファンの間では人気が高い曲だ。名曲誕生のきっかけは、チャゲ&飛鳥の『熱風』で作詞家デビューし、ともに歩んできた松井五郎から送られてきた詞だった。 
「言葉がメロディーを持っていると思いましたね。じっと眺めてそれを引き出すという曲のつくり方を久しぶりにしました」
詞を眺めているうち、メロディーが浮かんできた。これはいけると思い、ギターを持つと指が勝手にコード展開し始めた。言葉を壊さないよう神経を研ぎ澄ませつつ、これまでのChageの作曲法を凝縮した楽曲が仕上がった。
「若いころは人生という言葉を使いたくなかったし、使う気もなかったけれど、人生を歌う年齢になったのかなぁとは思いますね。そして、自分がこれからずっと歌い継いでいく楽曲がまたひとつ出来たかなと」
一方のカップリングは、1982年につくられたチャゲ&飛鳥の曲『愛すべきばかちんたちへ』。長いキャリアのなか、チャゲアスが詞も曲も共作した唯一の楽曲だ。
「あの頃、ビートルズのジョンとポールがホテルのベッドとソファで曲をつくったという逸話を聞いたんです。それで、それを真似しようぜ、と。たしか、楽屋でパイプ椅子を並べて向かい合ってテープを回したように記憶しています」
わきあがるエネルギーを感じさせる、素直でシンプルな曲は今もまったく色あせることがない。今回の博多弁のセリフのやり取りには、マル秘ゲストが登場するというから楽しみだ。

Chageさんインタビュー - Web音遊人

Chageが大切にしてきたライブも、今年はチャレンジングなものになる。
「もちろん自分の曲もやるのですが、J-POPの名曲をChageのフィルターを通してライブで発表したいという気持ちが今すごく強い。J-POPは聴いている人がその時代に戻れたり、そのときの風景に入り込めたり、あるいは思い出にリンクできるものだと思うんです。それを歌い手としてどこまで表現できるか。レコーディングもしていないのでライブで勝負するわけですから、これは面白い。楽しみにしています」
公演は、2017年5月8日の名古屋を皮切りに全国10か所で行われる。ゲストアーティストに、シンガーソングライターの川島ケイジを迎え、『夏の終わりのハーモニー』など、70年代、80年代の名曲が披露される予定だ。光のように透明感のある、でもすっと芯が通った歌声で聴き手の心を捉えてきたシンガー、Chageは、私たちをどんな世界へと誘ってくれるのだろう。

さらに、この春はスペシャルなイベントが続く。
1969年から1986年まで、数々のミュージシャンを輩出してきた「ポピュラーソングコンテスト」、通称「ポプコン」。そのポプコンから巣立ったアーティストが一堂に会する「僕らのポプコンエイジ」の第2回が、2017年5月に開催される。第16、17回大会でチャゲ&飛鳥で入賞したChageも、昨年に引き続き出演する。
「こんなにも楽屋とステージが楽しいイベントはないですね。来てくださる方は、女性はセーラー服が着られるぐらい女の子になってしまうし、男性は28インチのジーンズが履けるんじゃない?というぐらいあの頃に戻ってしまいますよね」
もっとも、それは楽屋も同じ。男子の大部屋と女子の大部屋をアーティストたちが行き交う様は同窓会さながらだ。
「ポプコンがなければ、今の僕は音楽をやっていませんね」間違いなく、実家の天ぷら屋の3代目を継いでいたと笑う。

原点となったあの頃、今、そしてこれから──。常に新たな輝きを放つChageから目が離せない。

■アルバムインフォメーション

『たった一度の人生ならば』
発売元:ユニバーサルミュージック合同会社
発売日:2017年5月3日
価格:限定盤(+DVD)2,300円/通常盤1,200円(すべて税抜)
詳細はこちら

■ライブインフォメーション

『Chage Hall Tour 2017〜Have a Dream!〜』
2017年5月8日(月)より全国10か所10公演
詳細はこちら

『僕らのポプコンエイジ~Forever Friends, Forever Cocky Pop~』
2017年5月7日(日)より東京、大阪、神奈川、千葉で開催
詳細はこちら

 

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