今月の音遊人
今月の音遊人:今井美樹さん「私にとって音楽は、“聴く”というより“浴びる”もの」
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いよいよ本格的なアルトサクソフォンのレッスンが始まった。月に3回、レッスン室まで通うことになる。決まったところに出勤のようにして通うのは、ずいぶん久しぶりのことになるのだが、他の生徒たちは立派な社会人だから、それほどの感慨はないかもしれない、などと余計なことを考えてしまう。
まあ、それはさておき、教科書を使ってのレッスン。最初はクロマチック練習で最高音から最低音までの往復をロングトーンで2回ほど。これは自宅やカラオケ・ルームで自主練習するときも必須のものだ。
つづいて音階の練習。いわゆるドレミファのハ長調など、七つの長調を順番に演奏していく。スラーとタンギングでも演奏してみる。これが授業最初のルーティーンだ。
そしてリズム・トレーニング。最初はやはり4分音符や8分音符。これに休符がはいると、とたんに難しくなる。僕などいまだにもっとも苦手な練習だ。
それからごくごく簡単な楽曲を演奏することになる。アメリカ民謡や童謡のようなものだ。この初期の楽譜を友人の音楽家に見せたところ、なんだかバラバラな選曲だね、と言う。
彼はいわゆるシンガーソングライターで少し考えれば分かりそうなものだが、実はバラバラやでたらめに選ばれた楽曲ではない。ごく初心者のために、最初は4分音符と4分休符、2分休符だけのもの。8分音符が入るもの、スラーが入るものと、だんだん複雑(?)になっていくのだ。つまり曲目はジャズとかクラシックというジャンル別に選ばれているわけではなかった。したがって題名だけを見れば、一見でたらめに思えるのかもしれない。
僕のひそかな不安はリードが震えると唇がくすぐったくなるのでは、というものだったが、そんなことはなかった。初心者には俗に噛むという現象がおこり、下の歯に巻き込んだ下唇が強く当たってしまう。このクセはいずれ解消されるのだが。
まだちょっと先の話ですが、2016年9月の管楽器合同クラスコンサートにサクソフォンで参加するつもりです。会場は銀座のヤマハホール。去年は単独参加で「オルフェの唄」を演奏してしまいました。ヤマハホールのステージで一曲なんて、普通だったら経験できないことでもあり、僕などはそれだけでも大満足(演奏のデキを聞かれると、ちょっと辛いのですが……)。そこで、今年です。気分をかえて二人で参加の予定です。演奏したいと思っているのは、ビリー・ジョエルの名作「ニューヨークの想い」。この曲が収録されているアルバム『ニューヨーク物語』は、『ストレンジャー』などとともに擦り切れるほど聴いたものです。まだレコードの時代でしたが、つい昨日のようです。
作家。映画評論家。1950年生まれ。桐朋学園芸術科演劇コース卒業。劇団の舞台演出を経て、小説、エッセイなどの文筆の分野へ。主な著書に『正太郎の粋 瞳の洒脱』『ぼくの父はこうして死んだ』『江分利満家の崩壊』など。2006年からヤマハ大人の音楽レッスンに通いはじめ、アルトサクソフォンのレッスンに励んでいる。
文/ 山口正介
photo/ 長坂芳樹
tagged: 大人の音楽レッスン, サクソフォン, ヤマハ, 山口正介, レッスン, パイドパイパー・ダイアリー
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