Web音遊人(みゅーじん)

Vans Warped Tour Japan 2018 presented by XFLAG

ロックの新時代を告げるフェス/2018年3月31日~4月1日、Vans Warped Tour Japan 2018 presented by XFLAG開催

「Vans Warped Tour Japan 2018 presented by XFLAG」はひとつの時代の終わりであり、新しい時代の始まりである。

2017年3月に開催された「PUNKSPRING 2017 FINAL」は、2005年に始まった日本最大のパンク・フェスが幕を下ろしたイベントだった。オフスプリング、バッド・レリジョン、NOFX、レス・ザン・ジェイクなど歴代最強といえるラインアップが参戦。ステージ上でフェスへの惜別のメッセージを送るアーティストも多く、大いに盛り上がりながらも一抹の寂しさを感じさせた。

だが、ヘッドライナーのオフスプリングのステージが終わると、スクリーンに”SEE YOU NEXT YEAR!”という文字と、どこかで見たイベントのロゴのシルエットが映し出される。これは北米で毎年行われているVans Warped Tourのロゴではないか……!?と場内は騒然となった。

Warped Tourは北米各都市をサーキットするフェスティバル・ツアーで、1995年からスタート。翌1996年からVansがスポンサーに付き、Vans Warped Tourという名称になった。出演アーティストはパンク/ハードコアを主軸としながら、エミネムやケイティ・ペリー、ビリー・アイドルなども含む多彩な顔ぶれで、隆盛を誇ったフェスティバル・ツアーのブーム(ロラパルーザ、リリス・フェア、オズフェスなど)が終わったあとも多くの音楽ファンから支持されてきた。

日本でも1996年9月に「Warp Japan Tour」と題してソーシャル・ディストーション、シック・オブ・イット・オール、Hi-STANDARD、ブリンク182、ドッグ・イート・ドッグらが出演、今は亡き東京ベイNKホールと大阪、名古屋で開催されていた。フジ・ロック・フェスティバルが始まる前年、まだフェス・カルチャーが開花する前ということもあってか日本には定着しなかったものの、海外フェスをそのまま輸入するという画期的イベントは歴史に残るものだった。

そして2018年、北米版Warped Tourはフェスティバル・ツアー形式での開催がこの年で最後になると発表。サム41、シンプル・プラン、ボウリング・フォー・スープ、ザ・ユーズドなどの参加が決定しているが、 パンクの夏の祭典が終止符を打つことに、アメリカのキッズは悲しみを隠せないでいる。

その代わり!……というわけではないが、2018年3月31日(土)と4月1日(日)に千葉・幕張メッセでWarped Tour Japanが開催されることになった。

31日がKoЯnとリンプ・ビズキット、1日がプロフェッツ・オブ・レイジ(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン+パブリック・エネミー+サイプレス・ヒルのメンバーからなるスーパーグループ)という、北米版よりもヘヴィ・ロック色が濃いラインアップ。ペニーワイズやゼブラヘッド、スーサイダル・テンデンシーズらPUNKSPRINGに出演してきたバンド、そしてBiSHやBAND-MAID、LOVEBITES、PassCodeらガールズ・バンドも含め、日本ならではの布陣が集結している。出演アーティストの数こそ北米版より少ないものの、超大物ヘッドライナー勢を筆頭に、豪華さは日本が上回るほどだ。

KoЯnとリンプ・ビズキット、1日がプロフェッツ・オブ・レイジ

(写真左)KoЯn(写真右)プロフェッツ・オブ・レイジ

フェスの主催/制作/招聘はサマーソニックやラウド・パーク、PUNKSPRING、POPSPRINGなどでお馴染みのクリエイティブマン。ライヴはもちろん、それらフェス同様、アトラクションや“フェスめし”も楽しめるイベントになるだろう。

Warped Tourは北米では来年以降、単発のイベントとして存続すると噂されているが、フェス名称のTourの部分は残されるという。その理由は、このフェスが世界を股にかけたツアーとして続くことになるからだ。日本の春を彩る新時代のフェスとなるべく、Warped Tour Japanがいよいよスタートを切る。

■Vans Warped Tour Japan 2018 presented by XFLAG

開催日:2018年3月31日(土)~4月1日(日)
場所:幕張メッセ(千葉県)9~11ホール
公演の詳細はこちら

山崎智之〔やまざき・ともゆき〕
1970年、東京生まれの音楽ライター。ベルギー、オランダ、チェコスロバキア(当時)、イギリスで育つ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、一般企業勤務を経て、1994年に音楽ライターに。ミュージシャンを中心に850以上のインタビューを行い、雑誌や書籍、CDライナーノーツなどで執筆活動を行う。『ロックで学ぶ世界史』『ダークサイド・オブ・ロック』『激重轟音メタル・ディスク・ガイド』『ロック・ムービー・クロニクル』などを総監修・執筆。実用英検第1級、TOEIC 945点取得
ブログインタビューリスト

 

特集

今月の音遊人

今月の音遊人:七海ひろきさん「声優の仕事をするようになって、日常の中の音に耳を傾けるようになりました」

9129views

ジャズとデュオの新たな関係性を考える

音楽ライターの眼

ジャズとデュオの新たな関係性を考えるvol.7

4493views

楽器探訪 Anothertake

ナチュラルな響きと多彩な機能で電子ドラムの可能性を広げる、新たなフラッグシップモデルDTX10/DTX8シリーズ

3275views

楽器のあれこれQ&A

サクソフォン講師がアドバイス!ステップアップのコツ

1491views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若手サクソフォン奏者 住谷美帆がバイオリンに挑戦!

6839views

梶望さん

オトノ仕事人

アーティストの宣伝や販売促進など戦略を企画して指揮する/プロモーターの仕事

9319views

グランツたけた

ホール自慢を聞きましょう

美しい歌声の響くホールで、瀧廉太郎愛にあふれる街が新しい時代を創造/グランツたけた(竹田市総合文化ホール)

5547views

東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」

こどもと楽しむMusicナビ

子ども向けだからといって音楽に妥協は一切しません!/東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」

8920views

上野学園大学 楽器展示室」- Web音遊人

楽器博物館探訪

伝統を引き継ぐだけでなく、今も進化し続ける古楽器の世界

11237views

AOSABA

われら音遊人

われら音遊人:大所帯で人も音も自由、そこが面白い!

10013views

山口正介 - Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

この感覚を体験すると「音楽がやみつきになる」

7247views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

22329views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:若き天才ドラマー川口千里がエレキギターに挑戦!

9015views

上野学園大学 楽器展示室」- Web音遊人

楽器博物館探訪

伝統を引き継ぐだけでなく、今も進化し続ける古楽器の世界

11237views

音楽ライターの眼

英国ロック&ソウルの“生きる伝説”テリー・リードが2019年6月に来日

6157views

オトノ仕事人

アーティストの個性を生かす演出で、音楽の魅力を視聴者に伝える/テレビの音楽番組をプロデュースする仕事

6242views

われら音遊人

われら音遊人:ママ友同士で結成し、はや30年!音楽の楽しさをわかちあう

3947views

Disklavier™ ENSPIRE(ディスクラビア エンスパイア)- Web音遊人

楽器探訪 Anothertake

自宅で一流アーティストのライブが楽しめる自動演奏ピアノ「ディスクラビア エンスパイア」

51352views

ホール自慢を聞きましょう

ウィーンの品格と本格派の音楽を堪能できる大阪の極上空間/いずみホール

5004views

パイドパイパー・ダイアリー Vol.7

パイドパイパー・ダイアリー

最初のレッスンで学ぶ、あれこれについて

3789views

金管楽器のパーツごとのお手入れ方法 - Web音遊人

楽器のあれこれQ&A

金管楽器のパーツごとのお手入れ方法

13301views

こどもと楽しむMusicナビ

1DAYフェスであなたもオルガン博士に/サントリーホールでオルガンZANMAI!

1855views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

7957views