Web音遊人(みゅーじん)

【優待チケット】リーダーの人柄と開放的な雰囲気が、最高級のアンサンブルを生み出す /伊藤亮太郎、柳瀬省太、横溝耕一インタビュー

「(伊藤)亮太郎さんはいろいろなアンサンブルに参加されていますけれど、それだけでもみんなに信頼されている人なんだろうということがわかります。どんな意見でも受け入れてくれて、まずは試してみようという空気になるから、若い世代の演奏者も遠慮せずに伸び伸びと弾けますし、参加している全員が実力を出し切れると思うのです。みんな人間味あふれる亮太郎さんが大好きなんですよ」
このように話すのは、ビオラ奏者として八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍をする柳瀬省太。絶賛する相手は、NHK交響楽団のコンサートマスターを務めながら、ソロや室内楽など多彩な場で活動を行っているバイオリン奏者の伊藤亮太郎である。

柳瀬省太さん

2018年6月、銀座のヤマハホールで行われたコンサート『伊藤亮太郎と名手たちによる弦楽アンサンブルの夕べ』において、伊藤は世代を超えた注目の奏者5人に声をかけ、初共演者も含む“その日限りの”弦楽アンサンブルを結成。集まった聴衆に豊穣な弦の響きをプレゼントしてくれた。
ステージに登場したのは伊藤、柳瀬をはじめ、横溝耕一(バイオリン)、大島亮(ビオラ)、横坂源および辻本玲(チェロ)という注目の音楽家たち。その充実した演奏は聴衆だけではなく、6人の音楽家たちにも大きな満足感を与え、2019年9月に第2回が行われることになったのである。
伊藤、柳瀬、そして横溝の3人が、このアンサンブルの雰囲気や楽しさについて語ってくれた。

「弦楽アンサンブルは音が溶けやすく、豊かさや深さを創造できますし、〈個〉というよりは〈和〉になりやすいですね。ただし、みんなが実力を発揮できたのは、亮太郎さんが自由に発言する雰囲気を作ってくださったおかげでしょう。年齢に関係なく意見を出し合え、大先輩なのに忖度をする必要をまったく感じさせないのがありがたいです」

こう発言するのは、伊藤と同じNHK交響楽団に所属して第1バイオリン次席奏者を務め、一方ではウェールズ弦楽四重奏団でビオラを演奏している横溝耕一。2人の発言からも、伊藤亮太郎が緩やかな雰囲気ながら強いリーダーシップを発揮し、他の5人が全幅の信頼を置いていることがわかるだろう。当の伊藤は、そうした声やアンサンブルの醍醐味についてこう語る。

横溝耕一さん

「意見や音楽のぶつかり合いがないと、アンサンブルは面白くないですからね。演奏者は先生が違うだけで音楽性が異なることも多いのですが、前回の公演では初共演だったメンバーもいた中、音を出してみたら目指す音楽の方向性がまったく同じでしたから驚いてしまったほどです。全員が室内楽の経験を豊富にもっていましたし、世代などは関係なく、学べることや新鮮な発見もたくさんありました。ウェールズ弦楽四重奏団での演奏を聴いた際、横溝君が和声感をとても大事にしながら弾いていることに感銘を受けましたので、ぜひ室内楽でご一緒してみたかったのです。素晴らしいメンバーに恵まれて緻密にアンサンブルを組み立てるわけですが、実際に全員を引っ張ってくれるのは省ちゃん(柳瀬)ですから、本当にありがたいです」

伊藤亮太郎さん

伊藤と柳瀬は弦楽四重奏団「ストリング・クヮルテットARCO」のメンバーとして、1996年の結成から長く活動を共にしてきたという、互いの手の内を知り尽くした仲だ。柳瀬は伊藤について「弦楽四重奏は厳しいリハーサルになることも多く、それ以外の現場では一緒に弾きたくないという音楽家も多い中、こうして僕に声をかけてくれるというのは、亮太郎さんがいかに大きな人間かということです」という。

伊藤はこのアンサンブルの素晴らしさについて、こう語ってくれた。 「これを一度だけで終わらせるのはもったいないし、1回目のコンサートで演奏できなかったチャイコフスキーの弦楽六重奏曲『フィレンツェの思い出』を、どうしてもこの6人でやってみたいという気持ちも強かったのです。ですから、同じメンバーで2回目のコンサートができるのは本当に幸せです」

互いの音楽性や人柄を認め合いながら、最高級の音楽を作り上げるというアンサンブルの極意が、まさにこのコンサートで体験できそうである。弦楽器の演奏を楽しむアマチュア音楽家の皆様も、ぜひその一端に触れて刺激を受けて欲しい。

■珠玉のリサイタル&室内楽 伊藤亮太郎と名手たちによる弦楽アンサンブルの夕べVol.2〜弦と弓が紡ぐ馥郁たる響き〜

日時:2019年9月24日(火)19:00開演(18:30開場)
会場:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14)
料金:5,000円(全席指定・税込)
出演:伊藤亮太郎/横溝耕一(バイオリン)、柳瀬省太/大島亮(ビオラ)、横坂源/辻本玲(チェロ)
曲目:F.シューベルト/弦楽三重奏曲 第1番 変ロ長調 D471(伊藤、柳瀬、横坂)
J.ブラームス/弦楽五重奏曲 第1番 へ長調 Op.88(伊藤、横溝、柳瀬、大島、辻本)
P.I.チャイコフスキー/弦楽六重奏曲 ニ短調『フィレンツェの思い出』Op.70(全員)

■優待チケットの特別販売

本公演の優待チケット(優待価格4,500円)を20名様分ご用意しました。ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。
※ご応募の際は、ヤマハミュージックメンバーズの会員登録(登録無料)が必要です。
応募締切:2019年6月21日 (金) 23:59
応募はこちら

 

特集

今月の音遊人 押尾コータロー

今月の音遊人

今月の音遊人:押尾コータローさん「人は誰もが“音で遊ぶ人”、すなわち“音遊人”なんです」

16794views

音楽ライターの眼

スリープ『ドープスモーカー』が新仕様で復活。名盤は何度でも蘇る

2557views

楽器探訪 Anothertake

バンドメンバーになった気分でアンサンブルを楽しめるクラビノーバ「CVP-800シリーズ」

7429views

楽器のあれこれQ&A

初心者必見!バイオリンの購入ポイントと練習のコツ

20644views

コハーン・イシュトヴァーンさん Web音遊人

おとなの楽器練習記

【動画公開中】ハンガリー出身のクラリネット奏者コハーン・イシュトヴァーンがバイオリンを体験レッスン!

10438views

誰でも自由に叩けて、皆と一緒に楽しめるのがドラムサークルの良さ/ドラムサークルファシリテーターの仕事(後編)

オトノ仕事人

リズムに乗せ人々を笑顔に導く/ドラムサークルファシリテーターの仕事(後編)

7045views

サラマンカホール(Web音遊人)

ホール自慢を聞きましょう

まるでヨーロッパの教会にいるような雰囲気に包まれるクラシック音楽専用ホール/サラマンカホール

21531views

Kitaraあ・ら・かると

こどもと楽しむMusicナビ

子どもも大人も楽しめるコンサート&イベントが盛りだくさん。ピクニック気分で出かけよう!/Kitaraあ・ら・かると

6225views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

見るだけでなく、楽器の音を聴くこともできる!

14135views

われら音遊人

われら音遊人:大学時代の仲間と再結成大人が楽しむカントリー・ポップ

4561views

山口正介

パイドパイパー・ダイアリー

クラス分けもまた楽しみ、レッスン通いスタート

4912views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

10319views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:和洋折衷のユニット竜馬四重奏がアルトヴェノーヴァのレッスンを初体験!

4897views

小泉文夫記念資料室

楽器博物館探訪

世界の民族楽器を触って鳴らせる「小泉文夫記念資料室」

22900views

音楽ライターの眼

大人げないロック・バンド、メルヴィンズが新作『ワーキング・ウィズ・ゴッド』を発表

3534views

オトノ仕事人

芸術をとおして社会にイノベーションを起こす/インクルーシブアーツ研究の仕事

6865views

われら音遊人:年齢も職業も超えた仲間が集う 結成30年のビッグバンド

われら音遊人

われら音遊人:年齢も職業も超えた仲間が集う、結成30年のビッグバンド

9808views

P-515

楽器探訪 Anothertake

ポータブルタイプの電子ピアノ「Pシリーズ」に、リアルなタッチ感が得られる木製鍵盤を搭載したモデルが登場!

33526views

グランツたけた

ホール自慢を聞きましょう

美しい歌声の響くホールで、瀧廉太郎愛にあふれる街が新しい時代を創造/グランツたけた(竹田市総合文化ホール)

7325views

山口正介

パイドパイパー・ダイアリー

大人の音楽レッスン、わたし、これでも10年つづけています!

7229views

暖房

楽器のあれこれQ&A

ピアノを最適な状態に保つには?暖房を入れた室内での注意点や対策

56700views

東京文化会館

こどもと楽しむMusicナビ

はじめの一歩。大人気の体験型プログラムで子どもと音楽を楽しもう/東京文化会館『ミュージック・ワークショップ』

7662views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

10319views