Web音遊人(みゅーじん)

われら音遊人:オリジナルは30曲以上 大人に向けて奏でるフォークロックバンド

“ガソリンスタンドの角を曲がるといつもそこで待っていてくれた~”
一度聴くと耳に残るメロディに哀愁ある歌詞をのせて、ギター、ベース、キーボード、ドラム、ソプラノサックスそれぞれの音が味わいある曲を生み出す。『センチ食堂』はフォークロックバンドTO-DOトゥードゥーのオリジナル曲だ。
「故郷の歌なんです。宮崎にある実家の食堂が閉店するときに、自分を育ててくれた店と両親と常連さんたちに感謝の思いを込めて作りました」と語るのは、作詞を担当しているボーカルの工藤貴史さん。いつもの場所に当たり前にあった店の温かさと、それがなくなる寂しさが伝わってくる一曲である。

TO-DOは男性6名からなるバンドで、都内を拠点に活動している。メンバーの職業は、俳優や介護補助、大学講師などさまざまだ。
結成は、今から30年程前のこと。元々は別のバンドで活動をしていた斎藤達也さんと工藤さんが一緒に曲を作るようになったことから結成された。当時はコンピュータミュージックが流行し、パソコンで曲を作るようになった時代。斎藤さんがパソコンで音源を作り、そこに工藤さんが歌詞を付けていった。
「歌詞を初めて付けたときに、彼(斎藤さん)がとても感動してくれたんです。当時はバンドとして演奏することはなかったけれども、感動してくれる相手がいたからこそ続けてこられた気がします」と、工藤さん。
曲づくりを始めてからは30曲を一気に作り上げていったという。結成から20年間はバンドで演奏することはほとんどなく、仕事や育児などで毎日忙しく過ぎていった。

TO-DOが本格始動するようになったのは2013年。気仙沼でのボランティア公演をきっかけに「自分たちができることをやっていこう」と思うように。斉藤さんが大学時代に所属していた軽音学部のメンバーに声をかけ、バンド活動を開始した。

(写真上左から)ボーカルの工藤貴史さん、ベースの斉藤達也さん、ドラムの佐々木洋さん(写真下左から)サクソフォンの水野克彦さん、ギターの秦真純さん、キーボードの染野和昭さん

普段の活動はというと、ライブが決定したその2、3か月前から練習を開始。月に2度ほど練習スタジオに入り、ライブで演奏するセットリストの順に音を合わせていく。
「曲のアレンジはメンバー全員でやっています。それぞれ好きな音楽が異なるんです。だからこそ、あらゆるジャンルの曲が融合しておもしろいんですよ」と、斎藤さん。確かにこの日の演奏は、フォークソング、バラード、ハードなロックナンバーなど、幅広いジャンルを奏でていた。
「東日本大震災以降は被災した方への想いを曲に込めたり、環境問題を考えたり。この時代を一緒に生きている人たちに向けて作る曲が多くなりました。頑張ろうぜとか、気楽にやっていこう、とかね」と、工藤さん。
「これからも練習が終わったあとにおいしいお酒が飲めるよう、健康でいることも大事にしたいね」と話しながら、メンバーは楽しそうに笑い合っていた。

定期的なライブはクリスマスライブなどを含む年2回。詳細はこちら >

活動のための工夫やノウハウを紹介!われらのTips

Q.メンバー同士の連絡はどうしてる?
Facebookに非公開のグループページを作り、メンバー全員でやり取りをしています。曲を作っているのでその音源や、練習時に撮った動画もグループページで共有しています。曲のアレンジについてもグループページで話し合っています。(工藤貴史さん)

Q.ライブのブッキングと集客方法は?
ライブは50名くらいを収容するライブハウスや、メンバーそれぞれが懇意にしているなじみのロック居酒屋などで行います。バンドのファンクラブを設けており、現在は400名程度いますので、Facebook等でライブの告知をしています。(染野和昭さん)

Q.上達するためにしていることは?
サックスの場合だと、練習するにしても音が大きいので、仕事の合間にマウスピースで音出しをしています。運送業をやっているので、運転の合間に吹いて、時間を有効活用しています。わりと皆、人知れず練習してますね。(水野克彦さん)

バンド紹介

●バンド名:TO-DO
●結成時期:1990年頃
●モットー:同じ時代を生きる人に向けて応援ソングを演奏する
●練習頻度:ライブ前は月2回程度
●平均年齢:59歳
●メンバー:工藤貴史(ボーカル、エレアコ)、秦真純(ギター)、斎藤達也(ベース)、染野和昭(キーボード)、佐々木洋(ドラム)、水野克彦(ソプラノサックス、ウインドシンセサイザー)
●活動内容:年に2回のワンマンライブ開催と、年2~3回の対バンライブを出演。

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