今月の音遊人
今月の音遊人:荻野目洋子さん「引っ込み思案だった私は、音楽でならはじけることができたんです」
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「人の声にも例えられるチェロは懐の深い楽器。一方、ハープは響きの豊かな楽器でチェロほど重心は低くない。2つの音色は絶妙なバランスをとりながら、同じ“弦を震わせる楽器”としてごく自然に溶け合います。そういう意味でとても相性がいいんです」(吉野)
チェロとハープ。その至極のハーモニーを堪能できる演奏会『ヘブンリータイム』が7月9日(水)にヤマハホールで開かれる。チェリストには多彩なジャンルで活躍する古川展生。その古川が熱望する形で、世界的ハーピスト吉野直子との共演が実現した。
「嬉しいですね。古川さんはスケールの大きなチェリスト。私も『この音楽は絶対にこう』とこだわるタイプではなく、共演者の感覚を大事にしたいと思っていますので。お互いに反応し合いながら、どんな新しい世界をつくっていけるのか今から楽しみです」(吉野)
しかしチェロとハープによるオリジナル曲はまだ少ない。そこで、通常はチェロとピアノで弾く2つのチェロソナタ(シューベルト、ドビュッシー)をプログラムの核とした。編曲は一切していないが、ピアノがハープに変わることで柔らかさや繊細さが生まれ、曲の世界観は大きく変わる。
「チェロはピアノと弾くとなると、けっこうパワーが必要。その点ハープは同じ弦楽器だからか、無理せず自然体で弾けるんです。ヤマハホールは弦楽器にとても合うホールですし、クラシックを難しく聴くというよりは、響きの心地良さや美しさを純粋に感じていただけたらと思います」(古川)
デュオのほか、それぞれのソロも演奏予定。古川は今年バッハの『無伴奏チェロ組曲』の全曲録音・演奏会に挑むこともあり、その中から親しみやすい〈第3番〉を。吉野はドビュッシー(ルニエ編)の『2つのアラベスク』でハープの多面的な魅力を表現する。
「公演は平日の昼間。忙しい日常を忘れ、まさにヘブンリーな気持ちでお帰りいただけたら嬉しいですね」(古川)
演奏会後に、ホールから歩いてすぐのレストランでYamaha Ginzaオリジナルランチを楽しめる特別プランも用意されている。
文/ 玉木郁子
photo/ 村上一光
tagged: Yamaha Ginza, ランチタイムコンサート, チェロ, ハープ, 演奏会
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