今月の音遊人
今月の音遊人:甲田まひるさん「すべての活動の土台は音楽。それなしでは表現にはなりません」
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【チケットプレゼント】オペラユニット「ザ・レジェンド」×日本遺産「石見神楽」!エキゾチックなジャパニーズ・オペラ、オペラ『石見銀山』完全版、東京公演決定!
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2019.10.2
島根県西部に伝わる伝統芸能「石見(いわみ)神楽」とオペラを融合させたまったく新しいかたちのジャパニーズ・オペラ、「オペラ『石見銀山』」。プロの音楽家と地元市民、地方行政の熱意によって生まれた世界に類を見ないオペラだ。
2017年、石見銀山遺跡の世界遺産登録10周年を記念して、地元の島根県大田市と東京で上演され、口コミだけでチケットがソールドアウトになるなど観客の心をわしづかみにした。そして2019年秋、石見神楽の日本遺産認定を記念して、その壮大なステージが完全版となってよみがえる。
オペラ『石見銀山』は、史実をもとに創作された石見神楽『於紅谷(おべにだに)』をモチーフに、新たに書き下ろされた作品だ。
石見銀山を発見した博多の商人、神屋寿禎(かみやじゅてい)は、於紅孫右衛門(おべにまごえもん)と吉田与三右衛門(よしだよざえもん)とその弟の藤左衛門(ふじざえもん)を伴い、本格的な開発を始める。力を合わせて採掘に励む彼らだったが、やがてその関係性が崩れ始める。争いや儚い恋、自害した女性の怨念……。世界一の銀の産出量を誇った石見銀山に生きた男女の悲恋の物語が展開していく。
出演は、日本初の男性5人組オペラユニットであり、ダイナミックな歌声と繊細なアンサンブルで人々を魅了し続ける「ザ・レジェンド」(柿迫秀、志村糧一、吉田知明、内田智一、菅原浩史)と、大田市で石見神楽の伝統を守る大屋神楽社中(おおやかぐらしゃちゅう)、東京室内管弦楽団、子どもたちを含む地元大田市民有志によるオペラ『石見銀山』合唱団など。
作曲・音楽監督は現代音楽の新鋭であり、新感覚のピアノデュオ「鍵盤男子」としても活躍する中村匡宏が務める。舞台監督には『ザ・ベストテン』の美術デザインなどを手がけた日本舞台美術のパイオニア三原康博、ナレーションは国民的アナウンサー宮根誠司と豪華な顔ぶれがそろう。
本オペラ誕生のきっかけは、「ザ・レジェンド」が大田市でコンサートを行ったことだった。世界遺産登録10周年記念事業について模索していた地元の関係者が、吉田に相談したのが始まりだ。
「石見神楽を見せていただいたり、石見銀山に足を運ばせていただいたりして、パワーがある場所だという印象を受けました。そこで、石見銀山をテーマにオペラを創り、街のみんなでやってみては?と提案しました。『於紅谷』はドラマ性に富んでいて、オペラとしてはうってつけの題材でした」
本作の演出・脚本を手がけ、孫右衛門役を務める吉田は、そう振り返る。
活気あふれる太鼓囃子に合わせて舞う石見神楽はエンターテインメント性が高く、躍動感あふれるダイナミックな舞踊が特徴だ。島根県を愛する中村は、初めて石見神楽を観たとき、興奮したという。
「神楽を見ている人々の熱気、神楽を踊っている人の裏側にあるストーリーのようなものに僕は感動させられたのではないかと思いました。それをオペラのなかでも表現しています」
地元出身で神屋寿禎役の柿迫も、石見神楽への思いは強い。
「神楽が好きで地元から出ないという子がたくさんいます。それぐらい神楽が体に染み込んでいるんです。そんな子たちが集まってくれて、その熱意が舞台にも表れていると思います」
舞台では、実力派オペラ歌手の歌声とオーケストラの響き、そして石見神楽とが神秘的にクロスしながら、ついにはオペラか神楽かわからないほどに美しく融合する。
「オペラが出てきて、次は神楽、という作品にはしたくなかったので、かみ合うようにかなり苦労しました。企業秘密ですけれど(笑)、いろんな方法を使っています」(中村)
山を舞台にしたストーリーながら、海のシーンから始まる第一幕。銀山の坑内に場面を移した第二幕、祭りに始まりそこで生きる人々の人間関係を描いた第三幕。それらの情景が神楽によって表現された後は、幻想的で壮大なクライマックスを迎える第四幕へ。
「舞台装置をシンプルにすることによって、角度を変えるだけで違うものに見えたりします。観る人の想像力をかきたてると思います」
そう話すのは、与三右衛門役の志村。また、金糸銀糸を織り込んだ豪華絢爛な衣装も石見神楽の見どころだが、彼らオペラ歌手がまとうのも本物の神楽の衣装だ。前半は神主、後半では大山津見神(おおやまつみ)を演じる菅原は、「神主の笏も本物で、所作も学びました」という。その菅原が大山津見神となる場面は、オペラと神楽の融合を極めたシーンのひとつだろう。
藤左衛門役の内田が「みんなどこかに“悪”を持っていますが、実はその奥には葛藤があったりする。そんなところも楽しんでいただけるんじゃないかな」と語るように、情感あふれる歌と演技がさまざまな感情へといざなってくれるのも魅力だ。
さらに「怖いシーンがゾクゾクするぐらい美しい」(志村)など、見どころは尽きない。
今回の完全版は、2017年にはやむなく割愛したシーンを新たに加えたフルバージョンでの上演となる。開場後のホワイエ(ロビー)では「子ども神楽」も上演され、オペラ鑑賞前に伝統的な石見神楽の世界に触れることができる。
「オペラでは出せなかった躍動感や緊張感を神楽が醸し出し、通常の神楽では表現できない世界をオペラの芝居、セリフ、音楽が創り出しているので、隙がない完璧なエンターテインメントに近づいていると思います」(吉田)
今回の東京特別公演は2019年10月31日(木)の1日のみ。どうぞお見逃しなく!
日時:2019年10月31日(木)18:30開演(17:30開場)
会場:東京文化会館 大ホール(東京都台東区上野公園5-45)
出演:ザ・レジェンド、坂井田真実子、松浦麗、大屋神楽社中、東京室内管弦楽団、オペラ『石見銀山』合唱団
作曲:中村匡宏、美術監督:三原康博、脚本:吉田知明、ナレーション:宮根誠司
料金:SS席12,000円/S席10,000円/A席8,000円/B席5,000円/学生席3,000円(税込・全指定席)
詳細はこちら
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ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。
応募締切:2019年10月14日(祝・月)23:59
当選発表:チケットの発送をもって代えさせていただきますので、予めご了承ください。