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スピーディで新鮮、そしてキャッチー。常に進化し続けるピアノ・トリオが2019〜2020年を疾走する/H ZETTRIOインタビュー
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2019.11.8
ジャズというカテゴリーをベースにしながらも、多彩な曲調による音楽を次々に発信している人気ピアノ・トリオの「H ZETTRIO」。新曲やミュージックビデオ(以下MV)のネット配信、大人から子どもまでが集まるライブと全国ツアー、テレビ番組や映画音楽など幅広い活動を続ける3人。2019年12月3日にはその年の集大成となる渋谷オーチャードホールでの追加公演も控えている。
H ZETTRIO(エイチ・ゼットリオ)のライブを何度か体験し、キャッチーなメロディーが耳を捉えるナンバーや、ほどよく和やかなインタープレイに接していると、このグループを「ジャズ」というカテゴリーに押し込むのはもったいないなと思ってしまう。ピアノ+ベース+ドラムスという「ジャズのピアノ・トリオ」ではあるのだが、より多くのリスナーに受け入れられる可能性がある音楽とライブ・パフォーマンスなのだ。
H ZETT M(ピアノ、キーボード)「ジャズに分類されることは多いのですが、自分たちは単に『ピアノ・トリオ』だと思っていて、いろいろなタイプの音楽を作曲・演奏しています。『SPEED MUSIC ソクド ノ オンガク』というテレビ番組で日本の名曲などを毎週1曲ずつアレンジし、カバーしているのですが、そうした中からヒントをもらうこともありますね」
H ZETT KOU(ドラムス)「前身のバンドから数えると20年くらいの付き合いになるので、互いに手の内はわかっていますから、メンバーそれぞれのおもしろい部分を曲作りに活かすこともできますし、演奏に反映されています」
H ZETT NIRE(ベース)「それをわかった上で意表を突いたことができるのもおもしろいですよね。演奏中に『あ、やりやがったな、仕掛けてきたな』ということもありますし、それが表情に出てしまうこともあります。そうしたことで演奏が新鮮になることもありますし、お客さんを巻き込みながら楽しくやりたいのです」
音楽も活動も、しなやかでフレキシブルな印象を抱くH ZETTRIOだが、2019年は新曲を毎月インターネットのみでリリースし、YouTubeチャンネルではMVもあわせて配信。10月25日には12カ月連続配信シングル 第10弾「明日の景色」のMVが公開。11月1日には配信限定のシングル「レソラ」がリリースされた。
H ZETT NIRE「毎月1日に配信するというルールを決めてやってきましたが、曲もMVも完成したらすぐに配信するというスピード感がとても新鮮ですし、自分たちのスタイルとして定着したなと思います。配信でリリースするのはこれで36曲目……いや37曲目だっけ?」
H ZETT M「という具合に、メンバーも『あれ、いま、どれが新曲なんだっけ』と迷うくらい、次々に生まれていますね」
H ZETT KOU「MVも仕上がったらすぐに配信しますから、さまざまなアイデアを試しながら、常にいろいろな場所で撮影しています」
その「明日の景色」「レソラ」は、静岡県の袋井市にあるヤマハリゾート『葛城北の丸』でMVの撮影が行われた。緑が豊かな山間に広がる施設であり、伝統美を感じさせる建築物や心が休まる大自然の中で3人が演奏しているという印象深い映像だ。その雰囲気と心地よく流れる曲調が相まって、ひとときのリラクゼーション効果を生み出している。
また、ヤマハの本社にある企業ミュージアム『イノベーションロード』内のバーチャルステージでは、H ZETTRIOによるバーチャルライブが放映されている。3人による演奏をデータ化して“ライブを真空パック”し、それをピアノ、ベース、ドラムスという生の楽器で再現するというシステム『Real Sound Viewing(リアル・サウンド・ビューイング)』を駆使したステージだ。
幅広い活動を行う中、2019年の7月から行っている全国ツアー『H ZETTRIOツアー2019 – 気分上々 -』は12月に5カ所で追加公演が決定。2020年1月1日には全13曲を収録したニューアルバム『RE-SO-LA』もリリースされる。さらには、ヨネダコウ原作のベストセラーコミックを原作とした劇場用アニメ映画『囀る鳥は羽ばたかない』(2019年冬公開予定)の音楽も担当するなど、まだまだファン層が広がっていく予感大なのだ。 それぞれ「M=青」「NIRE=赤」「KOU=銀」というカラーリングの鼻が目を引くビジュアルも含め、H ZETTRIOのキャッチーな活動に注目を!
今回のMVの舞台となったのは、静岡県西部の静かな山間に広がるヤマハリゾート「葛城北の丸」。総面積5万坪という広大な緑地の中、高貴な雰囲気が漂う日本建築の粋を集めた宿泊施設が建ち並び、四季を彩る木々や花が出迎える。「現代の平城」ともいうべき気高い施設の中には、古民家を移築した建物も。美しい部屋の調度品にはピアノ製作で培った木材加工技術を応用しているなど、ヤマハならではのホスピタリティが随所に生きているのだ。
「葛城北の丸でゆっくりくつろげました」H ZETTRIO
●H ZETTRIOツアー2019 – 気分上々 –
全国ツアー開催中!
公演の詳細やチケットの発売状況などは、オフィシャルサイトでご確認ください。
オフィシャルサイトはこちら
●RE-SO-LA Tour 2020 先駆けトリオピック Vol.1
2020年 新春ホールツアー開催決定!
公演の詳細は、オフィシャルサイトでご確認ください。
オフィシャルサイトはこちら
『RE-SO-LA(EXCITING FLIGHT)』『RE-SO-LA(DYNAMIC FLIGHT)』
2019年1月から12か月連続でリリースした配信シングル楽曲と未発表のアルバムバージョンをあわせた全12曲
発売元:apart.RECODS
発売日:2019年1月1日
価格:3,000円(税別)
アルバムの詳細はこちら
文/ オヤマダアツシ
photo/ 宮地たか子
tagged: インタビュー, H ZETTRIO, 葛城北の丸
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