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今月の音遊人:平原綾香さん「未来のことを考えず、純粋に音楽を奏でる人こそ、真の音楽家だと思います」
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人気トランペッターのエリック・ミヤシロがヤマハとタッグを組んだ、トランペットのシグネチャーモデル「YTR-8330EM」
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2022.3.23
tagged: トランペット, 楽器探訪AnotherTake, エリック・ミヤシロ, YTR-8330EM
人気トランペッターのエリック・ミヤシロが、ヤマハとタッグを組んだシグネチャーモデル、通称EMモデル。世界中のプレイヤーの支持を得てきたYTR-8340EM(第 1世代)が、17年ぶりにYTR-8330EM(第2世代)へと生まれ変わり、より楽に、ストレスなく吹ける楽器へと進化を遂げました。
「第1世代が世に出るずっと以前から、エリックさんと楽器を進化させる可能性について積極的に意見交換し、さまざまな試みを行ってきました。このたび17年ぶりにモデルチェンジし、新モデルを発売しましたが、エリックさんとの対話は続いており、開発にゴールはありません」と、第1世代、第2世代ともにエリック氏とやり取りし、スペック決めを行った開発担当の福田徳久さん。
モデルチェンジの起点となったのは、2018年に発売された、ボビー・シュー監修によるモデルYTR-8310Z(第2世代)のバルブケーシング。今回のモデルチェンジで設計を担当した和田幸平さんが開発したもので、前進のきっかけとなったそう。
「トランペットの心臓部であるバルブケーシングを変えることは、楽器全体が変わることを意味します。事実、バルブケーシングの変更に伴い、ベルを除く全ての管の形状に手を加えています。またバルブケーシング自体も、そのまま取り入れたわけではなく、支柱の形状、位置などの細かいところを変更、調整しています」(福田さん)
ほかに、楽器を進化させたポイントの一つが、ヤマハのトランペットとして初採用となる素材『フォスファーブロンズ』。バルブケーシングの底のパーツ、ボトムキャップとストッパーネジに同素材を使うことで、主に中~高音域の倍音(ハーモニクス)が豊かになり、表現力が各段に上がりました。
エリック氏と、開発の福田さんが決めたスペックを、同じクオリティを保ちながら生産工程に落とし込む重責を担ったのは設計担当の和田さん。楽器を量産するためには、一点ものの試作品をつくるのとは別次元の技術、ノウハウが必要だといいます。
「今回のモデルチェンジでは、トランペッターの命ともいえるハイノート(高音)の精度を極めるために、リードパイプの形状を100分の 1ミリレベルで調整しています。通常ここまでの細かい調整は行いませんが、エリックさんが理想とする楽器を多くの方に吹いていただきたいという思いで、生産技術のスタッフと力を合わせました」(和田さん)
楽器をつくる製造技術においても、最新の技術、ノウハウがふんだんに使われています。
「特に管楽器の場合、使う道具や、どうつくるかによっても仕上がりが大きく違ってきます。見た目では違いがわからず、企業秘密の部分が大きいので詳しく説明できませんが、実は製造技術にこそ楽器メーカーの特性が表れるんですよ」(福田さん)
YTR-8330EMの魅力について、マーケティング担当の堀場信明さんが教えてくれました。
「細かいパーツに至るまで、こだわり抜いてつくったYTR-8330EMは、奏者がイメージする音を自由に表現できる楽器です。ご自身の音楽を、思うままに表現いただけたら嬉しいです」
「エリックさんのモデルなので、ジャズ、ビッグバンド向けと思う方もいるかもしれませんがYTR-8330EMは、ジャンルやスタイル、演奏レベルを問いません。またエリックさんの言葉を借りるならば、虹色の音を奏でられる楽器です。その音色は、エリックさん作・編曲によるイメージソング『Catch The Rainbow』でご体感ください」と、マーケティング担当の西村壮史さん。
思い描く理想のイメージを、そのまま音として表現できるYTR-8330EM。自由に音を鳴らすうち、新しい音楽の元となるインスピレーションを得られそうです。
世界的なトランぺッターのエリック・ミヤシロ氏の監修により17年ぶりにEMモデルがモデルチェンジ。
これまでのパワーと瞬発力を兼ね備えたサウンドはそのままに、トランペットの心臓部とも呼べるバルブケーシングを刷新し、パーツの一つ一つを見直すことで、高音域での吹奏感を最適化しコントロール性能が更に向上しています。
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ヤマハトランペット スペシャルサイト
文/ 武田京子
photo/ 坂本ようこ(1枚目)
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