Web音遊人(みゅーじん)

「ミ♪」と「ラ♪」に仕掛けが?!ここにしかないストリートピアノを楽しもう「ヨコハマミライト」

独自の雰囲気を漂わせ、いつの時代も人を惹きつける港町、横浜。なかでも、今も開発が続くみなとみらいは、世界中の人々が訪れる人気のエリアだ。昼と夜とでは、まったく違った表情を見せるのも魅力だろう。

夜のみなとみらいエリアをイルミネーションで鮮やかに彩る「ヨコハマミライト~みらいを照らす、光のまち~ Directed by NAKED」が、2019年11月14日から始まった。2019年は、前年よりさらにエリアを拡大。横浜駅東口からみなとみらい駅付近のさくら通りまでをつなぐ、全長約1.5キロメートルの街並みが光で包まれる。

(写真左)横浜駅東口を出てすぐの「はまみらいウォーク」、(写真右)みなとみらい地区の「さくら通り」。

横浜のイメージカラーといえば、やっぱりブルー。青い海を彷彿とさせるブルーのイルミネーションに導かれて歩を進めると、シャンパンゴールド、ホワイト、ウォームホワイトなど、趣が異なる光の演出が迎えてくれる。幻想的な世界は、あたかも港町を舞台にした光の海の物語のよう。途中にあるすずかけ通り歩道橋の階段には今回から新たにグラフィックアートが施され、アートと光のコラボも楽しめる。

すずかけ通り歩道橋の階段は、見る角度によって表情を変える。

メインエリアは、横浜美術館とマークイズみなとみらいの間をつなぐ美術広場。この空間の主役は、なんといっても光の街並みに溶け込むように設置された「トレリスストリートピアノ」だ。
ここ数年、世界中で注目され、設置が広がっているストリートピアノ。誰でも自由に演奏できるとあって、そのファンは多い。だが、このストリートピアノはふつうとはまったく違う。

ピアノを弾いてみると「!」。なんと、光が踊り出した。「プロジェクションマッピング×ストリートピアノ」という、これまでに 類を見ない試みなのだ。テーマは、光の海を旅する“Voyage(ヴォヤージュ=航海)”。海のなかに沈んで眠っている星を、ピアノを弾くことで目覚めさせるイメージなのだとか。
音を奏でるたびに、光はさまざまに変化していく。音の強弱によっても、4種類の異なる光が登場。また「ヨコハマミライト」という名にかけて、「ミ」と「ラ」を弾いたときには、特別な星が輝く。
さらにピアノを弾き始めると、まるで一緒に歌い出すかのようにサウンド・エフェクトが鳴りはじめ、次第にフェイドアウトする仕掛けも。これは、音楽を奏でられなくても、ピアノを弾くことで“何かが起こる”楽しさを感じられるよう導入したのだそう。

ピアノのまわりの“光の海”がキラキラと広がっていく「トレリスストリートピアノ」。

実は、これらはMIDIデータを使うことで光が変化するという仕組みになっている。音階や音の強さなどのMIDI信号をグラフィックソフトに取り入れ、音に応じたいくつかの映像パターンをプログラミング。演奏するとそれらのパターンを組み合わせた映像がつくられ、プロジェクターで投影される。そうした仕掛けにより、ここでしか味わえないロマンチックな演出が実現したわけだ。
ピアノは、MIDIデータが使える仕様のヤマハのアコースティックピアノ。また、ピアノが置かれたスペースの上部四隅にはヤマハのスピーカーシステム(VXS5×4)が設置され、豊かなサウンドエフェクト音を響かせている。

親子や友だち同士、カップル、そしてひとりで……。さまざまな人がここで足を止め、思い思いにピアノを弾き、音を奏でていく。演奏者がつくり出すそれぞれの景色は、弾いている本人だけでなくギャラリーの心もつかむ。

思わず写真や動画に収めたくなってしまう、ヨコハマミライトや横浜の夜景・イルミネーションを被写体としたフォトコンテストも開催されているので応募してみてはいかがだろう。また、ヨコハマミライト公式インスタグラムでは、ハッシュタグキャンペーンも実施中だ。光のまちを散策し、光をまとった音楽をぜひ楽しんでほしい。

■ヨコハマミライト~未来を照らす、光のまち~ Directed by NAKED

横浜駅東口方面からみなとみらいエリア「さくら通り」まで続く、全長約1.5kmにも及ぶイルミネーションやストリートピアノを使ったインタラクティブ型のイルミネーションなど、子どもから大人まで楽しめる。
企画・演出は、クリエイティブカンパニーNAKED(ネイキッド)。2020年2月16日(日)まで。
詳細はこちら

特集

今月の音遊人

今月の音遊人:伊藤千晃さん「浜崎あゆみさんの『SURREAL』は私の青春曲。今聴くとそのころの記憶があふれ出ます」

6879views

音楽ライターの眼

連載44[ジャズ事始め]ジャズに貼られていたラベルをはがすことに成功した“ランドゥーガ”という自由空間

2143views

トランスアコースティックピアノ™

楽器探訪 Anothertake

音量の問題を解決し、ピアノの楽しみを広げる「トランスアコースティックピアノ」

6018views

楽器のあれこれQ&A

目的別に選ぼう電子ピアノ「クラビノーバ」3シリーズ

4977views

おとなの楽器練習記

【動画公開中】注目の若手ピアニスト小林愛実がチェロのレッスンに挑戦!

11285views

音や音楽の“聴こえ”をサポートし、豊かな人生を届ける/補聴器を世の中に広める仕事

オトノ仕事人

音や音楽の“聴こえ”をサポートし、豊かな人生を届ける/補聴器を世の中に広める仕事

4300views

水戸市民会館

ホール自慢を聞きましょう

茨城県最大の2,000席を有するホールを備えた、人と文化の交流拠点が誕生/水戸市民会館 グロービスホール(大ホール)

11562views

ズーラシアン・フィル・ハーモニー

こどもと楽しむMusicナビ

スーパープレイヤーの動物たちが繰り広げるステージに親子で夢中!/ズーラシアンブラス

17017views

民音音楽博物館

楽器博物館探訪

歴史的価値の高い鍵盤楽器が並ぶ「民音音楽博物館」

27507views

われら音遊人

われら音遊人:ママ友同士で結成し、はや30年!音楽の楽しさをわかちあう

6365views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

泣いているのはどっちだ!?サクソフォン、それとも自分?

6777views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

11829views

大人の楽器練習記:クラシック・サクソフォン界の若き偉才、上野耕平がチェロの体験レッスンに挑戦

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:クラシック・サクソフォン界の若き偉才、上野耕平がチェロの体験レッスンに挑戦

13239views

武蔵野音楽大学楽器博物館

楽器博物館探訪

専門家の解説と楽器の音色が楽しめるガイドツアー

9626views

音楽ライターの眼

『ヤマハのオト〜奏でる匠のオト〜Ⅲ』アルバムレヴュー

3792views

オトノ仕事人 ボイストレーナー

オトノ仕事人

歌うときは、体全部が楽器となるように/ボイストレーナーの仕事(前編)

28191views

上海ブラスバンド日本支部

われら音遊人

われら音遊人:上海で生まれた縁が続く大家族のようなブラスバンド

3831views

reface

楽器探訪 Anothertake

コンパクトなボディに優れた操作性が溶け込んだデザイン

7084views

東広島芸術文化ホール くらら - Web音遊人

ホール自慢を聞きましょう

繊細なピアニシモも隅々まで響く至福の音響空間/東広島芸術文化ホール くらら

15323views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

もしもあのとき、バイオリンを習っていたら

6442views

楽器のあれこれQ&A

いまさら聞けない!?エレクトーン初心者が知っておきたいこと

32162views

こどもと楽しむMusicナビ

オルガンの仕組みを遊びながら学ぶ「それいけ!オルガン探検隊」/サントリーホールでオルガンZANMAI!

10352views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

35033views