今月の音遊人
今月の音遊人:松井秀太郎さん「言葉にできない感情や想いがあっても、音楽が関わることで向き合える」
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感じる力を試される!? 世界30か国以上で500万人を熱狂させたパントマイムショー『スラバのスノーショー』
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2014.7.2
tagged: ポピュラーミュージック, ボサノヴァ, クラシック, パントマイム
世界120か所以上で公演、国際演劇賞を総なめにした『スラバのスノーショー』が日本にもやってくる。来日公演に先駆け、メキシコ公演を観てきた。
登場するのは、数人のピエロ(道化師)だけ。セリフは一切なく、動きと表情だけで、さまざまなシーンと喜怒哀楽が表現される。聞き覚えのあるクラシックやポピュラーミュージックが、完全に演技と一体になって場面を彩る。ボサノヴァの名曲「Mas Que Nada」がコミカルなシーンに使われ、静かに笑いを誘っていた。
インターミッションでは、ピエロたちが客席に降りてきて、客のバッグを奪ったり、水をかけたり、客席の温度を上げる。そして後半のパフォーマンスのあと、クライマックスは信じられない強風とともに、紙吹雪が観客席を覆う。
キャストへのインタビューで、日本人記者のひとりが「ストーリーがないけれど、演じるとき注力していることは?」と聞いた。
「ストーリーがないと感じる人もいるかもしれない。でも、私たち演者はそれぞれ自分の中にストーリーを描き、演じている。演者が皆、同じストーリーを共有し伝えようと考えていたら、観客も皆同じストーリーを持って帰るだろう。しかしそうではないので、観客もそれぞれのストーリーとそれぞれの思いを持って帰れるのです」(黄色ピエロ役のロベルト)
私たち大人は、自由に感じることがつくづく下手だ。国語の授業で「主人公はこのとき、どのような気持ちになりましたか?」という教育を受けてきたからか、起承転結を求め、登場人物の心情への説明や、感じ方の正解までも求めてしまう。
試しに、演者それぞれにストーリーを尋ねてみた。道化師のひとりタティアナは、「暗喩的に言えば、黄色と緑のピエロは、違う惑星から来た宇宙人。どちらの母国でもない惑星に、ある理由で一緒にいる。そこがこのショーの面白さだと思う」と独自の解釈を述べる。そこへ、8歳の男の子バグラッド君が短く言う。
「このショーのテーマは友情だよ。違う文化から来た緑と黄色のピエロが出会い、ケンカをしたり、ミスコミュニケーションをして、最終的には友情を築くんだよ」
このショーの創作・演出をしたスラバ・ポルニンは、「大人を童心に返らせるために、このショーを作った」と語っている。あのインターミッションでの“客いじり”は、大人の頭をやわらかくし、心のまま感じる構えを作るための仕掛けなのかも。
Slava’s SNOWSHOW 【スラバのスノーショー】(予告編)
【東京公演】
会場:シアター1010
日程:2014年8月6日(水)〜17日(日)
問い合わせ:キョードー東京 TEL 0570-550-799(平日 11:00〜18:00/土日祝日 10:00〜18:00)
【大阪公演】
会場:シアターBRAVA!
日程:2014年8月20日(水)〜24日(日)
問い合わせ:チケットよしもと TEL 0570-550-100(10:00〜19:00)
文/ みよしみか
photo/ 西木義和
tagged: ポピュラーミュージック, ボサノヴァ, クラシック, パントマイム
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