今月の音遊人
今月の音遊人:大塚 愛さん「私にとって音は生き物。すべての音が動いています」
17848views
豪華アーティストたちが、選び抜いたプログラムで魅せる『銀座オペラ』ガラコンサート
この記事は3分で読めます
2192views
2022.11.22
東京の真ん中、華やかな銀座の街でオペラ体験を──。そんなコンセプトで始まったオペラシリーズ『銀座オペラ』。2022年は樋口達哉(テノール)とジョンハオ(バスバリトン)が参加する豪華なガラコンサートが行われる。エレクトーン奏者の清水のりことともに本シリーズを牽引する小川里美(ソプラノ)に話を聞いた。
「もし私が観客だったら、(清水)のりこさんの両手両足の動きに目を奪われてしまうと思います。オーケストラのサウンドを隅々まで研究し尽くしてプログラミングして、それを寸分の狂いもなく演奏する。リハーサルのときも、『すごいな』と思うんですけれど、そちらばかり見ていると歌に集中できなくなるくらいで」
ソプラノの小川里美は、エレクトーン奏者の清水のりこへのリスペクトを込めて「ひとりオーケストラ」と表現する。『銀座オペラ』はふたりが中心になり、“銀座という華やかな街でオペラの公演を”というコンセプトで始めたプロジェクト。これまでに『トスカ』や『蝶々夫人』、『トゥーランドット』などのオペラ作品をハイライトで届けてきた。観客との距離が近い銀座ホールという会場でオーケストラの迫力あるサウンドを表現できるのが、清水が操るエレクトーンなのである。
「エレクトーンによる伴奏だと、序曲などオーケストラのみで演奏する部分も、劇場さながらの臨場感が一層楽しめるんです」
しかし、ただエレクトーンであればいいというわけではなく、やはり清水のオペラ作品や歌手たちへのリスペクトがあってこその『銀座オペラ』だと小川は語る。
「演奏の前に、各作品のオーケストラの編成を研究し、楽器間のバランスを細かく調整した音作りを行っているんです。エレクトーンを演奏する方が観たらそのすごさをわかっていただけると思いますし、あまりなじみがないという方も、観た後はみんな『すごい!なんでこんな音が出せるの?』とびっくりして帰っていきますよ」
さて、2022年の『銀座オペラ』は、樋口達哉(テノール)とジョンハオ(バスバリトン)というふたりのトップ歌手を迎えた贅沢極まりないガラコンサートが実現することになった。ふたりとも小川にとっては信頼のできる「仲間」である。
「ジョンハオさんは私と同世代で、これまでキャリアの節目節目で共演してきてきました。今回も2021年に引き続き何か一緒にできたら、と思い、出演をお願いしました。樋口さんは私にとってイタリアで共に音楽を学んだ先輩です。常に勉強と研究を怠らないのはすごいですね」
当日は、ガラ公演ならではの、オペラの魅力をこれでもかと詰め込み、字幕もつけて「オペラに興味があるけど、どのように観たらいいかわからない」という方はもちろん、愛好者でも存分に楽しめるように、とこだわったプログラムになるという。
「ジョンハオさんは私と『道化師』の『ネッダ!シルヴィオ!こんな時間に』を歌ってくださるのですが、これはレアな組み合わせだと思いますよ。樋口さんとは『蝶々夫人』の『愛の二重唱』を歌いますが、この曲を樋口さんと歌うのは初めてなので、とてもわくわくしています」
清水は伴奏のほかに、ソロで『カヴァレリア・ルスティカーナ』の『交響的間奏曲』を披露する予定だ。
「そのほか、『ファウスト』の三重奏『逃げろ、逃げろ!』もあるのですが、エレクトーンでやってよかった!と思える仕上がりになったと思います。今から本当に楽しみです」
「ヤマハホールは1階席の後ろのほうまでお客様の顔が見える」という距離感が心地よく、観客からパワーをもらえるもの大きな魅力だという。
「歌い終わった後にお客様が笑顔になってくださると、私たちも元気になるんです。今回の公演は、ひょっとしたら『曲目が多すぎる?』と思えるぐらいにたくさんの曲を歌います。お客様の喜ぶ顔を想像しながら考えたら自然とそうなったんです。2022年11月28日(月)の夜は、ぜひ銀座にお越しいただき、オペラの魅力を堪能してください」
※一番上の写真は、2021年の銀座オペラ「トゥーランドット」の様子
日時:2022年11月28日(月)19:00開演(18:30開場)
会場:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14)
料金:5,000円(税込・全席指定)
出演:小川里美(ソプラノ)、樋口達哉(テノール)、ジョンハオ(バスバリトン)、清水のりこ(エレクトーン奏者)
曲目:プッチーニ/『トスカ』“序奏(EL)〜妙なる調和”(T)、ドニゼッティ/『ランメルモールのルチア』“そのように喜ぶのをやめてください~私がルチア様を”(B)、ヴェルディ/『イル・トロヴァトーレ』“穏やかな夜~この恋を語るすべもなく”(S) ほか
詳細はこちら