今月の音遊人
今月の音遊人:甲田まひるさん「すべての活動の土台は音楽。それなしでは表現にはなりません」
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音楽の楽しさをエンターテインメントとして楽しんでほしい「コンサートツアー Piano Sings 2023」/村松崇継インタビュー
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2023.8.23
作曲家として数多くの映像作品の音楽を担当している村松崇継。その活動と並行して、コンポーザーピアニストとしてステージにも立ち続けている。バラエティに富んだ音楽の魅力を届けたいというコンサートへの意気込みを聞いた。
1996年にオリジナルピアノソロアルバム『窓』でデビューして以来、コンポーザーピアニストとして数多くの映画作品やテレビドラマ、舞台やミュージカルなどの音楽を手がけてきた村松崇継。2023年だけをみても、Netflix映画『クレイジークルーズ』の劇伴やテレビドラマ『この素晴らしき世界』の音楽を手がけ、第90回NHK全国学校音楽コンクール小学校の部課題曲の作曲、そして村松自身初となる演歌歌謡界への楽曲提供など、活動はとどまることがない。その多才ぶりに驚くばかりだが、本人は「そもそも僕があらゆるジャンルの音楽が好きなので」と照れたように笑う。
「ピアノを始めて以来、愛してやまないのはクラシックで、自分の基礎になっていると思います。そこからジャズやポップスが大好きになりましたし、J-POPももちろん聴いてきました。それに、子ども時代を“唯一のイベントが神社のお祭り”のような田舎で過ごしたからか日本の伝統楽器も好きなんです。演歌も聴きますから、今回山内惠介さんに曲を書かせていただいた時も本当に楽しかったです」
このしなやかさを、学生時代を過ごした国立音楽大学での経験が支えている。
「当時の大学での講義は音楽史や現代音楽についてなど、アカデミックな内容がメインでしたが、他学科の学生たちと毎日のようにセッションを重ねたことは、とてもいい勉強になりました」
というのも、大学の授業以外の課外活動で、ある時はゴスペルのサークルに出向いてピアノを弾き、ある時はビッグバンドとともに演奏を楽しみ、ある時は吹奏楽の指揮を担当し……と、まさに百戦錬磨だったのだそう。
「まず『何か面白いことやりたい奴は集まって!』というところから始まるんです。教本も何もない、耳コピでもとにかくやってみる。クラシックの基礎をしっかりと学ぶのと同時に、友達と自由気ままにセッションしながら得たものが今の僕の礎になっていると思います」
作曲家として精力的な活動を続けながら、同様に大切にしているのが「コンポーザーピアニスト」としてのステージである。2023年10月からの開催が決定した「村松崇継 コンサートツアー Piano Sings 2023」でも、村松崇継サウンドの世界観を思う存分楽しめそうだ。
「脚本や演出家、監督の意図に沿いながら多種多様なジャンルの音楽を形にして作品づくりに携われるという意味で、フィルムスコアリングや劇伴は僕に向いていると思いますし、そこをベースにしている部分もあります。その一方で“自分自身の感性から生まれた村松崇継としての音楽”を軸に据えたものを皆さんにお届けしたいという想いから、今年もコンサートを開催します」
具体的な内容は検討中ということだが、オリジナル曲を中心に最近の提供楽曲やスタジオジブリ作品『思い出のマーニー』の楽曲、幅広い層から人気の『いのちの歌』なども予定されている。
「皆さんがご存知の曲から、クラシックやジャズなど、いろいろ聴いていただきたいですね。年齢を重ねることで考え方や音楽性が自然と変化しているので、2023年最新版の村松崇継をご披露できればと考えています」
5歳の頃に通い始めたヤマハ音楽教室で初めてピアノに触れたという村松。それ以来、コンサートや日常の練習の際にはヤマハのピアノを弾く機会が多いそうだ。
「ヤマハのピアノはとにかくフレンドリーなんですよね。1~2曲弾いているうちに友達になれるというか、『一緒に楽しもうよ!』と誘われるような明るさがあるんです。たとえこちらの気持ちが少々落ち込んでいても『よし、頑張ろう』というところまで持ち上げてくれる。どんなジャンルもバランスよく弾ける柔軟性も魅力で、コンサートでさまざまな楽曲を演奏する僕にはぴったりです」
相棒とも呼べるピアノとのコンサートでは音楽の楽しさをエンターテインメントとして見せられたらと話す。
「楽曲のジャンルの幅が広いコンサートですから、普段はクラシックしか聴かない、ポップスしか聴かない、といった方にも楽しんでいただける内容になると思います。バラエティに富んだ音楽の魅力をお届けできるよう準備していますので、ぜひお越しください」
10月22日(日):浜離宮朝日ホール(東京都)
10月29日(日):新発田市民文化会館(新潟県)
12月15日(金):東大阪市文化創造館ジャートーハーモニー小ホール(大阪府)
公演の詳細はこちら
文/ 髙内優
photo/ 宮地たか子
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