Web音遊人(みゅーじん)

今月の音遊人 岡本真夜さん

今月の音遊人:岡本真夜さん「親や友達に言えない思いも、ピアノに聴いてもらっていました」

2016年、アーティスト名「mayo」として、幼い頃から念願だったというピアニストデビューを果たした岡本真夜さん。今回のインタビューでは、ピアノへの思い、音楽との関わり方など、素敵なお話をたくさんうかがいました。

Q1.これまでの人生の中で、一番多く聴いた曲は何ですか?

今井美樹さんの『PIECE OF MY WISH』です。高校時代に聴いたのですが、デモテープにその歌を吹き込んで最初の事務所に送り、デビューのきっかけになった思い出の一曲です。
高校時代はシンガー・ソングライターではなく歌手になりたいと思っていて、事務所が決まって上京後、デビューまでの期間でスタッフに「作ってみたら」と言われたのがきっかけで作るようになったんです。高校時代、よく友達とカラオケに行っていたのですが、必ず歌っていた曲で、今でもたまにカラオケに行くと絶対歌います。メロディーもすごく好きですし前向きな歌詞にも励まされました。自分もアーティストの立場になったときに、同じように誰かを励ませるようなものを書きたいなと思いました。
美樹さんの声の心地良さ、優しく包んでくれる感じが曲とマッチしていますよね。コンサートでは、2000年の産休に入る前の武道館ライブで歌った記憶があります。ご本人にも何度かお会いしたことがありますけど、「聴いていました」という程度しか、緊張して言えませんでした。本当に、憧れの存在なんです。

Q2.岡本真夜さんにとって「音」や「音楽」とは?

なくてはならない存在ですね。特に私の場合、歌もそうですけどピアノが一番で、自分から取ってしまうと、たぶん自分がダメになっちゃうぐらいの存在と言ってもいいぐらいです。
歌手に憧れを持ち始める前は、小さい頃からずっとピアノ、ピアノで。毎日、何時間も弾いてきていて、親や友達に言えない思いも、ピアノにぶつけ、ピアノに聴いてもらっていました。今でも、ピアノに触ると無になれるというか、しんどいことも忘れられますね。ピアノを習っていたのは小学校3年から高校1年までで、当時はショパンやリストも弾いていました。音楽好きの一家で家庭に自然に音楽が流れていたからでしょうか、知らずと自分からピアノを触っていたような感じです。
高校で歌に目覚めるまでは、ほとんどクラシックしか聴いていませんでした。今は、自分のオリジナル曲をピアノで弾いていますが、ピアノの癒やされる音色に乗せて、言葉にならない思いも伝えられたらいいなと思います。きちんとピアノに向き合おうと決意して、3年ぐらい前にグランドピアノをローンで買ったんですよ。私にとって、音楽だけはなくなっては困るものですね。

今月の音遊人 mayoさん

Q3.「音で遊ぶ人」と聞いてどんな人をイメージしますか?

パッと思いつくのは、ジャマイカなど暖かい国の人でしょうか。すごく陽気で、常に音で遊んでいるイメージが思い浮かびます。
自分自身も生活の中で、気がつくと音で遊んでいます。例えば、街を歩いているときに聞こえるいろいろな音。走っているトラックの積み荷がドンドンっていうリズムを奏でたり、鳥のさえずりが歌っているように聞こえたり、机に物を置いた時にタタンとなったり。
車の運転が好きで、高校1年生の息子とよくドライブをするんですけど、外で音が聞こえたりすると、その音を同じように歌ってみたり、遊んだりもしています。息子は、流している音楽に勝手にラップをつけたり、それに私も乗っかって言葉をつなげたり、そんな遊びはしょっちゅうですね。息子とは四六時中、音楽を通してコミュニケーションしている感じです。
新しいアルバム「Love Story」は、歌詞や曲調には陽気な部分はあまりないのですが、いろいろな楽器と声の組み合わせやハーモニーを楽しんでほしいです。私も、曲が出来上がってメロディーと歌詞をアレンジャーさんに渡して、それがアレンジャーさんのアイデアや力で曲が生まれ変わっていくことが楽しいですね。まるで色が変わるような、そういう瞬間が一番好きですね。

岡本真夜〔おかもと・まよ〕
シンガー・ソングライター/ピアニスト。 1995年にデビューシングル「TOMORROW」で、200万枚のセールスを記録。その後も、3rdシングルで初のバラード「Alone」をはじめ、「そのままの君でいて」「サヨナラ」などのヒット曲を発表。一方で、広末涼子、中山美穂、相川七瀬への楽曲提供も多数手がけており、作曲家としても活躍している。2016年3月2日「mayo」として念願のピアニストデビュー。今後はシンガー・ソングライター岡本真夜とピアニストmayoとして活動を展開予定。
岡本真夜オフィシャルサイト http://www.mayo-okamoto.com/

 

特集

今月の音遊人

今月の音遊人:小曽根真さん「音楽は世界共通語。生きる喜びを人とシェアできるのが音楽の素晴らしさ」

21273views

ドイツのバリトンの名手、クリスティアン・ゲルハーヘル、馨しきモーツァルトのオペラ・アリアを歌う

音楽ライターの眼

ドイツのバリトンの名手、クリスティアン・ゲルハーヘル、馨しきモーツァルトのオペラ・アリアを歌う

5273views

楽器探訪 Anothertake

ナチュラルな響きと多彩な機能で電子ドラムの可能性を広げる、新たなフラッグシップモデルDTX10/DTX8シリーズ

4447views

楽器のあれこれQ&A

サクソフォン講師がアドバイス!ステップアップのコツ

2317views

大人の楽器練習記:バイオリニスト岡部磨知がエレキギターを体験レッスン

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:バイオリニスト岡部磨知がエレキギターを体験レッスン

19355views

JTBロイヤルロード銀座

オトノ仕事人

日本では出逢えない海外の音楽体験ツアーを楽しんでいただく/海外への音楽旅行の企画の仕事

6916views

アクトシティ浜松 中ホール

ホール自慢を聞きましょう

生活の中に音楽がある町、浜松市民の音楽拠点となる音楽ホール/アクトシティ浜松 中ホール

14290views

日生劇場ファミリーフェスティヴァル

こどもと楽しむMusicナビ

夏休みは、ダンス×人形劇やミュージカルなど心躍る舞台にドキドキ、ワクワクしよう!/日生劇場ファミリーフェスティヴァル2022

2919views

武蔵野音楽大学楽器博物館

楽器博物館探訪

世界に一台しかない貴重なピアノを所蔵「武蔵野音楽大学楽器博物館」

22341views

ゲッゲロゾリステン

われら音遊人

われら音遊人:“ルールを作らない”ことが楽しく音楽を続ける秘訣

1495views

パイドパイパー・ダイアリー Vol.8 - Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

初心者も経験者も関係ない、みんなで音を出しているだけで楽しいんです!

5186views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

9904views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目のピアノデュオ鍵盤男子の二人がチェロに挑戦!

8258views

民音音楽博物館

楽器博物館探訪

16~19世紀を代表する名器の音色が生演奏で聴ける!

11227views

音楽ライターの眼

ジャズ・ピアノ6連弾を振り返りながらジャズとクラシックの“分け目”を考えてみる

3905views

誰でも自由に叩けて、皆と一緒に楽しめるのがドラムサークルの良さ/ドラムサークルファシリテーターの仕事(後編)

オトノ仕事人

リズムに乗せ人々を笑顔に導く/ドラムサークルファシリテーターの仕事(後編)

6799views

われら音遊人:年齢も職業も超えた仲間が集う 結成30年のビッグバンド

われら音遊人

われら音遊人:年齢も職業も超えた仲間が集う、結成30年のビッグバンド

9373views

楽器探訪 Anothertake

人気トランペッターのエリック・ミヤシロがヤマハとタッグを組んだ、トランペットのシグネチャーモデル「YTR-8330EM」

4476views

紀尾井ホール

ホール自慢を聞きましょう

専属の室内オーケストラをもつ日本屈指の音楽ホール/紀尾井ホール

14143views

パイドパイパー・ダイアリー Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

あれから40年、おかげさまで「音」をはずさなくなりました

4544views

楽器のあれこれQ&A

サクソフォン講師がアドバイス!ステップアップのコツ

2317views

こどもと楽しむMusicナビ

クラシックコンサートにバレエ、人形劇、演劇……好きな演目で劇場デビューする夏休み!/『日生劇場ファミリーフェスティヴァル』

6652views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

25066views