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音楽制作を“気軽に凝れる”ミュージックプロダクションスタジオ 「SEQTRAK」
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2024.5.20
“自分で音楽が作れたらいいな”と思ったことがある人は結構いるだろう。でも楽器は弾けないし、音楽理論もわからない。パソコンでも音楽が作れるけど、覚えることがたくさんありそうで……とためらっている人におすすめしたいのが、特別な知識がなくても気軽に音楽制作を楽しめる「SEQTRAK(シークトラック)」だ。
音楽制作というと、シーケンサーやらサンプラーやらいろんな機材が必要というイメージがあるが、ヤマハミュージックジャパンの梅津昇陛さんいわく、「SEQTRAK」なら、この一台で作れるという。
「テクノやハウスといったダンスミュージックをはじめ、リズムのループをベースとする音楽制作で使いやすい機能が、このコンパクトな『SEQTRAK』にすべて盛り込まれているので、サイズ以上に本格的で、ライブパフォーマンスもできます。なので、最初の一台でもありつつ、すでにいろんな機材を駆使して音楽制作されている方でも、持ち運びができるという点から、ぜひ触れていただきたい一台だと思っています」(梅津さん)
今回は梅津さんに解説していただきながら、実際に「SEQTRAK」でダンスミュージック作りを体験してみた。まずは、根幹であるリズムを作るため、本体下部に2段並んでいる四角いボタンを押してみる。この左側の上8個、下8個の計16個が1小節に相当しており、左上から1番目、5番目、左下の9番目、13番目と押していく。するとキック音が4回、4つ打ちのリズムが鳴りだした。
さらにハット(ハイハット)音を入れようということで、先ほどキック音を入力した16個のボタンをハット音に切り替える。「裏打ちで入れてみましょう」というアドバイスどおりにしてみたつもりが、まだ機材に慣れていないため間違えた位置のボタンを押してしまった。それでも、それっぽいリズムになったから不思議だ。
「これがループベースの音楽のおもしろいところで。規則的に音が動いていくので、音楽理論とかわからなくても、適当にハイハットを入れたとしても、それっぽくなります。もちろん発音のタイミングを強制的に正しいタイミングに移動させるクオンタイズによって音がそろいますし、ちゃんと1小節16ステップというのが守られているんです」(梅津さん)
ほかにスネア、クラップ、パーカッションの音源もあるし、ひとつの拍で2発(もしくは3発)鳴らすサブステップを入れるなど、より凝ったリズムを作ることも可能だそうだ。
こうして作ったリズムに、今度はシンセサイザーでメロディを加えてみる。本体中心下部の8個のボタンで作るのだが、「適当に弾いてみてください」と言われたので本当に適当に弾いてみたら、ちゃんとしたメロディに聴こえて驚いた。実はあらかじめメジャー、マイナー、ペンタトニックなどのスケールで音階がボタンに設定されているので、適当に押しても和音的に破綻しないのだという。
「テクノやハウスなどはシンプルな旋律をループしていくことも多く、そういった場合はスケール内でメロディを作っていけば間違いないんですね。『SEQTRAK』はアコースティック楽器からシンセサイザーまで多彩な音色を再現・合成する“AWM2”音源と、シンセサイザーやエレクトリックピアノなどデジタルサウンドが得意な“FM”音源を搭載していますので、音色を変えてメロディをより引き立てることができます。リバーブ、ディレイ、ディストーションなどの多彩なエフェクトも装備していますので、オリジナリティの高いサウンドデザインを追及することができるんです」(梅津さん)
ちなみに同時発音させられるので、ピアノをダブルノートで弾いてハウスっぽい響きにすることもできる。また音程のピッチを変えるタッチセンサー式のスライダーも搭載しているので、エモーショナルな演出を作り出すこともできるのだ。
こうしてレクチャーを受けながら約30分、完成した1小節分のトラックは初心者が作ったとは思えない出来栄えで、ノートパソコンのキーボード部分ほどの大きさの「SEQTRAK」一台で、これだけのクオリティの音源ができたのは感動的だ。
今回は1小節だけだが、小節の長さを変えることもできるし、キック音は変えずにハイハットやパーカッションのリズムだけ変えた別パターンを作って、組み合わせで“展開”のある音楽にすることもできる。サンプリング機能もあるので、かけ声やコップを叩く音などを入れて、より個性的なトラックに仕上げることもできるだろう。
「無料の専用アプリを利用すれば、アプリからサウンドデザインやトラックのパターン調整を直感的に操作できたり、逆に「SEQTRAK」本体でアプリ画面をリアルタイムに変化させたりすることもできます。本体のボタンを押せば、そのボタンにどんな機能があるかを解説するダイナミックチュートリアル機能も入っており、ボタンの機能を調べたいときも、いちいち説明書を開く必要が無いため便利です。さらに、制作した音楽と連動したVR映像が楽しめる“VISUALIZER”機能もあり、リアルタイムに映像を配信したり、制作した動画をSNSにあげている方もいて、『SEQTRAK』が多くの方々に楽しんでいただけているのを感じています」(梅津さん)
軽量で持ち運びしやすいので、屋外などでも気軽に音楽制作を楽しむことができるだろう。そのフットワークの軽さとは裏腹に、多彩な機能のおかげで、とことんまで音作りにこだわることができる。まさに“気軽に凝れる”のが「SEQTRAK」の魅力なのだ。
ドラムマシン、シンセサイザー、サンプラーを搭載し、音楽制作からパフォーマンスまでを一台で実現するオールインワンギア。さまざまな楽器の音色や効果音などが2,000種類以上プリセットされ、直感的な操作で本格的な音作りが可能。
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文/ 飯島健一
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tagged: シンセサイザー, SEQTRAK, ドラムマシン, サンプラー
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