今月の音遊人
今月の音遊人:出口大地さん「命を懸けて全力で取り組んだ先でこそ、純粋に音楽を楽しむ心を忘れてはいけない」
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歴史と伝統、風格を受け継ぐクラシック音楽専用ホール/ザ・シンフォニーホール
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2015.12.2
tagged: クラシック, 大阪, ホール自慢を聞きましょう, ザ・シンフォニーホール, ホール
大きな樹々が枝を揺らす公園とヨーロッパの古い街並を思わせる石畳の道が、訪れる人々を非日常へと誘う「ザ・シンフォニーホール」。日本初のクラシック音楽専用ホールとして1982年、大阪市北区にオープンした。かつて、巨匠カラヤンが「世界最高の響き」と絶賛した音楽の殿堂だ。
ザ・シンフォニーホール一番の自慢は、残響2秒をいち早く実現したホールの音響。天井、壁、床、椅子などのすべてが「美しい響き」を追求するために研究、設計された。ステージを囲むように作られたアリーナ形式の客席は、どこからも均一に美しい響きを堪能することができる。「ホール自体が楽器」の設計理念そのままに、オープンから30余年を経てさらに響きは熟し、深みを増した。
舞台に立ってまず気づくのは、舞台と客席の近さ。舞台の高さも低く設定されているため、客席からは舞台がよく見え、演奏者との一体感もある。演奏者にとって演奏しやすいホールでもあるという。舞台正面に据えられているのは、スイス・クーン社製のパイプオルガン。ホールに厳かな雰囲気を漂わせている。
音楽ホールとしてのこだわりは舞台裏にも。ゆったりとして落ち着きのある、じゅうたん敷きの廊下や楽屋はまるで著名な老舗ホテルのよう。重厚で広々とした楽屋には、グランドピアノを備えた部屋もある。きっと多くの世界的音楽家たちが、本番前の高揚する気持ちをここで鎮めたに違いない。
このような歴史と伝統、そして風格を受け継ぎながら、ザ・シンフォニーホールはより多くの人から愛される、地域に密着したホールとして新たな歩みを始めた。そのひとつが、高校、大学、一般のオーケストラや合唱、吹奏楽など、アマチュア演奏団体によるコンサート。毎月2、3団体が定期演奏会などに利用している。アマチュアが演奏会を開くことで、今まで訪れることのなかった人たちがコンサートを聴きに足を運ぶようになった。同時に演奏団体には「ザ・シンフォニーホールで最高の演奏をしよう」という新たな目標と、「ザ・シンフォニーホールで演奏してみたい新メンバーの加入」という、思わぬ相乗効果も生まれた。
他にも、憧れの舞台でソロやアンサンブルなどが演奏できる「ザ・シンフォニーホール チャレンジ・コンサート」や、プロジェクション・マッピングを活用した子どもも楽しめるコンサートなど、斬新な企画を次々と繰り出し、ファン層を広げている。
これまでクラシック音楽を聴く機会のなかった人にも「世界最高の響き」を味わうチャンスを広げるザ・シンフォニーホール。これからもずっと、子どもから高齢の方まで、幅広い世代に音楽との出会いと感動を届け続けることだろう。
(写真左)本番当日のトイレ内や楽屋には、ホールスタッフからのメッセージカードがさりげなく置かれる。ホールがより身近に感じられると大好評だ。
(写真右)座ってくつろげるテーブルも用意され、ビールやワインも楽しめる広いホワイエ。予約制の寿司御膳も要チェック!
(写真左)舞台袖の壁を埋め尽くした世界的演奏家たちのサイン入りステッカーが、ホールの歴史と伝統を物語る。
(写真右)2Fホワイエにあるザ・シンフォニーショップでは、音楽をモチーフにしたステーショナリーやアクセサリー、ホールオリジナルグッズなどを販売。
所在地:大阪市北区大淀南2-3-3
TEL:06-6453-1010
ホール形式:アリーナ形式
席数:1704席
文/ 芹澤一美
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