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結成時のワクワク感があふれる!新生「No Name Horses」新アルバム発表&ツアー開催/小曽根真インタビュー
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2024.10.18
tagged: ピアノ, ツアー, アルバム, 小曽根真, No Name Horses
ソロ・ピアノからオーケストラとの共演まで幅広く活躍する世界的ピアニスト小曽根真。その多彩な活動の中で、2025年に結成20周年を迎えるのが、日本のトップ・ミュージシャンを揃えた超弩級のビッグバンドNo Name Horses(以下NNH)だ。2024年11月に新アルバムを発表し、2025年1月にリリース・ツアーを開催する同バンドについて詳しく話を聞いた。
「結成20周年という節目を間近にして思うのは、皆さんへの感謝の気持ち。NNHは総勢15名のビッグバンド。しかもメンバーそれぞれがリーダー・バンドを主宰する忙しいスケジュールを抱えています。ですからマネジメントやステージのセッティング、音響、照明といったスタッフの皆さんのご協力なしには存続できないバンドなんです。僕の演奏環境についても、NNHのコンサートでは以前からヤマハのコンサートグランドピアノCFⅢS、そして現在はCFXという最新モデルを弾かせていただいており、本当に恵まれた環境の中で活動できることに感謝しています」
そうした感謝の気持ちを熱く語る小曽根の眼差しは、スタッフだけでなくメンバーの家族やファンにも向けられている。
「NNHには、レコーディングだけでなく長期ツアーもあります。それらはご家族の皆さんの理解と手助けがないと到底不可能なことなんです。ですからNNHは家族ぐるみの付き合いがモットー。これは僕の相棒の神野三鈴の提案で始まったんですけど、コンサートやライブの楽屋は、家族全員一緒で、とても賑やか。お互いに子どもの面倒をみたりしながら、交替でステージを楽しんでもらったこともありました。でも最も感謝したいのはファンの皆さんです。NNHはジャズの演奏はもちろんですが、『ラプソディー・イン・ブルー』のようなシンフォニー・ジャズもやれば、さらにラテン音楽やロックまで演奏します。僕たちがそうしたいろいろな音楽をやっていけるのは、ひとえにファンの皆様が変わらずに支え続けてくださっているおかげだと思っています」
今回、松井秀太郎(トランペット)と小川晋平(ベース)、そして陸悠(テナーサクソフォン)の3人が新メンバーに迎えられた。
「秀太郎と晋平は、三鈴と僕が推進している若手音楽家のためプロジェクトFrom OZONE till Dawnのメンバーでもあります。秀太郎は2023年にCDデビューして、2024年10月には早くも2作目『Danse Macabre』を発表する、いま最も話題のトランぺッターの一人。晋平は僕のトリオTRiNFiNiTYをはじめとする数多くのバンドから重用されている人気ベーシスト。陸悠くんも、大林武司さん(ピアノ)と共演したり、馬場智章くん(テナーサクソフォン)、西口明宏くん(テナーサクソフォン)たちと一緒にTenors in Chaosを結成したり、さまざまな方面で活躍している気鋭のサックス奏者です」
3人がNNHのみんなと初めて顔を会わせたのは、2024年8月のブルーノート東京公演の数日前のリハーサルだったという。
「その時の3人に対してみんなからのウェルカム度が本当にすごかったです。口々に、『よく来てくれたね!』、『よろしく!』と言って。3人とも若いですが、とても素晴らしいミュージシャン。秀太郎と陸くんは、エリック・ミヤシロ(トランペット)や三木俊雄くん(テナーサクソフォン)のような先輩プレイヤーたちから、『タイム感が素晴らしい』、『頼りになる』という全幅の信頼を置かれていますし、ふたりも『新しい音楽の景色が見られてすごく楽しい』と言ってくれています。晋平は一般的ビッグバンドと同じような安定感を優先する演奏を求められると思っていたらしいんですが、いざ入ってみたらTRiNFiNiTYの時と同じように自由にプレイしていいということが分かって。『こんなに自由に演奏していいビッグバンドは初めてです!』と話しています。とにかく3人が楽しくやってくれているのが嬉しいですね」
その新生NNHが2024年8月に新たなアルバムをレコーディング。その時の様子を語ってくれた。
「アルバム録音をしたのは8月上旬のブルーノート東京公演の翌日からでした。僕は『Day 1』をはじめとする3曲を書き下ろしたほか、『Deviation』、『Infinity』というTRiNFiNiTYの曲と、以前ブランフォード・マルサリス(テナーサクソフォン、ソプラノサクソフォン)たちと録音した『Gotta Be Happy』の3曲をNNH用に新アレンジ。その他にもエリック(・ミヤシロ)、三木(俊雄)くん、(中川)英二郎くんにも楽曲を提供してもらっています。3日間スタジオを押さえていたものの、僕の書く曲は一筋縄でいかないものが多いし、これは大変かなとも思ったのですが、いざ始めてみたら初日に5曲を完成させることができまして。もう驚きましたね。これまでも、みんなすごいミュージシャンだとは思っていましたが、今回のレコーディングではあらためて驚かされました」
2024年11月中旬発売のアルバム・リリースツアー「Makoto Ozone No Name Horses ~20年目のthe Day 1」が、2025年1月11日(土) 高槻城公園芸術文化劇場 トリシマホールを皮切りに開催される。
「結成20周年目のツアーですが、今回の演奏は20年前の初ツアーのようなものになるのではないかと思っています。NNHのメンバーが音を出したのは、伊藤君子さんのアルバムレコーディングのために集まって演奏したのが初めて。その時にメンバー全員の、『このバンドをこのまま終わらせたくない』との思いで結成されたんです。みんな、このメンバーで演奏するのが楽しくてたまらない感じでした。今回、新しい3人とともにレコーディングやブルーノート東京公演を行ってきましたが、その中でバンド全体が新たな刺激を受けて活性化したことを実感しています。エリックや英二郎くんたちも『バンドが新しくなった』、『サウンドがリフレッシュされた』と言っていますし、結成した頃のようなワクワク感があふれています。コンサートではそのエネルギーが一気に炸裂すると思いますので、楽しみにしていてください」
NNH以外の活動では、2025年2月には角田鋼亮指揮による東京フィルハーモニー交響楽団との共演コンサート『Makoto Ozone with Tokyo Philharmonic Orchestra』も予定されている。こちらは、きたいくにと(ドラムス)と、NNHにも参加している小川晋平が参加するTRiNFiNiTYを伴っての共演だ。
「プログラムはガーシュウィンの『ラプソディー・イン・ブルー』、モーツァルトの『ジュノム』を予定しています。『ラプソディー~』は、これまで何度か披露していますが、東フィルさんとの演奏は久しぶりなので、とても楽しみにしています。『ジュノム』もかなりジャズ度の高い演奏になるはず。NNHとは別の僕の音楽を楽しんでいただけると思います」
2025年
1月11日(土)高槻城公園芸術文化劇場
1月12日(日)RaiBoC Hall(市民会館おおみや)
1月13日(月・祝)長岡市立劇場 大ホール
1月16日(木)穂の国とよはし芸術劇場PLAT
1月18日(土)かつしかシンフォニーヒルズ
1月19日(日)厚木市文化会館
出演:No Name Horses
ピアノ:小曽根真(Piano)
トランペット:エリック・ミヤシロ/奥村晶/松井秀太郎/岡崎好朗
トロンボーン:中川英二郎/マーシャル・ジルクス/山城純子(Bass)
サックス:岡崎正典(Alto)/池田篤(Alto)/三木俊雄(Tenor)/陸悠(Tenor)/岩持芳宏(Baritone)
ベース:小川晋平/ドラムス:高橋信之介
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発売元:ユニバーサル ミュージック
発売日:2024年11月20日(水)
料金(税込):3,520円
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日時:2025年2月8日(土)14:00開演
会場:さいたま市文化センター 大ホール
出演:指揮:角田鋼亮
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ソリスト:小曽根真
ベース:小川晋平、ドラムス:きたいくにと
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文/ 早田和音
photo/ 鈴木陽介
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