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新生CASIOPEAがキックオフ!ニュートラルに楽しめるアルバム『TRUE BLUE』リリース

新生CASIOPEAがキックオフ!ニュートラルに楽しめるアルバム『TRUE BLUE』リリース

CASIOPEAが第5期のスタートを切った。新キーボーディストに安部潤を迎え、バンド名は20年ぶりにオリジナル表記のCASIOPEAが復活。8月27日にリリースされたその第1弾となるアルバム『TRUE BLUE』は、新生CASIOPEAの魅力が炸裂する作品に仕上がっている。

新メンバーの参加でサウンドカラーが大きく変化

新メンバーの安部は演奏家のほか、作編曲家、サウンドプロデューサーとしても多くのヒット作に携わってきた経歴の持ち主だ。CASIOPEAのメンバーとはかねてから親交があり、共演も重ねている。しかし、サポートではなく正式メンバーとしてオファーされた際には驚いたという。

「10代の頃から憧れていて影響を受けてきたバンドです。とても光栄なことだと思ってすぐに引き受けました」

2025年5月には、新生CASIOPEAのお披露目を兼ねた「NEW MEMBER’s GIG 2025」ビルボードライブツアーを大阪、東京、横浜の3都市で完遂。ファンのみならず、音楽業界からも注目を集めた。

ところで、安部の加入はCASIOPEAにどのような変化をもたらしたのだろうか。

「初期のCASIOPEAを思い出すようなサウンドになりました。しかも、それを新しい形でできたという感覚があります。懐かしい雰囲気と新しいものが混在できたことはとても面白いと思っています」

現在、唯一のオリジナルメンバーとしてバンドを牽引する野呂一生(ギター)は、そう感じている。

第4期となるCASIOPEA-P4の新メンバーとして参加し、新たな風を吹き込んだ今井義頼(ドラム)の感想は、ひと言でいうならば“しっくりくる”。ビルボードライブでは、一瞬で溶け合う感覚があったという。

「オルガン主体でサウンドをつくられていた大髙さん(前キーボーディスト)に対し、安部さんはピアノやエレクトリックピアノなどシンセ中心の音づくり。バンドのバランスは大きく変わったものの、安部さんの優れたバランス感覚ですぐに馴染みました。以前はリズムを引っ張り合いながら練り出すグルーヴを感じていましたが、今はパズルがすっと合うような心地よさがあります」

「オルガン特有の歪みが抜けて、つるっとしたサウンドになったというか、クリアになったというか。新鮮でしたね」と語るのは鳴瀬喜博(ベース)。そして、当の安部はともかく緊張していたという。

「ライブの準備をしているときに、大失敗する悪夢を見たほどです(笑)。でも、リハの現場はアットホームな雰囲気ですぐに馴染めましたし、本番でのお客さんの反応も良くうれしかったです」

それぞれが新生CASIOPEAとして大きな手応えを感じているようだ。

取材中の写真

左:新メンバーの安部潤(キーボード)、右:野呂一生(ギター)

技術を誇示するのではなくニュートラルに楽しめるサウンドを

“続”や“続続”ではなく、心機一転の思いを込めて復活させたオリジナル表記の“CASIOPEA”。そのファーストアルバム『TRUE BLUE』には、全新曲の10曲が収録されている。

「安部くんが参加してくれることが決まってから次はどんなアルバムにしようか考えたとき、ふと“青空”が浮かんできたんですよね。彼は、晴れ男ですから(笑)。ジャケットも含めて、とにかく明るいアルバムにしたいと思いました」(野呂)

そして生まれたタイトルが『TRUE BLUE』。空の青さを表現したいと、野呂は7曲を書き下ろした。1曲目の『SKY SO HIGH』は、アルバムのテーマソングといえる一曲。どこまでも清々しいサウンドが、心地よく響く。

自作の7曲すべてが推し曲だという。そのなかでいちばん制作に苦労したと話すのが『NEW DIRECTIONS』だ。当初はもっとスローなバラード調の曲だったが、制作を進めるうちに想像とは異なる展開になり、レコーディング当日にテンポを速めたり、ギターの音色を歪ませたり。試行錯誤して現在の形が完成したという。

ほかの3人のメンバーによる楽曲も、それぞれ個性的でカラフルだ。

「ベースのメロディが出てきて、それを追求しているなかでできあがった」という鳴瀬が作曲した『TIME FLIES BY』は、繰り返されるベースのフレーズが印象的で心に刺さる。

今井は『TRUE BLUE』という言葉から、空ではなく海をイメージ。大航海時代に使われた帆船である『CARAVEL』をタイトルに冠し、ギターのメロディが爽やかな曲に仕上げた。

「CASIOPEAらしい曲をつくってみようと思ったのと、あとはリズムが際立ったりスリリングな展開をしたり、聴いていて面白い曲にしようと考えて作曲しました」と話すのは安部。『EAGLE FLY AROUND』というタイトルは後付けだそうだが、その展開は自在に飛び回る鷹の目線を思わせる。

アルバムを締めくくるのは、フレットレスギターを使った心に染み入るバラード『DEDICATION』(野呂)だ。

「最近はストリーミングなどで1曲ずつ聴く人も多いかもしれませんが、曲順もストーリー性が感じられるよう構成したので、できればアルバムを丸ごと、曲順のまま聴いてほしいです」(野呂)

メンバー全員の卓越したパフォーマンスは言わずもがな。しかし、“どうだ!”と聴き手を驚かせ、唸らせるサウンドではなく、ニュートラルに楽しめたら最高──。現在のそんな思いは、ニューアルバムからもひしひしと伝わってくる。

「今、ニューヨークでCASIOPEAのアナログレコードが人気だそうです。さらに、世界中の方に新しいCASIOPEAを見せていきたいです」(安部)

決して同じ場所にはとどまらないCASIOPEAは、いつも音楽ファンをワクワクさせる。

取材中の写真

左:今井義頼(ドラム)、右:鳴瀬喜博(ベース)

■アルバム『TRUE BLUE』


発売元:HATS UNLIMITED
発売日:2025年8月27日(水)
価格:3,500円(税込)
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photo/ 阿部雄介

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