われら音遊人:みんなの灯をひとつに集め、大きく照らす

  • ALL
  • ニュース
  • レビュー
  • レッスン
  • プレイ
  • 楽器・オーディオ
  • アーティスト
  • 会員限定企画
われら音遊人
われら音遊人:みんなの灯をひとつに集め、大きく照らす

聴いても、演奏しても楽しい曲を

「次は『Go on!!』。オリジナルでちょっと激しい曲です」。MCのあとにドラムが響き、キーボードとギターがかぶせるように入る。
本番のライブさながらに練習しているのは、「灯ーONE Light(以下、ワンライト)」の6人。30代から60代までと、幅広い世代からなる。
2015年の結成以来、茨城県を中心に活動。3か月に一度のペースでライブを開催し、この日もそのためのリハーサルを行っていた。

ワンライトはロックバンドを標榜しつつも演奏ジャンルは幅広く、洋楽カバーからポップス、アニメソング、そしてオリジナルと多種多様。
これは、6人の音楽傾向の違いからきている。リーダーでベースを担当する稲田裕司さんとドラムの齋藤安司さん、ギターの野呂康弘さんは洋楽ロック派。キーボードの本田恵美さんはジャパニーズハードロックファン、ギターの鹿久保明倫さんはメタル、ボーカルの松本あかりさんは、アニソンが好き。
そこで、メンバーがそれぞれ演奏したい曲を持ち寄って、セットリストを決めているのだ。
選択のポイントは、「メンバーが演奏したくて、かつ、お客さんが楽しんでくれる曲」(稲田さん)。なるべく多くの人が知っている曲を中心にしつつ、ちょっとマニアックな曲をはさみ、オリジナルのバンドテーマソングで盛り上げる。ボーカルが曲によって臨機応変に交替するのも特徴だ。

(写真左)作曲やアレンジでバンドを支える本田さん(左)と齋藤さん(右)。本田さんはエレクトーン講師の資格を保有。愛用の「STAGEA D-DECK」は、カラーを赤にカスタマイズ。ライブ会場で「珍しい」と注目されることもあるそう。(写真右)リーダーの稲田さんはバンド歴20年以上。それだけに顔も広い。

異なる個性がひとつの音に

曲の好み同様、キャラクターもそれぞれに違う。音楽面でメンバーを引っ張るのは本田さんと齋藤さん。
「自分のことは棚に上げつつ、音にダメ出しをするのは私。齋藤さんも多いかな」と本田さんが言えば、「いやいや、勉強になるんですよ」と、最年長者である野呂さんはダメ出しを歓迎し、穏やかに笑う。鹿久保さんは、厳しい指摘にもシュンとすることなく、みんなを和ませているという。
「個性はバラバラなんだけど、バンドとしては今、いちばんいい感じになってきたよね」と、稲田さんは結成4年を振り返って言う。
4年前、同じバンドで演奏していた稲田さんと松本さんが、新バンドを立ち上げようとメンバーを集め、ワンライトを結成した。
「齋藤さんとは昔、一緒にバンドをやっていて、野呂さんとはライブでよく会っていた。鹿久保くんは以前のバンドのライブに来てくれて、それで声をかけました」(稲田さん)

本田さんと松本さんは、子ども同士が同級生という〝ママ友〞つながり。エレクトーン講師になるという夢を抱いていた本田さんと、同じように夢に向かって頑張っていた松本さんが、お互いに共感して距離が縮まった。松本さんの夢とは……。
「歌手になりたいと思っていたのですが、出産後は育児に専念。でも、歌いたい気持ちはずっとあって」稲田さんと松本さんの出会いも、松本さんの「歌手になりたい」という夢が出発点となっている。松本さんが動画サイトにアップした歌声を聴いて、「一緒にやらないか」と稲田さんが声をかけたのだ。
バンド名は、ボーカルの松本さんの名前から「あかり」が候補となり、漢字一文字の「灯」となった。その読みを改めて検討していくなかで、野呂さんの「ワンライトは?」というひと声で決まった。
みんなの個性を集めて、大きく照らす灯。そういう意味を込めている。

(写真左)聖飢魔Ⅱファンの鹿久保さん(左)は、ハイトーンボイスの持ち主。作曲も担う野呂さん(右)は長年のエリック・クラプトンファン。(写真右)作詞も担当する松本さんは、かつて子育てをしながらボーカルを習うも、父親に反対され断念。でも、今はその父親がいちばんのファンとして応援してくれている。

メンバーは会社員にパートタイマー、運送業、病院勤務の臨床工学技士と、職種はさまざま。居住地も、千葉県に埼玉県、茨城県とバラバラ。
仕事も住まいも、音楽の趣味さえも違うメンバーが、縁あってバンドを組み一緒に演奏する。
「違うからこそ、いいんだよね。それに、べたべたしていない距離感もちょうどいい。仕事も一緒だと、つい仕事の話になっちゃうこともある。でも、このメンバーだと純粋に音楽活動を楽しめる」(齋藤さん)
実は齋藤さんは、闘病で半年ほどバンドから離れていた時期がある。その間は、ほかのメンバーが代わりにドラムを担当した。
「その時の映像を見たのですが、ひどい演奏でねぇ。それでも頑張っている5人を見て、『早くみんなの元に戻りたい』って思いましたよ」と齋藤さん。「復帰をひたすら待ってました。だって、このメンバーで音を作っていくのが楽しいんだから」と本田さんが言えば、「そうよ、メンバーを信頼しているからこそ、楽しく歌える。このバンドは私にとって家族みたいなもの」と松本さんが続く。
音を通して気持ちをつなげてきた仲間。その存在は、この4年間で計り知れないほど大きなものになっている。

結成4年目を新たな挑戦の年に

バンドを結成して4年目。その活動の場が広がろうとしている。
「去年、全員でワンライトの方向性を話し合ったんです。『知らないところに出てみよう』とか、『いや、まだまだ』など、さまざまな意見が出るなかで、やっぱり今後はいろんなことにチャレンジしていこうとなりました」(本田さん)
2019年の夏は、ライブハウスでのアーティストのオープニングアクトや、本田さんが実行委員を務める千葉県野田市の花火大会での音楽ステージ、鹿久保さんの地元、茨城県境町のイベント出演が決まっている。今後はさらなるチャレンジとして、メンバーの住む地域だけでなく、縁のないエリアへの進出も画策中だ。

オリジナルの曲も増え、今年はアルバムづくりも目標のひとつ。ライブで楽しんでもらうのはもちろんのこと、自分たちのメッセージを多くの人に届けたい。みんなを明るく照らす〝灯〞を目指して、日々前進だ。

ライブでは、踊ったり、ときには仮装もしたりして、お客さんと一緒に楽しむことを心がけている。(写真提供:本田恵美さん)

バンド紹介

灯(あかり)ーONE Light
●結成時期:2015年12月
●モットー:大人から子どもまでみんなを笑顔に
●練習頻度:不定期
●平均年齢:46歳
●メンバー:稲田裕司/Demon Yuji(リーダー/ベース)、松本あかり/Light AKAR(ボーカル)、野呂康弘/Eric Noro(ギター)、鹿久保明倫/バンビ(ギター)、本田恵美/EMI(キーボード)、齋藤安司/zizi(ドラム)
●今後の目標:オリジナルアルバムを作る。そして、地元以外に活動の場所を広げていく。

■仕事を持ちながら音楽を楽しむ「われら音遊人」大募集!

音楽情報誌「音遊人」とWebマガジン「Web音遊人」にご登場いただける、仕事をしながら活動を続けているアマチュアバンドや楽団を募集しています。ジャンルは問いません。ぜひ、取材にご協力ください。
詳細はこちら

 

ヤマハ 音遊人(みゅーじん)Facebook
Web音遊人の更新情報などをお知らせします。ぜひ「いいね!」をお願いします!
ヤマハ 音遊人(みゅーじん)Facebook

文/ 佐藤雅子
photo/ 久保寺誠