今月の音遊人
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ハイエンドAVの世界を体験!シネマDSPや音場補正の真の実力はスゴイのひと言
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2016.4.5
AVアンプの最上位モデルである、AVプリアンプのCX-A5100を中心としたシステムで、ハイエンドAVシアターの世界を体験してきました。
AVプリアンプとは、AVアンプの中にある入力の切り替えや音量調整、DSPによる信号処理などを行う部分を独立させたもの。MX-A5000のようなAVパワーアンプと組み合わせて使います。AVアンプをセパレート化することでそれぞれが最適に設計でき、互いのノイズの影響も減るなど、音質的なメリットが大きいのです。また、新しい映像フォーマットや音声フォーマットが登場しても、AVプリアンプだけを更新すれば新機能に対応できるので、コスト面を考えても、数々のメリットがあります。
CX-A5100は、Dolby Atmos®はもちろん、DTS:Xにも対応*するなど、最新の機能を備えたモデル。信号処理の能力を大幅に向上させ、自動音場補正機能YPAOを64bit処理に高精度化。演算精度を高めることで音質の劣化を抑えています。圧縮音源を高音質化するエンハンサーは32bit。デジタル信号に悪影響を及ぼすジッターを低減するウルトラロージッターPLL回路を搭載するなど、デジタル信号処理全般を大幅に高性能化していることも特長です。
*ファームウェア更新により対応
さっそく、ステレオ音声で音楽を聴いてみました。自動音場補正などの信号処理なしのダイレクト再生に比べ、自動音場補正を加えた方が音が伸びやかで、ボーカルの音像が立体的に浮かび上がるなど、より瑞々しい印象になりました。自動音場補正を高精度化したことで、音質的な劣化がまるで感じられないのには驚きました。また、CDもエンハンサーのハイレゾモードで聴くと、空間の広がりや音の粒立ちが良くなったように聴こえます。聴感上の音質劣化がなくなったことで、信号処理による高音質の効果がはっきりとわかるようになったわけです。信号処理なしでは室内の反響などの影響で低音が不足しがちに感じたり、空間の広がりが狭くなったように感じたりするものですが、この効果には驚きです。
つづいて、DTS社のデモディスクより、DTS:X音声のサラウンド再生を聴いてみました。空間の再現性は見事なもので、密林の中で、周囲を飛ぶハエの動きが明瞭に再現されました。ハエが微妙に高さを変えながらゆっくりと周囲を動くのがわかるのです。こうした再現はDTS:XやDolby Atmos®などの新しいサラウンドの大きな特長で、部屋の中にあるスピーカーが鳴っているのではなく、部屋中から音が出ているようなシームレスな空間が体感できます。
さらに、情報処理能力の高いCX-A5100ならではの機能であるDolby Atmos®+シネマDSP HD³の組み合わせ再生にも挑戦。部屋の広さが一回り大きくなったように感じるほど、ジャングルの広さと奥行きが増しました。また、鬱蒼とした木々の高さがわかるような空気が感じられるのも見事なもの。CX-A5100のサラウンド音場は従来のAVアンプよりも明らかにワンランク上で、広大でありながら実にきめ細やかな空間が感じられます。まさに視聴室が別世界になるような感覚です。これはまさに「スゴイ!」のひと言。
最新のハイエンドAVアンプの実力の高さは見事なもので、今までとは次元の違うサラウンド感が味わえます。音楽再生も部屋の音響特性による弊害を改善することで、更に品位の高いものになるので、音楽をメインで楽しんでいる人にもおすすめしたくなるほどです。
DSPを使ったデジタル信号処理というと、音質的なダメージを気にする人は少なくないと思いますが、ついにそんな心配をする必要はなくなりました。音質にこだわる人ならばぜひとも体験してみることをおすすめします。
音質と臨場感をさらに進化させたDolby Atmos®&DTS:X対応フラッグシップAVプリアンプ