今月の音遊人
今月の音遊人:上原ひろみさん「初めてスイングを聴いたときは、音と一緒に心も躍るような感覚でした」
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マウスピースの抵抗?音切れ?まだまだ知りたいことが出てくる、そこが面白い
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2016.6.29
tagged: 大人の音楽レッスン, サクソフォン, ヤマハ, レッスン, パイドパイパー・ダイアリー
サクソフォンの演奏は意外に簡単だということは前にも書いただろうか。運指は小学校のころ習った縦笛とほぼ同じだ。ただし、マウスピースというリコーダーにはないものがついている。
これが、なかなか思い通りにはいかないという意味で手ごわい。
そもそもマウスピースといっても、マウスピース本体と葦の茎を乾燥させて薄くスライスしたリードと、その2つを固定するリガチャーと呼ばれる留め具の3点からなっている。
この3点、それぞれに色々な種類があるから、やっかいだ。まずマウスピース本体には、先端に息を吹き込む隙間(これをティップオープニングという)があり、同じメーカーのマウスピースでも、その隙間の開き方にいくつかの種類がある。僕が使用しているマウスピースのカタログの解説によると、開き加減により5種類が用意され、狭いと安定し、音がクリアになると書かれている。広いと抵抗は増すが、音量が豊かになるという。
また、フェイシングという、マウスピース本体の先端からとリードが接着するまでの部分で、それが長いとレガートがかかりやすい太い音になり、短いと音切れがいい明快なサウンドが得られるとなっている。
以上はカタログからの受け売りだ。なるほど、それでは、と思っても、そもそもまだまだ初級者であり、抵抗とは何だろう、音切れとはなんだ、などと考えてしまう。
ちなみにレッスンを始めてかれこれ10年にはなるのだが、いまだに何をもって抵抗といい、音切れというか、わかっていない。もしかしたら上級者にならないとわからないことなのかもしれない。
いずれにしても、まだまだ、いくらでも知りたいことが出てくるのだ。そこが面白い。ともかく、順列組み合わせで考えても天文学的な数があると言っていいだろう。
僕は、マウスピースとしては購入時の付属品を使っているのだが、大変、性能がいいようだ。型番は4CM。
市販の参考書などでは1箱10枚セットで売られているリードのうち、使えるのは3枚程度、と書かれている。これは自分が音を出しやすいリードが3割程度、という意味らしい。
だが、このマウスピースではいつも10枚中8枚くらいが問題なく使用できている。これはすごいことだと思う。
近々、仕事でニュージーランドへ行くことになりました。クジラの取材で、船に乗って海の王者を見にいくのだとか。あちらは冬らしいので、海の上はけっこうな寒さだろうなと思っても、いったい何を着ていけばよいのだろう。
そんなわが身の心配をしていたら、取材スタッフからやっかいな提案がありました。あるCMで、有名な演奏家がサクソフォンを吹き、歌うクジラとセッションしている映像を見つけだし、せっかくだから山口さんもチャレンジしてください、などと言う。冗談かと思っていたら、どうも本気らしい。冬の海に向かって演奏するなんて、そんなことはできないと断ったのですが、諦めてくれません。もうすぐ出発だというのに、さて、どうなることやら。
作家。映画評論家。1950年生まれ。桐朋学園芸術科演劇コース卒業。劇団の舞台演出を経て、小説、エッセイなどの文筆の分野へ。主な著書に『正太郎の粋 瞳の洒脱』『ぼくの父はこうして死んだ』『江分利満家の崩壊』など。2006年からヤマハ大人の音楽レッスンに通いはじめ、アルトサクソフォンのレッスンに励んでいる。
文/ 山口正介
photo/ 長坂芳樹
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