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今月の音遊人: 上野耕平さん「アクセルを踏み続けることが“音で遊ぶ”へとつながる」
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装いも新たに!フルート入門者のための新スタンダードシリーズが登場
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2016.9.14
tagged: フルート, YFE-211, YFE-212, ピントップアーム, スタンダードシリーズ
これからフルートを始めたい入門者の定番として、国内外に広く知られるヤマハのスタンダードシリーズ。なかでも1979年に誕生した「YFL-211」は、改良を加えながら進化を遂げてきましたが、2016年8月に15年ぶりにモデルチェンジを実施し、名称も「YFL-212」と変わりました。
「YFL-212」に生まれ変わるにあたりどこがどう変わったのか、楽器・音響開発本部 楽器開発統括部の福家(ふけ)真史さんにお話を伺いました。
まず大きく変わったのは、ピントップアームを配した高級感のある外観。ピントップアームとは、トーンホールを開閉するパッドカップを支えるアームがカップの中心まできている仕様で、一般的に上位モデルに使われるものですが、今回スタンダードモデルに初めて採用されました。
「私は中学のときにフルートを始めたのですが、ピントップアームの楽器に強い憧れを持っていました。そんな実体験もあり、入門モデルでも上位モデルと同じ外観の楽器を手にできたら、奏者の気分もモチベーションも上がるだろうと考えました」
なおピントップアームは、いかにシャープにとがらせるかが製作者のこだわりなのだとか。よく見ると、アームの身幅の中央が山型にとがっているのがわかります。
「さらにアームとのメリハリをつけるため、パッドカップの形状に以前より丸みを持たせました。これには入門者が正しい指のポジションを取りやすくする目的もあり、指の感触でパッドカップのセンターをとらえやすくなりました」
今回のモデルチェンジで変わったのは外観だけではありません。楽器をより長く快適に使えるよう、品質・信頼性を向上させたのも大きなポイントです。
「管体の大まかな形状や長さは変わっていませんが、ピントップアームやパッドカップ以外にもほとんどの部品の設計を一からやり直し、製造にも新しい技術を導入しました。15年前は手書きしていた設計図を最新の3D技術を使って3次元的に検証しながら、製造や組み立ての工程で数えきれないほどのトライ&エラーを繰り返すことで、より精度の高い楽器に仕上がりました」
加えてフルートは、管体やパーツの材質によって音色や響きが変わるのが特徴です。スタンダードシリーズには400/300/200の3つのグレードがあり、グレードによって材質が異なりますが、シリーズの基本である「YFL-212」には入門者でも音が出しやすい白銅を採用。価格も79,000円(税抜)と手の届きやすい設定です。
「今回の新たな試みとしては、『YFL-212』のバリエーションのひとつとして、プラス6,000円でリッププレートとリップライザー(リッププレートと頭部管をつなぐ部分)を銀製にしたモデルを加えました。リップライザーを銀製にするだけで響きや音のツヤが変わってきますので、『予算は限られるけれど、少しでもいい音色を鳴らしたい』というニーズに応えられるのではないかと考えています」
はじめてフルートに触れる入門者が吹きやすく、扱いやすい性能と、持つだけで心が高鳴るデザイン性をあわせ持つ新スタンダードシリーズ。ヤマハ フルートの歴史に新たな1ページが加わりました。
長きに渡り愛され続けてきたフルートスタンダードシリーズが15年ぶりにモデルチェンジ。ピントップアームを採用するなど、高級感あふれる仕様にイメージを一新。
文/ 武田京子
tagged: フルート, YFE-211, YFE-212, ピントップアーム, スタンダードシリーズ
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