今月の音遊人
今月の音遊人:亀田誠治さん「音楽は『人と人をつなぐ魔法』。いまこそ、その力が発揮されるべきだと思います」
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古典派からロマン派までオリジナル楽器の響きが蘇る珠玉のアンサンブル/鈴木秀美&小倉貴久子インタビュー
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2014.12.12
去年の夏、ヤマハ創業125周年を記念して開催された『むかしむかしの素敵なピアノ~19世紀に咲いた華~』展。これにちなんでヤマハホールで披露されたのが、フォルテピアノの第一人者・小倉貴久子のコンサートだ。アコースティック楽器の音響に定評のあるヤマハホールで、初めて演奏されたフォルテピアノは、期待していた以上に美しい響きをもたらし、聴衆を魅了した。
今回は、古典派のチェロ奏者としても名高い鈴木秀美と共に、古典派からロマン派にかけての、ウィーン半世紀の響きを再現しようという試みである。
「フォルテピアノはそもそも現代のような大きなホールではなく、プライベート空間で演奏されていたもの。ここのホールはその雰囲気を崩さずにサロンのようなスタンスで演奏することができます」(小倉)。ホールに木が多く使われているから、木で作られている楽器と相性がいいのだともいう。弾いていると本人も心地よい音色に包まれ、温かみを味わいながら、リッチな響きを醸し出すことができるそうだ。
ピアノとチェロの関係については、「ピアノとチェロの二重奏ソナタは、本来は両方が対等な位置にあるものとして作曲されています」(鈴木)。現代のピアノとの合奏ではピアノの音に負けないように弾くのが、チェロ奏者にとって苦労するところなのだが、この時代のピアノだと互いに気遣うことなく演奏できるのだという。「今のピアノでチェロとアンサンブルする時は、音量をセーブして弾かないといけないんです。ところが本来の楽譜はそんなエネルギー配分で書かれていないですよね」(小倉)。オリジナル楽器を使う意味はここにある。「当時の楽器を弾くと、作曲家がどんな意図で曲を作ったのかがわかります。楽譜の持つニュアンスを自然に感じとることができるのです」(鈴木)
もちろん鈴木も、昔ながらのガット弦を張った楽器を使う。「この空間で演奏することで、より当時の雰囲気を感じていただけると思います(鈴木)。
ホール自体が木製楽器のような空間で、古(いにしえ)の作曲家のメッセージをストレートに味わえるというコンサートに期待は高まる。
日時:2015年1月31日(土) 16:00開演(15:30開場)
場所:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14 ヤマハ銀座ビル7F)
料金:4,000円(税込)
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