今月の音遊人
今月の音遊人:亀井聖矢さん「音楽は感情を具現化したもの。だからこそ嘘をつけません」
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フルート演奏者に勇気を与える1冊。必要な演奏技術はすでに自分の中にある!
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2015.9.25
tagged: フルート, ヤマハミュージックメディア, 絶対!うまくなるフルート100のコツ, 細川順三
元NHK交響楽団フルート奏者、細川順三による初の著書『絶対!うまくなるフルート100のコツ』が発売された。楽器の解説から音の出し方、よい呼吸、演奏技術、表現まで、フルート全般を網羅し、その全編に「難しく思い込んでいることも、視点をわずかに変えれば簡単に解決する場合も多い」(「はじめに」より)というメッセージを込めた。かつて奏法に関するさまざまな情報に納得できなかった時期があったという著者。しかし、うまくいった演奏で自分はどう吹いているかを客観的に観察し「自分はこの吹き方でいい」と気づいた。
「その頃、『必要な演奏技術はすべて演奏者自身の中にある』というアレクサンダーテクニークの考え方に出会い、とても共感しました。音楽的な技術を学ぶ際、外から技術をもってきて取り入れるのではなく、自分をよく観察して、自分の中にある技術を見つけるという考え方です。人間の身体にもともと備わっている素晴らしい機能を充分に働かせると、必要な技術は湧いてくるという発想ですね」
自身の経験から発せられるひとつひとつの言葉には説得力がある。そのひとつが呼吸法だ。
「息を吐いていくと、自分の意志には関係なく身体に緊張が始まります。そしてうまく楽器を鳴らせたときに、結果としてお腹が固くなっていると気づきます。はじめにお腹を固くしておくのではなく、うまくいったときに固くなる、ということです。意識的に『する』ではなく自動的に『なる』ことですね。ですから、まずまっすぐに音を吹いて、自分の音を聴きながら、うまくいっていると感じたときに自分の身体がどういう状態になっているかを観察することから始めるといいでしょう」
プロもアマチュアも、多くの人が「ある特定の演奏法のようなものにこだわり、縛られ、苦しんでいるのではないか」と語る。
「もっと音楽そのものに意識を向けていったほうが楽しいし、こう表現したいというものがあれば、そこにつられて自分に合う奏法ができてくるのだと思います」
大学時代にたくさんの音楽を聴き、本を読み、それこそ手当たりしだいに興味のあるものと触れ合った経験も、音楽に意識を向け、自分の中にある技術を発見する原動力となったのかもしれない。
演奏家として遭遇した楽しいエピソードも交え、一歩踏み込んだ独自の切り口で、フルートを演奏するすべての人に勇気を与える一冊だ。
『絶対!うまくなるフルート100のコツ』
著者:細川順三
発売元:ヤマハミュージックメディア
発売日:2015年2月23日
価格:1,800円(税抜)
詳細、ご購入はヤマハミュージックメディアの本書のページをご覧ください。
文/ 芹澤一美
photo/ 柏弘一郎
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