今月の音遊人
今月の音遊人:小曽根真さん「音楽は世界共通語。生きる喜びを人とシェアできるのが音楽の素晴らしさ」
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大人の音楽レッスン、わたし、これでも10年つづけています!
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2015.10.22
早いもので、もう10年近くになるだろうか。
俗に言う、下手の横好きではじめてしまったアルト・サクソフォンのレッスン。
最初の動機はちょっと変わっている。何か楽器をやっていると、音楽の鑑賞能力が高まるというのだ。なるほど、もっともなことだと思う。僕の場合は、プロの演奏がどんなにすごいものであるか、そのレベルがどんなものか、ある程度、楽器演奏を習得すると、より理解できるようになったと思う。
また、オーディオを趣味とするならば、一つぐらい楽器の演奏ができたほうがいい、とどこかの雑誌に書かれていた。オーディオの音と、実物の楽器の音の差を知らなければ、スピーカーなどのセッティングができないだろうというのだ。
そんなことで20代から、たまに下手くそなギターを弾いたりしていた。なるほど、生音とオーディオの音はずいぶん違うのだった。
そんなことなのだが、生まれてこのかた、意識的にきちんとした音楽教育を受けてこなかった。小学校、中学校と音楽の授業はあったはずなのに、何も分からないままに時間が過ぎてしまった。高校は美術を選択した。僕の経歴の中に、桐朋学園芸術科演劇コース卒と書かれていると思う。演劇の基本を教える学校なのだが、なんと声楽の授業は隣の校舎で、音楽学部の教授に指導を受けるのだった。これはこれでレベルが高すぎて落ちこぼれであった。今にして思えば、最高の環境に恵まれ、もう少し真面目にやっておけばよかったものの、惜しいことをしたと悔やまれる。
そんなこんなの音楽歴なのだが、あるとき、ヤマハの大人のための音楽教室というものがあることを知るのだった。まったく素養がないシニアでも、一から楽器演奏を教えてもらえるらしい。このヤマハの音楽教室で音楽なり楽器なりと、基礎から向き合ってみようと思い立ったのが2006年初頭のことだった。かれこれ10年余り前のことになる。
数ある楽器の中で、高齢の初心者でも比較的とっつきやすいのはサクソフォンであるという。指遣いは子供の頃にやったリコーダーに近く、音も意外に出しやすいのだとか。
そこで選んだのがアルト・サクソフォンで、まずは無料体験レッスンなるものを受講したのだった。時あたかも2006年3月17日。
これほど続くとは思わなかったサクソフォン・レッスンの第1回目がこの日だった。
このあいだ、ヤマハホールで行われた管楽器合同クラスコンサートに、アルト・サクソフォンで参加。これまでも発表会には何人かで参加したことはありましたが、今回は初めての単独ライブ(少々大げさですが)。あの銀座のステージで『オルフェの唄』を演奏してしまいました。無謀と思いつつの独り舞台でしたが、もうたまりませんね。
山口正介〔やまぐち・しょうすけ〕
作家。映画評論家。1950年生まれ。桐朋学園芸術科演劇コース卒業。劇団の舞台演出を経て、小説、エッセイなどの文筆の分野へ。主な著書に『正太郎の粋 瞳の洒脱』『ぼくの父はこうして死んだ』『江分利満家の崩壊』などがある。
文/ 山口正介
tagged: 大人の音楽レッスン, サクソフォン, ヤマハ, 山口正介, レッスン, パイドパイパー・ダイアリー
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