今月の音遊人
今月の音遊人:神保彰さん「音楽によって、人生に大きな広がりを獲得できたと思います」
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1950年代後半に一大ブームを引き起こした、日本のロカビリーとウエスタンカーニバルに肉薄
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2016.4.11
tagged: 佐野史郎, ヤマハ銀座, 音座銀座, トークショー, On The Ginza Za, リトル・エルヴィス・リュウタ, ロカビリー, ウエスタンカーニバル
俳優の佐野史郎がホストとなって「大人の音楽の愉しみ方」を発見する人気のトークショー『音座銀座(On The Gin Za)』。第9回のテーマは、佐野さんとは縁が遠そうに思える「日本のロカビリーとウエスタンカーニバル」だった。「あまり得てではない音楽ジャンルなんですが、改めて魅力を発見したい」と控えめに語りつつ、セレクトしてきた曲は57曲。そしてリーゼントスタイルと色鮮やかなロカビリーファッションに身を包んで、颯爽と登場したのは今回のゲスト、ミュージシャン&ロカビリー雑誌編集長のリトル・エルヴィス・リュウタさんである。ロカビリーを理解してもらおうとリュウタさんがリストアップしてきた曲は、佐野さんに負けず劣らずの50曲。さらに参考写真まであるという準備万端、ワクワク感満載の用意周到さである。会場にはポニーテールの女性や、革ジャン姿の男性など、ロカビリースタイルの観客も目立ち、のっけからヒートアップしそうな雰囲気の中でスタートした。
1958年に、日本劇場(東京・有楽町)で開催された音楽フェスティバル「日劇ウエスタンカーニバル」によって、ロカビリーブームが社会現象になった。「そもそもなぜロカビリーという呼び方が日本で広まったのかがナゾ」とリュウタさんが投げかける。当時アメリカで活躍していたスターに聞いても、「自分たちがやっていた音楽はロックンロールだ」と語るのだという。では、なぜ?当時を振り返るために、プレスリーのデビュー曲『ハートブレイク・ホテル』、その半年後に出た小坂一也の日本語盤、平尾昌晃の『監獄ロック』などを聴いていくが、結論はでないまま。
第1回日劇ウエスタンカーニバルを仕掛けたのは、渡辺プロダクションを起こした渡辺晋の妻、渡邊美佐だったなど、興味深い話が続く。その頃「ロカビリー三人男」として絶大な人気を誇った、平尾昌晃、ミッキー・カーチス、山下敬二郎の曲はもちろん、ブロマイド写真も披露され、時代を感じさせる決めポーズに会場から笑いが漏れる一幕も。
それにしても日本のロカビリーは奥が深い。あの坂本九も、第1回レコード大賞に輝く『黒い花びら』の水原弘も、最初はロカビリー歌手だったという。宇宙戦艦ヤマトの主題歌で有名な佐々木功(ささきいさお)も、美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみも歌っていたロカビリー。日劇ウエスタンカーニバルでは、『ジェニ・ジェニ』『のっぽのサリー』などの人気曲は、一つのショーでかぶるようになり、『ロック夕やけ小やけ』『ロック会津磐梯山』といった、童謡や民謡のカバーが生まれたなどなど、はなしは尽きない。今回も時間オーバーの濃密な音楽夜話となった。
さて次回は2016 年5月26日(木)、日本のガールズポップをリードし続けた「三人娘」のひとり、伊東ゆかりさんをゲストにお迎えします。グループ誕生のエピソードからガールズポップの歩みまで、数々のヒット曲とともに楽しいおはなしをうかがう予定です。みなさま、乞うご期待!
トークショーの中で紹介された曲の一覧表です。こちらのPDFファイルをご覧ください。
日時:2016年5月26日(木)開場15:30/開演16:00
場所:ヤマハ銀座スタジオ(東京都中央区銀座7-9-14 B2F)
出演:ホスト・佐野史郎 ゲスト・伊東ゆかり
料金:2,500円(税込)
定員:112名・自由席※チケットに記載された整理番号順での入場。
文/ 唐沢 耕
photo/ 森島興一
tagged: 佐野史郎, ヤマハ銀座, 音座銀座, トークショー, On The Ginza Za, リトル・エルヴィス・リュウタ, ロカビリー, ウエスタンカーニバル
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