Web音遊人(みゅーじん)

今月の音遊人:真琴つばささん「音楽とは、自分の感情を目覚めさせてくれる存在」

今月の音遊人:真琴つばささん「音楽とは、自分の感情を目覚めさせてくれる存在」

宝塚歌劇団でトップスターとして活躍し、退団後はコンサートや舞台はもちろん、バラエティ番組などでもその華やかな存在感を放ち続ける真琴つばささん。2025年に芸能生活40周年を迎えた真琴さんに音楽やステージに対するお気持ちをうかがいました。

Q1.これまでの人生の中で一番多く聴いた曲は何ですか?

パトリシア・カースさんが好きで、かなり聴き込みました。同じ曲でもライブによって印象が異なるので、その聴き比べをしたりして。初めて世の中に出したものがその曲の基本だとは思いますが、アレンジなどもどんどん変わっていきますからね。ライブで歌うことで、お客様によって曲自体が育てられていくんだなと実感しました。

中でもいちばん聴いたのは『マドモアゼル・シャントゥ・ブルース』です。初めて聴いたのはもう20年以上前のことで、「強い女性」という当時の自分の雰囲気にとても合っているように感じて何度も聴きました。後になって気づいたんですが、実は宝塚のショーに『マドモアゼル・シャントゥ・ブルース』が使われていたんです。私はその場面には出演していないのですが、いつの間にか耳と心に残っていたんだなと。他にも素敵な曲がたくさんあって、日本語の歌詞をつけていただいて、自分のコンサートで歌わせてもらったこともあります。

Q2.真琴つばささんにとって「音」や「音楽」とは?

感情を目覚めさせてくれる存在です。本来の私は感情の起伏が少ないタイプなんですが、そんな自分に刺激をくれるものですね。私の音楽の原点は、生まれ育った品川に伝わる「品川拍子」というお囃子なんです。太鼓と笛というシンプルな構成で風と波を表しているようで、今でもそのお囃子を耳にすると熱いものが湧き出てくるというか、感情を揺さぶられます。

「音楽の教科書」という意味ではやはり宝塚のショーの曲です。ジャズやシャンソンなどさまざまな曲を学びました。今の私をつくってくれた基礎になっていると思います。

真琴つばささんライブ写真

Q3.「音で遊ぶ人」と聞いてどんな人を想像しますか?

「時代の波に乗れる人」というイメージかな。生きていくうえで「受け入れること」「受け身であること」ってすごく大切だと思うんです。私自身は受け身がとっても下手なので、さらにそう感じるのかもしれませんが、その時、その時代の波や流れに軽やかに乗れる柔軟性をもっているというのでしょうか。たおやかな五線譜のうえを自由自在に動ける人が思い浮かびますね。私もそうありたいと思っています。

Q4.楽器や音楽をやっていてよかったことは何ですか?

すべてにおいて思います。私はステージというものが本当に好きなんです。最近になって聞いた話なのですが、私が初めて人前で拍手をもらったのは、2歳半くらいの頃だったようです。親戚と行った、今はなき銀座・阪急百貨店の屋上ビアガーデンで、バンドマンが演奏を終えるとステージに飛び入りして歌い踊ったのだとか。私自身はまったく覚えていないのですが、そのステージから見える景色はどんなものだったんだろうと想像したり。

きっと、幼い頃から、音楽や舞台が好きだったのだと思います。そこから宝塚へと進んで、ステージで表現する道を選んだ。そこには必ず「音楽」がありました。芸能生活40周年を迎えた今、あらためて音楽に「ありがとう」と言いたいです。

真琴つばさ〔まこと・つばさ〕
元宝塚月組トップスター。1985年宝塚歌劇団入団。花組に配属。「愛あれば命は永遠に」で初舞台。1997年「EL DORADO」で月組主演男役に就任。哀愁漂う二枚目男役としてファンを魅了。また、「風と共に去りぬ」のスカーレットや「ミー&マイガール」のジャッキーなど女役としても活躍。在団当時から宝塚随一のエンターテイナーといわれたが、惜しまれつつも2001年退団。ファイナル公演のパレードに集まったファンは約1万人。退団後は、舞台、テレビ、ラジオと多方面に活躍。特にバラエティ番組でのトークには定評がある。
オフィシャルサイト

YouTube公式チャンネル オフィシャルX(旧Twitter) オフィシャルInstagram
オフィシャルtiktok

facebook

twitter

特集

八神純子さん - 今月の音遊人

今月の音遊人

今月の音遊人:八神純子さん「意気込んでいる状態より、フワッと何かが浮かんだ時の方がいい曲になる」

15292views

音楽ライターの眼

【ジャズの“名盤”ってナンだ?】#026 ハード・バップのお手本を生み出したシンプルな編成と陽キャな企画~ブルー・ミッチェル『ブルーズ・ムーズ』編

4002views

トランスアコースティックピアノ™

楽器探訪 Anothertake

音量の問題を解決し、ピアノの楽しみを広げる「トランスアコースティックピアノ」

6010views

楽器のあれこれQ&A

講師がアドバイス!フルート初心者が知っておきたい5つのポイント

22082views

大人の楽器練習記:クラシック・サクソフォン界の若き偉才、上野耕平がチェロの体験レッスンに挑戦

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:クラシック・サクソフォン界の若き偉才、上野耕平がチェロの体験レッスンに挑戦

13233views

音楽文化のひとつとしてレコーディングを守りたい/レコーディングエンジニアの仕事(後編)

オトノ仕事人

音楽文化のひとつとしてレコーディングを守りたい/レコーディングエンジニアの仕事(後編)

7201views

音の粒までクリアに聴こえる音響空間で、新時代へ発信する刺激的なコンテンツを/東京芸術劇場 コンサートホール

ホール自慢を聞きましょう

音の粒までクリアに聴こえる音響空間で、刺激的なコンテンツを発信/東京芸術劇場 コンサートホール

14172views

こどもと楽しむMusicナビ

“アートなイキモノ”に触れるオーケストラ・コンサート&ワークショップ/子どもたちと芸術家の出あう街

7891views

民音音楽博物館

楽器博物館探訪

歴史的価値の高い鍵盤楽器が並ぶ「民音音楽博物館」

27486views

われら音遊人

われら音遊人:アンサンブル仲間が集う仲よしサークル

11128views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

楽器は、いつ買うのが正解なのだろうか?

9643views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

28228views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:独特の世界観を表現する姉妹のピアノ連弾ボーカルユニットKitriがフルートに挑戦!

5633views

武蔵野音楽大学楽器博物館

楽器博物館探訪

世界に一台しかない貴重なピアノを所蔵「武蔵野音楽大学楽器博物館」

25162views

音楽ライターの眼

連載39[ジャズ事始め]佐藤允彦の目から鱗を落とした東欧記者のジャズに対する見識

3567views

仁宮裕さん

オトノ仕事人

アーティストの音楽観を映像で表現するミュージックビデオを作る/映像作家の仕事

15425views

われら音遊人:1年がかりでビッグバンドを結成、河内からラテンの楽しさを発信!

われら音遊人

われら音遊人:1年がかりでビッグバンドを結成、河内からラテンの楽しさを発信!

12915views

Disklavier™ ENSPIRE(ディスクラビア エンスパイア)- Web音遊人

楽器探訪 Anothertake

限りなく高い精度で鍵盤とハンマーの動きを計測するヤマハ独自の自動演奏ピアノの技術

29003views

ホール自慢を聞きましょう

地域に愛される豊かな音楽体験の場として京葉エリアに誕生した室内楽ホール/浦安音楽ホール

13441views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

泣いているのはどっちだ!?サクソフォン、それとも自分?

6773views

引っ越しのシーズン、電子ピアノやエレクトーンの取り扱いについて

楽器のあれこれQ&A

引っ越しのシーズン、電子ピアノやエレクトーンを安心して運ぶには?

128403views

東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」

こどもと楽しむMusicナビ

子ども向けだからといって音楽に妥協は一切しません!/東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」

12470views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

35020views