今月の音遊人
今月の音遊人:上原ひろみさん「初めてスイングを聴いたときは、音と一緒に心も躍るような感覚でした」
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デビュー15周年を記念し、2018年2月3日(土)、4日(日)、スペシャルコンサートを開催するバイオリニストの奥村愛。奥村にとって初めての試みとなる2日連続コンサートは、1日目と2日目でプログラムの趣向を変え、2日目にはゲストとしてギタリストの渡辺香津美(かずみ)が登場。ジャンルの枠にとらわれず演奏活動を行ってきた奥村の、幅広い音楽性を感じるラインナップとなっている。
1日目のプログラムは、前半はバロック~古典派、後半はフランス・ロマン派のなかから奥村が“今弾きたい”楽曲で構成。トップを飾るのは、学生時代のコンクール以来本格的に取り組むという、ヨハン・セバスティアン・バッハの『パルティータ第1番 ロ短調 BWV1002』(『無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータ』の中の一曲)だ。「20代のときに弾いたバッハと、30代で弾くバッハとでは、それぞれに良い点、また課題点があると思います。『無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータ』(全6曲)はどれも素晴らしく、何度も振り返りたい作品ですから、この先も時間をかけて全曲に取り組み、40代、50代のバッハにつなげていきたいです」
ピアノに三輪郁を迎えての、フォーレの『バイオリンソナタ第一番』にも注目だ。
「この曲はこれまでに何度か演奏していますが、三輪さんとの共演は初めてです。三輪さんは表現の引き出しをたくさん持っていらっしゃるので、2人の間でどういう反応が起きるか楽しみですし、これまでとは違ったフォーレをお届けできるのではないかと、私自身ワクワクしています」
2日目は、奥村がこれまで演奏してきた近代~現代音楽のレパートリーを中心に、この日のために組まれたスペシャルストリングスと、ギタリストの渡辺香津美が加わってのポップで楽しいプログラムが披露される。
「2017年の夏、渡辺香津美さんのニューアルバム『TOKYO WANDERER』のレコーディングに参加する機会があり、今回の公演のゲストにお誘いしたところ快く引き受けてくださいました。香津美さんと同じ舞台で演奏することで、デビューから15年のなかで、クラシックだけでなく、タンゴやジャズなどにも挑戦してきた自分の音楽を、今の自分にできるベストな形で表現できたらいいなと思います」
スペシャルストリングスのメンバーは、奥村と共に渡辺香津美のレコーディングに参加した面々を中心とする9名。実は人見知りだという奥村が、心を許せるメンバーだ。
「なかには学生時代から付き合いのある仲間もいて、いろいろアドバイスをくれたり、音楽的なことを率直に言い合えたりする気の置けないメンバーです。スペシャルストリングスのメンバー全員と演奏するホルストの『セントポール組曲』では、息の合ったところをお見せできたらいいですね」
奥村愛が積み重ねてきた15年の、あらゆる側面が詰まった2DAYSコンサート。奏でられる音楽の違いはもちろん、1日目と2日目で奥村の演奏姿や表情がどう変わるか、見比べてみてはいかがだろうか。
●Day1:奥村愛ヴァイオリンリサイタル(ピアノ:三輪郁)
日時:2018年2月3日(土)17:00開演(16:30開場)
会場:浜離宮朝日ホール
料金:5,500円(税込/全席指定)
曲目:J・S・バッハ(無伴奏ヴァイオリンパルティータ第1番)ほか
●Day2:奥村愛withスペシャルストリングスfeat.渡辺香津美(ジャズギター)
日時:2018年2月4日(日)14:00開演(13:30開場)
会場:浜離宮朝日ホール
料金:6,500円(税込/全席指定)
曲目:ホルスト(セントポール組曲)、山中淳史(ジプシーメドレー)ほか