今月の音遊人
今月の音遊人:塩谷哲さん 「僕の作る音楽が“ポップ”なのは、二人の天才音楽家の影響かもしれませんね」
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ショパンの故郷、ポーランドのジャズに酔いしれる。クリヤ・マコト-シルヴェスター・オストロフスキー・クインテット
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2014.9.3
tagged: ジャズ, ショパン, ポーランド, クリヤ・マコト, シルヴェスター・オストロフスキー・クインテット, JUST MUSIC, ツアー
むかし観た、1960年代のポーランド映画で、ジャズドラマーの主人公が、夜の酒場で女性をナンパする、というのがあった。その彼は、ライブを取材しに来た女性記者からも電話番号を書いたメモをこっそり渡されたりする。モテモテなのだ。
当時、ジャズというのはアメリカの黒人音楽、くらいの認識しかなかったので、旧共産圏でもジャズが注目されていたことにビックリして、ちょっとロマンみたいなものを感じたのを思い出す。
年を経るにつれて、旧東欧を含むヨーロッパのジャズは、やはりアメリカのものとは根本的に何かが違うのでは、と思うようになった。なんというか、跳ねるようなリズムやファンキーなアンサンブルというよりも、どこか室内楽を思わせるような精緻な構成力を感じるというか。やはりヨーロッパの音楽の土台にはクラシック音楽があるのかな、と思うようになった。ホロヴィッツの弾くショパンのマズルカを聴いて、ビル・エヴァンスのルーツを感じたような気になったりもした。やっぱりロマンだ。
ポーランドはショパンの故郷であり、そのせいか音楽に対する関心が高く、毎年80を越えるジャズフェスティバルが開催されているそうだ。同国は今年民主化25周年を迎えるのだが、ワルシャワ王宮で行われるその記念式典でパフォーマンスを行うアーティストがいる。クリヤ・マコト(p)とシルヴェスター・オストロフスキー(sax)によるクインテットだ。
日本とポーランド、そしてアメリカからメンバーが集まったユニットで、昨年、首都ワルシャワにある世界遺産の都市クラクフにて初の公演を行い、大成功をおさめている。
そんな彼らが今年の春に発表したアルバム『JUST MUSIC』。アメリカ人のエシェット・オコン・エシェット(b)とニューマン・T・ベイカー(ds)によるリズム隊に、オストロフスキーとピョートル・ヴォイタシク(tp)、ふたりのポーランド人がフロントをとる。ジャズのリズムに、ブルース的なものとはちょっと違う憂いを秘めた旋律が乗る。そして、両者を調和させるクリヤのピアノ。そんな印象のアルバムだ。どこまでもジャズで、そしてロマンに溢れている。
9月には、このクインテットによるアルバム発売を記念した日本ツアーが行われる。さまざまな音楽性がぶつかり合い、そして融合する。まるで世界を包み込むかのような、ジャズの奥深さを感じられるステージになりそうだ。
『JUST MUSIC』
発売元:ピーヴァイン・レコード
発売日:2014年3月26日
価格:2,400円(税抜)
9月15日(月・祝) 名古屋/スターアイズ
9月16日(火) 大阪/ミスターケリーズ
9月17日(水) 浜松/ポルテシアター
9月19日(金) 東京/ブルースアレイジャパン
詳しくはクリヤ・マコト オフィシャルサイトをご覧ください。
文/ 日暮尚実
photo/ Koji Ota
tagged: ジャズ, ショパン, ポーランド, クリヤ・マコト, シルヴェスター・オストロフスキー・クインテット, JUST MUSIC, ツアー
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