Web音遊人(みゅーじん)

いつまでも聴いていたい音を求めて──そんな開発者の思いから生まれたヤマハのフラッグシップHiFi 5000シリーズ

HiFiオーディオ機器を手がけてきたヤマハが、あらためてその充実に乗り出したのが2006年。その後、HiFi技術に一層のドライブをかけ、プリメイアンプ、CDプレーヤー、スピーカーなどを発表してきた。
今回は、プリアンプ「C-5000」とパワーアンプ「M-5000」、ターンテーブル「GT-5000」のHiFi新製品を発表。2016年に登場したスピーカー「NS-5000」にこの3モデルを加えて、ついにフラッグシップHiFi 5000シリーズが揃ったことになる。

なぜ、ヤマハはHiFiに注力するのか。その目的は、音楽ファンのための音楽再生機器を生みだし、豊かな音楽体験と深い感動を提供することだ。
「ヤマハは楽器では1世紀、オーディオは半世紀以上の歴史を持っています。音が生まれる瞬間を知っているのが我々ヤマハ。だからこそ、音楽性表現を追求できると考えます」
AV商品企画グループの熊澤進さんはそう語る。その音楽性表現を実現するためにも重要なのが、入口であるプレーヤーから出口のスピーカーまで一貫して手がけること。トータルHiFiブランドを確立しているのは、おそらくヤマハだけだろう。

「“入口から出口まで”すべてプロデュースしていくことで、とことん追求できます。そこから得られる価値があるということを信じて、戦略を立ててきました」(熊澤さん)。
ヤマハのHiFi商品のサウンドコンセプトは5つ。「小さな音でも遠くまで届く、抜けの良い音の開放感」「音楽のエモーショナルさ」「演奏者のタイム感、グルーヴ感」「空間で生まれるハーモニー」「響きを表現する音場感、音楽的な低域に支えられたゆるぎない音像感」だ。フラッグシップである5000シリーズでは、こうした表現力を徹底的に追求。さらにフラッグシップとしての高品質、高音質、それらを実現させるためローテクからハイテクまでの独自技術を意識し、商品の開発に取り組んできたという。
また、5000シリーズではデザインでも音楽的なリズム感を表現。さらに直感的な操作性や触る楽しみなど、今の時代に即したスタイリングが考え抜かれている。
「音楽に没頭できる音質を目標にして開発を進め、過去にないぐらいの時間を使って音声調整をしました。妥協なき改善と検証、満足できる音ができるまではやり切るという執着心を、開発者全員で持って取り組んできました」

HiFiセパレートアンプ「C-5000」と「M-5000」の開発プロジェクトリーダー、関塚恭好さんはそう胸を張る。音質調整を担ってきた森井太朗さんによれば、「芯があって音程感がしっかりしていて抜けがよい、音楽の下支えになる低域表現を追求した音」とのこと。

HiFi 5000シリーズ

両モデルの最大の特長は、信号経路を最短化する新規開発のコンストラクションと回路設計によって、徹底した振動対策と低インピーダンス化を図っていること。さらに、ヤマハの特許技術であるフローティング&バランス方式を採用し、ノイズの影響を徹底的に排除する完全バランス伝送化を実現。ヤマハが追求してきた5つのサウンドコンセプトに加え、セパレート構造でしか実現できない圧倒的な音場感とより音楽的な低音再生が可能になった。

一方、ターンテーブル「GT-5000」のキーワードとなるのは、“木製”と“重量”。音質的に必要な部分の巨大重量化と不必要な部分の大胆な省略を設計の基本にするという、ヤマハターンテーブルのDNAを受け継ぎつつ、現代の技術を盛り込んだ。
「設計コンセプトは、レコード盤に刻まれた音の情報を素直に取り出すということです」(開発プロジェクトリーダー・阿部紀之さん)
その実現のため、異なる素材を使った二重構造のプラッターを装着したベルトドライブ方式を採用。また、トーンアームには、力学性と追従性に優れたショートタイプのビュアストレートアームを選択。さらにすべての音声配線には、新世代の銅導体「PC-Triple C(ピーシー トリプルシー)を投入し、全帯域にわたる情報量の豊かさと低域の力感を実現した。
もうひとつのポイントは、針の根元のコイルから出力されたバランス音声をそのまま取り出せるXLRバランス出力端子を装備していること。完全バランス伝送化を達成した「C-5000」と「M-5000」と組み合わせることで、“入り口から出口”までグランドノイズの影響を完全に排除することが可能に。開放感があり、抜けの良い音が楽しめる。

試聴してみると、あたかも目の前でパフォーマンスが繰り広げられているかのよう。録音現場の空気感までも伝わってくる音場感と開放感、正確無比な音像定位が実感できる。
フラッグシップHiFi 5000シリーズは、まさに音楽ファンのために飽くなき追求を蓄積して生まれた音楽再生機器。楽器づくりからコンサートホールの設計までさまざまな分野で音と音楽に深く関わってきた総合力を背景にした、ヤマハならではの技術の集大成だ。

※「C-5000」「M-5000」は2018年12月上旬、「GT-5000」は2019年11月発売予定

■プリアンプ「C-5000」

信号経路を純化するブックマッチ・コンストラクション採用のHiFiプリアンプ
製品の詳細はこちら

■パワーアンプ「M-5000」

ヤマハの特許技術、フローティング&バランス方式を極めたHiFiパワーアンプ
製品の詳細はこちら

■ターンテーブル「GT-5000」

伝統の設計コンセプト「GT思想」に基づいてアナログ再生の本質を追求したベルトドライブ方式・マニュアル操作の高級アナログターンテーブル
製品の詳細はこちら

 

特集

菅野祐悟

今月の音遊人

今月の音遊人:菅野祐悟さん「音楽は、自分が美しいと思うものを作り上げるために必要なもの」

5475views

音楽ライターの眼

連載44[ジャズ事始め]ジャズに貼られていたラベルをはがすことに成功した“ランドゥーガ”という自由空間

1731views

楽器探訪 Anothertake

新開発の音響システムが表現力のカナメ。管楽器の可能性を広げる「デジタルサックス」

4202views

日ごろからできるピアノのお手入れ

楽器のあれこれQ&A

日ごろからできるピアノのお手入れ

67434views

ぱんだウインドオーケストラの精鋭たちがバイオリンの体験レッスンに挑戦!

おとなの楽器練習記

【動画公開中】ぱんだウインドオーケストラの精鋭たちがバイオリンの体験レッスンに挑戦!

13967views

オトノ仕事人

深く豊かなクラシックの世界への入り口を作る/音楽ジャーナリストの仕事

5301views

紀尾井ホール

ホール自慢を聞きましょう

専属の室内オーケストラをもつ日本屈指の音楽ホール/紀尾井ホール

15647views

東京文化会館

こどもと楽しむMusicナビ

はじめの一歩。大人気の体験型プログラムで子どもと音楽を楽しもう/東京文化会館『ミュージック・ワークショップ』

7947views

民音音楽博物館

楽器博物館探訪

16~19世紀を代表する名器の音色が生演奏で聴ける!

12447views

われら音遊人

われら音遊人:路上イベントで演奏を楽しみ地域活性にも貢献

3791views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

もしもあのとき、バイオリンを習っていたら

5991views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

26650views

大人の楽器練習記:バイオリニスト岡部磨知がエレキギターを体験レッスン

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:バイオリニスト岡部磨知がエレキギターを体験レッスン

20203views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

見るだけでなく、楽器の音を聴くこともできる!

14530views

ニューイヤー・コンサート2018

音楽ライターの眼

ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート2018は、14年ぶりにムーティが指揮台に立つ

7799views

梶望さん

オトノ仕事人

アーティストの宣伝や販売促進など戦略を企画して指揮する/プロモーターの仕事

12114views

みどりの森保育園ママさんブラス

われら音遊人

われら音遊人:子育て中のママさんたちの 音楽活動を応援!

7248views

音楽を楽しむ気持ちに届ける「ELC-02」のデザインと機能

楽器探訪 Anothertake

【動画】「楽しさ」をまるごと運ぼう!「ELC-02」の分解、組み立て手順

19458views

ホール自慢を聞きましょう

歴史ある“不死鳥の街”から新時代の芸術文化を発信/フェニーチェ堺

9313views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

楽器は、いつ買うのが正解なのだろうか?

8826views

楽器のあれこれQ&A

初心者必見!バイオリンの購入ポイントと練習のコツ

21672views

こどもと楽しむMusicナビ

1DAYフェスであなたもオルガン博士に/サントリーホールでオルガンZANMAI!

3504views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

26650views