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【チケットプレゼント】密かに書き残した自叙伝やプライベート映像で、プリマドンナの素顔を紐解く映画『私は、マリア・カラス』
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2018.12.18
tagged: 映画, マリア・カラス, 私は、マリア・カラス, レビュー
圧倒的な表現力とカリスマ性を持つプリマドンナであるいっぽう、舞台の途中降板や大富豪との恋愛など、スキャンダルでも注目を浴びることの多かったマリア・カラス。どこか「わがままな歌姫」「恋愛に情熱的な女性」というイメージがつきまとう彼女だが、ドキュメンタリー映画『私は、マリア・カラス』を観たら、その印象が変わるかもしれない。
本作品の製作のきっかけとなったのは、カラスが密かに書き残していたという“未完の自叙伝”。監督のトム・ヴォルフは、カラスの友人たちを探して3年間世界各地を回り、この自叙伝を入手。加えて、プライベートな手紙や映像、音源も探し出し、誰も見たことのないカラスの一面を映像作品としてまとめ上げた。
自宅や友人宅でくつろぐ姿や、ファンが隠し撮りした舞台映像など、本作中の半分以上が世界初公開の秘蔵映像。また、これまでモノクロでしか見られなかった『ノルマ』の「清らかな女神よ」や『トスカ』の「歌に生き、恋に生き」などの歌唱映像も、写真をもとに初めてカラー化。歌唱映像を何度も見ているカラス・ファンにとっても、新鮮な驚きがあるはずだ。
初公開の映像のなかでも、カラスの本音がリアルに感じられるのが、1970年12月にミューヨークで収録されたテレビ番組のロングインタビュー。放送以来、紛失したと思われていた素材が40年ぶりに発見されたもので、キャリアや私生活についてざっくばらんに話すカラスの姿は、さまざまなことに思い悩むひとりの女性であることを感じさせる。
「歌は私の唯一の言葉」と語り、たゆまぬ努力を重ねたマリア・カラスだが、オペラ歌手としての活動期間はたった10数年に過ぎなかった。喉を酷使したこともあるだろうが、完璧を求めるが故に興行側とやり合うことも多く、自分で自分を追い詰めていったところもあるかもしれない。ましてや、カラスが生きていた時代はインターネットもSNSもない時代。今であればアーティストが自らメッセージを発信することもできるが、マスコミが一方的に報道していた時代においては、レッテルが独り歩きしていたところも大いにあるだろう。
第三者の証言ではなく、自叙伝の文章やプライベートの手紙にあったカラス自身の言葉で人物像に迫った本作。これまで、波乱万丈の人生を生きた女性としてドラマティックに描かれることの多かったカラスだが、自叙伝の最後にあった観客への感謝のメッセージに、繊細で、愛情深い彼女の本質が現れているのではないだろうか。
世界的プリマドンナの人生を時系列になぞりながら、彼女が残した言葉一つ一つをかみしめたい作品だ。
『私は、マリア・カラス』
12月21日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
配給:ギャガ
監督:トム・ヴォルフ
朗読:ファニー・アルダン(『永遠のマリア・カラス』主演)
映画『私は、マリア・カラス』の劇場鑑賞券を抽選で2組4名様にプレゼントします。
鑑賞券は全国上映劇場でご利用いただけます。
ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。
応募締切:2019年1月6日(日)23:59
当選発表:チケットの発送をもって代えさせていただきますので、予めご了承ください。
文/ 武田京子
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