Web音遊人(みゅーじん)

われら音遊人:大学時代の仲間と再結成大人が楽しむカントリー・ポップ

都内にある練習スタジオを訪れると、明るい雰囲気で迎えてくれたThe 14th Moonのメンバーたち。この日は、2日後に控えたライブの練習を行っていた。当日演奏するセットリストの中からまず音合わせをしていたのは、名曲、ドワイト・ヨアカムの『Turn It On, Turn It Up, Turn Me Loose』。ドラムとベースがリズミカルに4ビートを刻む、王道のカントリーソングだ。そこにエレキギターを鳴らし、マンドリンの音色が軽やかに加わる。さらにボーカル綾喜子さんの柔らかくてハスキーな歌声が乗り、楽しげに演奏していた。

The 14th Moonは、リーダーの綾和也さんと喜子さん、ドラムの竹内さんを含むメンバーで、大学在学中に結成された。卒業とともにバンドは解散したが、3年前に新たなメンバーで再結成。きっかけを喜子さんが教えてくれた。
「私自身、今から15年前、友だちに誘われて、カントリーバンドを始めたんです。その後、バンドを抜けて新しく活動しようと思ったときに、同窓会で和也さんと再会し、一緒にオリジナルのカントリーソングを歌い始めました。それから次第にメンバーが集まった、という感じです」

元々のバンドメンバー3人に加え、ベースの東さん、ギターの山内さんが加わり、5人組のカントリーポップバンドとして活動を再スタート。現在は、仕事や家庭と両立しながら、東京都内と神奈川県でライブ活動を行っている。

(写真左から)ボーカルの綾喜子さん、リーダーの綾和也さん、ベースの東英一郎さん、ドラムの竹内一雅さん、ギターの山内一典さん。

結成一年後にCDを制作したとき、バンドに転機がおとずれた。
「CDに収録したオリジナル曲の『Nashville On My Mind』は、私が初めてテネシー州のナッシュビルに訪れた感動を歌にしました」と喜子さんは話す。『Nashville On My Mind』はその後、当時の駐日アメリカ合衆国大使の元に。曲を気に入った大使は、なんと彼らを大使公邸に招待したのだ。また、2019年4月には、アメリカの在ナッシュビル日本総領事館の招待で、現地で開催されたイベントで演奏を披露するという、夢のような出来事が起こった。

ところで、カントリーミュージックは、70歳を過ぎても演奏やダンスを楽しむ人が多い音楽だと聞く。
「音楽以外にも、女性ダンサーのパワフルなダンスも見どころです。ご年配のダンサーも多いんですよ。数十人のダンサーがカウボーイハットにジーンズでステップを刻む姿は迫力ありますよ」とドラムの竹内さん。

ダンサーやほかのカントリーバンドを呼び、彼らは年に2回、大きな会場でイベントを主催している。そうしたライブやイベントを行う際に心がけていることがある。
「お金や時間を使って来てくださるお客さんに、少しでも多く喜んでもらうことを大切にしています」

今も昔も変わらずに音楽が好きというメンバーたち。「自分たちがいくつになっても、音楽を楽しみ続けていたい」と笑顔で話してくれた。

定期的にライブに出演。2020年1月25日(土)には自主開催イベント『The 14th Moon, The Greatest Show』を予定。

活動のための工夫やノウハウを紹介!われらのTips

Q.お金やスケジュールの管理は?
練習時のスタジオ代は、その日の練習参加メンバーが割り勘で払います。スケジュール調整には、簡単に出欠管理ができるサイト「調整さん」を使っています。ライブは市民音楽祭に応募したり、年に4回はイベントを自主開催しています。
(綾和也さん)

Q.家庭と仕事との両立は?
ライブの予定が入ったら、早めに家族に相談します。子どもがまだ小学生なので、妻に仕事を休んでもらったり、母親にお願いしたり。どうにもならないときは、子どもの手を引いてライブに参加することも……。
(山内一典さん)

Q.上達するためにしていることは?
YouTubeを見て研究しています。昔は気になるドラマーがいても、どうやって叩いているのかわからなかったですが、今は動画で細かい部分も見ることができるから便利ですよね。昔はレコードを必死に聴いて耳コピしていました。
(竹内一雅さん)

バンド紹介

●バンド名:The 14th Moon(Facebook
●結成時期:2016年11月
●モットー:お客さまを楽しませるライブをする!
●練習頻度:ライブ前は月2回程
●平均年齢:56歳
●メンバー:綾喜子(ボーカル、ギター)、綾和也(ギター、マンドリン)、竹内一雅(ドラム)、山内一典(リードギター)、東英一郎(ベース)
●活動内容:年に4回、カントリーイベントを自主開催(うち大きなイベントは夏と冬に開催)。そのほか、市民音楽祭などへ2か月に1~3回出演。

仕事を持ちながら音楽を楽しむ「われら音遊人」大募集!

音楽情報誌「音遊人」とWebマガジン「Web音遊人」にご登場いただける、仕事をしながら活動を続けているアマチュアバンドや楽団を募集しています。ジャンルは問いません。ぜひ、取材にご協力ください。
詳細はこちら

特集

ケイコ・リー

今月の音遊人

今月の音遊人:ケイコ・リーさん「意識的に止めなければ、自然に耳に入ってくるすべての音楽が楽譜として浮かんでくるんです」

3154views

自伝『ABC: A Lexicon Of Life』

音楽ライターの眼

ABC『ルック・オブ・ラブ!!』の秘密が今明かされる。自伝『ABC: A Lexicon Of Life』刊行

1137views

楽器探訪 Anothertake

新開発の音響システムが表現力のカナメ。管楽器の可能性を広げる「デジタルサックス」

4223views

初心者におすすめのエレキギターとレッスンのコツ!

楽器のあれこれQ&A

初心者におすすめのエレキギターと知っておきたい練習のコツ

24412views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若手サクソフォン奏者 住谷美帆がバイオリンに挑戦!

9760views

オトノ仕事人

ピアノを通じて人と人とがつながる場所をコーディネートする/LovePianoプロジェクト運営の仕事

18801views

サラマンカホール(Web音遊人)

ホール自慢を聞きましょう

まるでヨーロッパの教会にいるような雰囲気に包まれるクラシック音楽専用ホール/サラマンカホール

22815views

こどもと楽しむMusicナビ

“アートなイキモノ”に触れるオーケストラ・コンサート&ワークショップ/子どもたちと芸術家の出あう街

7272views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

見るだけでなく、楽器の音を聴くこともできる!

14541views

われら音遊人:1年がかりでビッグバンドを結成、河内からラテンの楽しさを発信!

われら音遊人

われら音遊人:1年がかりでビッグバンドを結成、河内からラテンの楽しさを発信!

11777views

パイドパイパー・ダイアリー Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

あれから40年、おかげさまで「音」をはずさなくなりました

4974views

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブにサルサ!キューバ音楽に会いに行く旅

26675views

【動画公開中】沖縄民謡アーティスト上間綾乃がバイオリンに挑戦!

おとなの楽器練習記

【動画公開中】沖縄民謡アーティスト上間綾乃がバイオリンに挑戦!

9686views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

世界中の珍しい楽器が一堂に集まった「浜松市楽器博物館」

33059views

ブラームス後期ピアノ小品集、博学が精緻に設計したロマン=King Gnu「白日」

音楽ライターの眼

【クラシック名曲 ポップにシン・発見】(Phase14)ブラームス後期ピアノ小品集、博学が精緻に設計したロマン=King Gnu「白日」

2449views

宮崎秀生

オトノ仕事人

ホールや劇場をそれぞれの目的にあった、よりよい音響空間にする専門家/音響コンサルタントの仕事

3300views

ゲッゲロゾリステン

われら音遊人

われら音遊人:“ルールを作らない”ことが楽しく音楽を続ける秘訣

2220views

楽器探訪 Anothertake

改めて考える エレクトーンってどんな楽器?

137283views

ホール自慢を聞きましょう

歴史ある“不死鳥の街”から新時代の芸術文化を発信/フェニーチェ堺

9339views

山口正介

パイドパイパー・ダイアリー

だから続けられる!サクソフォンレッスン10年目

5178views

フルート

楽器のあれこれQ&A

初心者にもよくわかる!フルートの種類と選び方

22534views

こどもと楽しむMusicナビ

“アートなイキモノ”に触れるオーケストラ・コンサート&ワークショップ/子どもたちと芸術家の出あう街

7272views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

32055views