今月の音遊人
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取り扱い数は39万アイテム。楽器などの修理に欠かせない部品を取り扱うヤマハの「パーツセンター」に潜入!
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2020.9.14
tagged: カスタマーサポート通信, 技術サポートセンター, パーツチーム, パーツセンター
大切な楽器やオーディオ製品の修理に欠かせない交換用のパーツ(部品)、「サービスパーツ」。ヤマハ製品のアフターサービス用パーツは、「パーツセンター」が一括して取り扱っています。そして、その「パーツセンター」にパーツ入出庫業務を業務委託し、パーツの受注や調達などの管理をしているのが、ヤマハのカスタマーサポート部技術サポートセンター内にある「パーツチーム」です。
総合楽器メーカーであるヤマハの膨大なパーツはどのように管理され、現場で修理やメンテナンスを行う技術者のもとに届くのでしょうか。「パーツチーム」チームリーダーのヤマハミュージックジャパン 原由賀里さんに伺いました。
パーツセンターでは、出荷するパーツをピックアップし、梱包して発送するまでの業務が行われています。パーツの発注・受注に活躍しているのが、2019年5月に稼働を開始したサービスパーツWEB注文システム「SPOON(スプーン)」。特約店技術者がSPOONを用いてアフターサービス用パーツを注文すると、その注文データが倉庫入出庫システムに届き、出荷すべきパーツの倉庫内の保管位置と送付先が示されます。
「出荷数は1日約1,000件。SPOONで午後2時までに受注したパーツは、その日のうちに発送します」と原さん。
ネジ1本からグランドピアノの屋根にいたるまで、扱う種類と数は膨大!在庫だけで4万アイテムが保管されていますが、SPOONに登録されたすべてのパーツを合わせると実に39万アイテムにおよぶそう。
もちろん、現行モデルだけでなく歴代製品のパーツも扱っています。
「通常は製造終了後10年間保管しますが、例えば“一生もの”との思いでご購入される方が多いアコースティックピアノのパーツなどは、約30年間保管することもあります」
これらは1棟の広い倉庫ですべて管理され、出番を待っています。
「SPOON」によるWEB注文は、特約店からのパーツ受注全体の約65%。そのほかに別システムからの受注とファックスでの受注があります。それらのデータを「SPOON」に流し込んで受注を完了させているのが、「パーツチーム」内の「パーツ受注チーム」です。
「パーツ受注チーム」では特約店向けに専用のコールセンターも開設し、問い合わせにも応対。さらにパーツに関する情報を提供するサイトを運営し、技術者とそれを共有することでよりスピーディな対応に努めています。
一方、パーツセンターにパーツの供給をし、管理するのが「パーツ調達チーム」。新製品のパーツ発注とシステム登録、現行モデルや廃番モデルのパーツの補充発注などを行っています。
修理やメンテナンス現場においては、パーツはまさに伝家の宝刀。パーツがなくては戦えません。「必要なときに必要なタイミングで部品をお出しできることを常に心がけています」
8桁のパーツコードを聞いてすぐに何かわかる経験豊富なメンバーも多く、97%の即納率をキープしているといいます。
「パーツチームの仕事は、家計の管理にも似ていると思うんです。節約ばかりして在庫を抑えるとお客様への即納率が落ちてしまうし、逆に即納率だけにとらわれると在庫ばかりが嵩んでしまいます。チーム一丸となってそのふたつが両立できたとき、達成感を感じます」
「パーツチーム」のメンバーがユーザーと直接やり取りすることはありませんが、その目は常にお客様に向けられています。大好きな楽器が故障して演奏できず泣いているお子さん、コンクールを前に楽器の調子が悪くて困っている学生さん、ステイホームで昔のギターを修理して復活させたいお父さん……。1日も早く再び楽器を使えるようにしたいというお客様の姿を想像しながら、パーツチームはパーツをより確実で迅速に提供することを使命に、日々業務にあたっています。
文/ 福田素子
photo/ 澤島宏明
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