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ピアニストとして自分を再構築したニューアルバム『reBUILD』/大井健インタビュー
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2021.7.8
コロナ禍で音楽活動が制限されるなか、現役のピアニストとしては珍しいオンラインサロンを開設。演奏動画の配信やオンライン上でのファンとの交流など、さまざまな試みを行っているピアニストの大井健。2021年6月には、ソロとして3枚目となるアルバム『reBUILD(リビルド)』をリリース。改めてクラシックに向き合い、ピアニストとしての自分を再構築(リビルド)した作品となっている。
自作曲である即興のイントロを除き、クラシック曲で構成されているニューアルバム。バッハ、ベートーヴェン、ショパン、ドビュッシーなど、幅広い時代の作曲家の、ゆったりとした美しいメロディの名曲が並ぶ。
「今回のアルバムではクラシックにどっぷり浸かり、ピアノでできる表現を見つめ直しました。また自分の原点に立ち返ろうと、10代の頃によく弾いた曲を多く収録しています。例えばショパンの『ノクターン 第13番』は、父の仕事の都合でドイツにいた中学生のとき、父の部下だった方がホームパーティーでこの曲を弾いていて『なんて格好いいんだろう』と思い、ピアノの先生にお願いして必死に練習した思い出があります」
大井が「ぜひ注目してほしい」というのは、オーケストラを弦楽四重奏に編曲したラヴェル『ピアノ協奏曲 第2楽章』と、ラフマニノフ『パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏』。
「オーケストラとピアノのための協奏曲を、あえてストリングス・カルテットと弾くという試みにチャレンジしています。僕はいわゆるクラシックオタクで、あらゆる録音を聴いてきましたが、これらの楽曲をストリングス・カルテットと一緒に演奏している前例はおそらくないと思います。原曲を編曲――いわば再構築(リビルド)したこの2曲は、アルバムのなかで大きな意味を持ちます」
クラシックの間口を広げるためにも、ルールに縛られず、自由な発想でアレンジを行っていきたいという。
「クラシックの世界には、原曲を変えるのは邪道という考えがあり、僕も学生時代まではそう思っていました。でも、いろいろなアレンジがあったほうが聴き手は楽しいと思いますし、アレンジをきっかけに原曲に興味を持つ人が増える可能性もあります。今後も、いい意味でクラシックの常識を打ち破るような、新たな表現を探っていきたいです」
2021年秋にかけては、全国13か所でニューアルバムを携えたツアーを開催。自身のYouTubeチャンネルを開設し、舞台裏のリポートや、ありのままの自分をVlog(動画版ブログ)配信することにもトライしている。
「久しぶりのツアーですし、自分のレパートリーを出来る限りたくさん披露したいと思っています。ニューアルバムの曲は、時間の許す限り全曲お届けする予定です。2つの協奏曲は、コンサートでしか聴けないピアノのみのソロバージョンで弾きますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです」
ピアノという楽器に、無限の可能性を感じているという大井。「自分にしかできないピアノの表現、音楽の届け方を追求していきたい」と語る。
「ここ数年、さまざまな場所にストリートピアノが置かれたり、演奏動画を配信する人が増えたり、ピアノを取り巻く環境が充実してきていると感じます。また僕自身も、オンラインサロンを開設したことで、音楽活動に新たな広がりが生まれているのを実感しています。一人でも多くの方にピアノやクラシック音楽を好きになってもらうためにも、自分のワザと経験値を高めていきたいです」
発売元:キングレコード
発売日:2021年6月2日
価格:3,300円(税込)
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7月10日(土)南海浪切ホール(大阪)
7月17日(土)浜離宮朝日ホール(東京)
7月22日(木・祝)入善コスモホール(富山)
8月22日(日)電気文化会館 ザ・コンサートホール(愛知)
8月29日(日)釧路市生涯学習センター まなぼっと幣舞(北海道)
8月30日(月)幕別町百年記念ホール(北海道)
8月31日(火)札幌市教育文化会館 小ホール(北海道)
9月2日(木)北斗市総合文化センター かなで~る(北海道)
9月4日(土)佐世保市民文化ホール(長崎)
9月17日(金)福岡市健康づくりサポートセンター あいれふホール(福岡)
9月19日(日)高崎シティギャラリーコアホール(群馬)
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