今月の音遊人
今月の音遊人:石川さゆりさん「誰もが“音遊人”であってほしいですし、音楽を自由に遊べる日々や生活環境であればいいなと思います」
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クラシック・キャラバン2021 クラシック音楽が世界をつなぐ~輝く未来に向けて~コンサート全国ツアーがスタート
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2021.9.7
tagged: 音楽ライターの眼, クラシック・キャラバン2021
コロナ禍の現在、クラシック音楽界はコンサートの中止や延期が相次ぎ、アーティストをはじめ数多くの事業者、芸術団体、関連産業などが困難に直面している。最近は徹底した感染対策を実践し、少しずつコンサートも行われるようになり、私も対面のインタビューなどが可能になっているものの、まだ不安要素は多く、さまざまな模索が続いている。
アーティストに話を聞くと、この時期にはレパートリーを広げたり、以前演奏した作品をもう一度見直したり、楽譜の整理をしたりと、スケジュールに追われて時間がないときにはできなかったことをしていると語る人が多いが、やはり海外公演を含めコンサートがなくなったことに心を痛めている人が目立つ。
音楽家にとって、生の演奏は命。ホールを埋め尽くした聴衆の前で演奏し、聴き手と一体感を抱いて作品を享受することこそ演奏の醍醐味である。こうした場が閉ざされてしまうと、演奏する側も聴く側も、そしてすべての音楽関係者も、閉塞感に陥ってしまう。
もちろん、多くの人々の尽力により、少しずつ生の演奏を聴く機会が増えてきたが、久しぶりにホールに集う聴衆の嬉々とした笑顔、生の音楽を全身にまとう喜びは、ホール全体を輝かしい空気に包み込んでいる。ステージでは聴衆を前に演奏できるアーティストたちの晴れ晴れとした表情が際立ち、いまこそ持てる限りのすばらしい演奏を行おうと、みな驚異的な集中力を発揮している。
こうしたなか、クラシック音楽界が一致団結し、クラシックの名曲を生演奏によって全国のファンに届けようという試みが始まることになった。題して「クラシック・キャラバン2021 クラシック音楽が世界をつなぐ~輝く未来に向けて~」。各地の大ホールではオーケストラ編成による華麗なガラ・コンサートやオペラ・アリア、ベートーヴェンの『第九』、小ホールでは今年没後100年を迎えるサン=サーンスの『動物の謝肉祭』、ストラヴィンスキーの『兵士の物語』などがプログラムに組まれている。
各会場、緊急事態宣言の対象地域では収容定員の50%を上限にするなど感染症対策に最大限配慮して開催される。声援ではなく、大きな拍手で気持ちを伝えたい。
クラシック・キャラバン2021 クラシック音楽が世界をつなぐ~輝く未来に向けて~
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伊熊 よし子〔いくま・よしこ〕
音楽ジャーナリスト、音楽評論家。東京音楽大学卒業。レコード会社、ピアノ専門誌「ショパン」編集長を経て、フリーに。クラシック音楽をより幅広い人々に聴いてほしいとの考えから、音楽専門誌だけでなく、新聞、一般誌、情報誌、WEBなどにも記事を執筆。著書に「クラシック貴人変人」(エー・ジー出版)、「ヴェンゲーロフの奇跡 百年にひとりのヴァイオリニスト」(共同通信社)、「ショパンに愛されたピアニスト ダン・タイ・ソン物語」(ヤマハミュージックメディア)、「魂のチェリスト ミッシャ・マイスキー《わが真実》」(小学館)、「イラストオペラブック トゥーランドット」(ショパン)、「北欧の音の詩人 グリーグを愛す」(ショパン)など。2010年のショパン生誕200年を記念し、2月に「図説 ショパン」(河出書房新社)を出版。近著「伊熊よし子のおいしい音楽案内 パリに魅せられ、グラナダに酔う」(PHP新書 電子書籍有り)、「リトル・ピアニスト 牛田智大」(扶桑社)、「クラシックはおいしい アーティスト・レシピ」(芸術新聞社)、「たどりつく力 フジコ・ヘミング」(幻冬舎)。共著多数。
伊熊よし子の ークラシックはおいしいー
文/ 伊熊よし子
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